パイオニア株式会社は2024年10月10日、多彩な「カロッツェリア」ブランドの新製品を一気に発表、報道陣向けに「新商品体験説明会」を開催しました。最新のサイバーナビをはじめ、新機能を搭載したディスプレイオーディオ&高品質スピーカーなど、バラエティに富んだラインナップの全貌をお伝えします。
映像体験、サウンド体験を揃ってグレードアップ
単なる発表会ではなく「体験説明会」と銘打って開催された「2024冬カロッツェリア新商品」のお披露目会。ラインナップのメインテーマは「ユーザー視点でのカーライフ満足度を高める」がメインテーマ、とのことですが、とくにサウンド関連の商品について、「快適に観る、心地よく聴く」に関する新たなスタイルや、グレードアップ感が強く感じられました。
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あえて「体験」と謳われた背景には、ユーザーに対してもイベントなどを通じて体験してもらう機会を増やしたい、という想いがあります。
たとえば最新の「サイバーナビ」シリーズに対してユーザーからは、若者層を中心に「(最新のカーナビゲーションは)こんなことができるんだ!」という声が寄せられていると言います。オンライン対応によるエンターテインメント機能を充実させるとともに、史上最高音質を達成したサイバーナビは、「快適なカーライフ」のスタンダードを一気に引き上げることが、理解してもらえたということでしょう。
今回、サイバーナビに関しては計8機種が新たにラインナップされています。LS(ラージサイズ)2機種「AVIC-CQ912/CL-912」、200mmワイドタイプ1機種「AVIC-CW912」、2Dタイプ「AVIC-CZ912」1機種が従来のIII型からIV型へと進化、それぞれにネットワークスティックとのセット「DC」モデルも継続して設定されます。
愛用のスマートフォンで大画面のメリットを最大限に引き出す
「快適に観る」に関しては、10.1インチの大画面を備えたディスプレイオーディオが登場しました。Apple CarPlayやAndroid Autoが一般的に利用されつつあるトレンドに対応した新機能を備えています。
新車への純正装着率が高まっていることで、日本国内での認知度がどんどん高まっているディスプレイオーディオですが、エンターテインメントを楽しむツールとして「大画面、ワイヤレス接続、高音質」といった幅広いユーザーニーズへの対応が求められています。
一方で、Apple Car PlayもAndroidAutoもプラットフォームとしては確立されているため、その部分での使い勝手などをライバル製品や他のデバイスと差別化することは難しいことは確か。そこで「カロッツェリアDMH-SF900」ではエンターテインメント性、利便性に関する新機能を提案しています。
まずエンターテインメント性を高めるのが、本体の上部に配置された「ルミナスバー」です。これは音や映像に合わせてカラーイルミネーションが連動、視覚的な気分をさりげなく盛り上げてくれる「ミュージックライド」機能と、ルート案内時に右左折を誘導する際に点灯することで感覚的、直感的なガイドを可能にする「ルートガイダンスサポート」機能を備えています。
さらにスマートフォンとの連携によって利便性を向上させる「PxLink」も、なかなかにユニーク。専用のアプリケーションを介してスマートフォンに操作部を集中、サブディスプレイの感覚でAV系機能を操作することができます。
メインユニットの表示はそのままで調整ができるのは非常に便利ですが、サブユニット(スマホですが)を組み合わせたインターフェイスとしての「カッコよさ」にも要注目です。
実際に動作している様子を見ていると、ほどよく存在感を主張するルミナスバーの躍動と合わせて、見慣れたハズの愛車のインパネに「コクピット感覚」がプラスされるような気がしました。
高音質を追求したパーツの採用や独自の音質チューニングに加え、最適な音場を作り出す「タイムアライメント」や「13バンドグラフィックイコライザー」、圧縮音源でも高い音質で再生可能な「アドバンスド・サウンドレトリバー」など、音へのこだわりももちろん忘れていません。
スピーカーとフィッティングキットの最強コラボレーション
一方、「心地よく聴く」ためのサウンド関連のグレードアップアイテムは、スピーカーからアンプ、車載用のパーツ類など多彩です。
まずは独自の「Open&Smooth」コンセプト(中音域をトゥイーターから再生するという、従来の2ウェイスピーカーの常識を覆す設計思想)に基づいて、カスタムフィットスピーカーシリーズが進化しました。
ポイントのひとつはウーファーの有効振動直径の拡大による低域再生力の強化、トラスバスケットフレームによる深型化による低域再生力の向上です。トゥイーター部は指向特性に広がりを持たせたチタン製バランスドームダイアフラムを採用するとともに、ボールジョント機構によって上下25度、左右22度の範囲でスピーカーの向きを調整できます。
ラインナップとしては、フラッグシップモデルである「Vシリーズ」に1機種(TS-V174S:価格 7万9200円)、ハイグレードモデル「Cシリーズ」に5機種(TS-C1740S/-C1746S/-C1740/-C1640S/-C1640)のほか、ハイレゾ音源の再生にも対応したチューンアップトゥイーターが3タイプ設定されています。
ハイレゾ対応ということで、注目したいのが新しいパワーアンプ「カロッツェリアGM-D2400」。100W×4chのClass D ハイパワーアンプを搭載、小型・省電力設計で手軽に高音質化を実現しました。
車載に当たってこだわりたいのは、音源劣化に直接つながる取付用パーツのグレードアップでしょう。今回、カロッツェリア スピーカーの性能を最大限に引き出すことのできる「高音質インナーバッフルスタンダードパッケージ」を開発(国産各メーカーおよび、アウディ、フォルクスワーゲン車に対応する全8モデル)。音の歪みや共振を排除しながら、低域のレスポンスを高めることでキレの良いサウンドを実現しました。
さらに車種別専用設計によって、抜群のフィット感を誇る「カロッツェリア トゥイーター取付キット」に、ホンダN-BOX用(「UD-K308」)、スズキ スイフト用(「UD-K309」)が新たにラインナップされています。
▶▶▶次ページ:低中高、すべての音域がバランスよく響く心地よさ
低中高、すべての音域がバランスよく響く心地よさ
今回は「体験会」ということで、さまざなハード構成を搭載したデモカーが8台も用意され、それぞれに高品位な音源再生を確かめることができました。
とくに印象的だったのは、スイフトにディスプレイオーディオ「DMH-SF900」を搭載、フロントにカスタムフィットスピーカー「TS-C1740S」をトゥイーターマウンティングキット「UD-K309」とインナーバッフル「UD-K626」でフィッティングさせた上で、パワーアンプ「GM-D2400」を組み合わせた構成。
伸びやかな女性ボーカルとリズミカルでアップテンポな曲調を楽しみながら、同時にほどよく厚みのある低音域のビート感を実感することができました。
先代アルファードにカスタムフィットスピーカー「TS-C1746S」をインナーバッフル「UD-K5313」でトレードインした仕様は、純正ディスプレイオーディオの秘められた才能を確認することができました。
パワーアンプ「GM-D2400」とサウンドチューニングキット「UD-S701」のアシストがあるとはいえ、力強く粒だった音圧と澄みきった中音域、ハイトーンのボーカル部のバランスの良さには、脱帽ものです。
さらにもう1台、ちょっと変化球だけれど興味深かったのが、初代ミラ・ジーノのサウンドグレードアップの提案。こちらはパイオニアの社内コンペで優勝した社員のマイカーで、楽NAVI「AVIC-RF721-DC」とカスタムフィットスピーカー「TS-C1740S」という、比較的カジュアルな構成です。
クルマには軽くデッドニングなどが施されているとのことですが、全音域のバランスがやはりグッド、淀みなく心地よいサウンドを楽しむことができました。古いクルマでも軽自動車でも(失礼かもしれませんが)、意外なほど手軽にリスニングルームとしてグレードアップできるものだと、大変感心した次第です。
選択肢が一気に増えたカロッツェリアの「サウンドワールド」は、まさに必聴!パイオニアとしては今後、一般向けにもリスニング体験する機会を増やす予定、とのことなので、今後の展開についても情報収集をお忘れなく。
[ アルバム : カロッツェリアのエンタメワールド はオリジナルサイトでご覧ください ]
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サイバー、変わらぬマイナーチェンジ4回めって、あのモッサリをそのまま使い続けるとは。