マイナーチェンジを受けたマツダの新しい「CX-5」の特徴とは? プロトタイプを見た小川フミオがリポートする。
内外装の変更
マツダのベストセラーSUV「CX-5」が商品改良を受け、11月8日に発表された。ライフスタイルの多様化に合わせた、とするマツダでは、スポーティなグレードや、オフロード志向のひとのためのグレードを設定したのも、大きな注目点だ。
現行の2代目CX-5が登場したのは2017年。2700mmと比較的長いホイールベースを持ついっぽう、全長を4545mmに抑えた、いわゆるパッケージングのよさが特徴で、日本で多くのファンをうんできた理由のひとつとなっている。
CX-5シリーズはこれまで、エンジンのラインナップ拡充や、AWD(全輪駆動)システムの改良を含め、アップデートを重ねてきており、最新モデルでは、さらにボディ、サスペンション、ドライブトレイン、シートの機能が改良された。マツダは「より自然な感覚で運転できること」を目的として挙げている。
ざっというと、運転したときのドライバーと車両との一体感がぐっと上がったという。開発責任者の松岡英樹主査にインタビューしたときおもしろかったのは、「いってみれば、歩くような自然な感覚で運転できることをめざしてシート構造を変更し、そこから足まわりなどを設定しました」という点。
操縦安定性、乗り心地、ノイズやバイブレーションやハーシュネスという不快な要素を遮断する性能を、車両を全体を一体としてみながら仕上げていくというのが、マツダの開発陣の姿勢なのだそう。
ファンにとっては“人馬一体をつねに標榜するマツダらしい”と腑に落ちる内容といえるかもしれない。マツダの言葉でいうと、「スカイアクティブ・ビークルアーキテクチャーの考え方にのっとった改良」(松岡氏)となる。
もうひとつの注目点は、「マツダ・インテリジェント・ドライブセレクト」(マツダの呼称ではMi-DRIVE、“ミー・ドライブ”)の採用だ。これまでのドライブセレクションにもドライブモードセレクターは搭載されていた。今回、「フィールドジャーニー(Field Journey)」というグレードに「オフロード」モードがそなわった。
切り替えると液晶メーターの表示も大きく変わる。そのため、ドライバ−は自分が選んだモードをすぐにイメージできる。オフロードモードは、雪とか砂利とか岩場とかでの使いやすさを重視したという。
外観も、フロントマスクをはじめ、外板の意匠が変わっている。ひとことで印象をいうと、なめらかな面づくりと、力のみなぎりを感じさせるカーブが特徴的。
フロント部分は、水平方向の広がりを感じさせるという薄型のLEDヘッドランプと、新しいデザインになったグリルを持つ。リアコンビネーションランプも車体のワイド感を強調した意匠になった。全体としては、タフさよりもエレガントでスポーティ、というかんじだ。
あたらしいモデルに注目!
今回の改良を機に、2つのあたらしいモデルが追加された。ひとつは「スポーツアピアランス(Sports Appearance)」。グロスブラックのパーツを効果的に使って、赤のアクセントが各所に入る。
もうひとつはフィールドジャーニーだ。「オフロードモード」をそなえる唯一の仕様で、オールシーズンタイヤを標準装備する。内装に撥水性の高い素材を使うなどの工夫がほどこされている。
「これまでのCX-5は、メーカーがわが”これが完璧なデザインなのでイジらないで”という主張をしていたきらいがありますが、今回のフィールドジャーニーなどは、むしろ自分でなにかをつけ加えたくなるのではないでしょうか。従来と一線を画したつもりです」
エクステリアデザインを担当したデザイン本部の椿貴紀氏の言葉だ。「あえて遊び心を盛り込みました」と、主査の松岡氏はつけ加える。
さきに触れたとおり、オールシーズンタイヤはフィールドジャーニーにのみ標準で提供される。通常のいわゆる夏タイヤと比較して、タイヤの性格の違いでドライブの印象が変わることはない、と松岡氏は語っている。
価格は、「スマートエディション」が267万8500円から、「プロアクティブ」が290万9500円から、「ブラックトーンエディション」が304万1500円から、「フィールドジャーニー」は323万4000円からとなっている。
「Lパッケージ」は320万1000円から、「スポーツアピアランス」は325万6000円から、「エクスクルーシブモード」は352万5000円からだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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