2008年のパリサロンでヴェールを脱いだ「エストーケ」も衝撃的なモデルだった。それまでのランボルギーニでは考えられなかった4ドアスポーツサルーンというコンセプトは、大きな可能性を持っていた。
V10エンジンをフロントに搭載、そのコンセプトは現実的なものだった
2008年のパリサロンに登場した謎のランボルギーニは、ブランド初の4ドア/4シーターサルーンだった。
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ランボルギーニと言えば、ミウラ、カウンタック、ディアブロ、ムルシエラゴといった12気筒エンジン搭載の2人乗りのスーパーカーであり、エスパーダやイスレロなど4人が乗れるモデルもかつてはあったが、まさか4ドアセダンを作るとは思ってもみなかった。それまでにも1987年のフランクフルトモーターショーでコンセプトカー「ポルトフィーノ」が登場しているが、4つのドアを持つ4シーターではあったがセダンとは言い難かたいものだった。
エストーケ(Estoque )のボディサイズは全長5105mm、全幅1990mm、全高1350mmという堂々たるもので、4人が快適に乗れるようにホイールベースは3010mmと大きくとられていた。
5204ccのV型10気筒自然吸気エンジンをフロントミッドに搭載し、4輪を駆動、トランスミッションは6速セミAT eギアで、すでに将来的にはV8エンジン、ハイブリッドの搭載も示唆していた。
デザインは限定モデル「レヴェントン」の流れを受け継ぐ戦闘機のようなシャープなもので、鋭い目つきのLEDヘッドライト、シャープなボディライン、グラマラスなリアホイールアーチなど、さすがにスーパーカーブランドらしいエキゾチックな雰囲気を醸し出していた。
その一方でインテリアは一転、質感の高い高級感のあるもので、室内のゆとりも十分だった。当時ポルシェが開発を進めていた4ドアサルーン「パナメーラ」を意識したものであったと想像できるが、実用化を急いだのか、アルミフレームのシャシも含めて、このコンセプトはアウディA8で実現されることになる。
その後も、エストーケの市販を期待する声は大きいが、ランボルギーニの生産体制の問題もあって、いまも実現されていない。
ランボルギーニ エストーケ
Lamborghini Estoque (2008)
●エンジン:5204cc V型10気筒 DOHC 40バルブ
●駆動方式:4WD フロントミッドシップ
●最高出力:560ps/8000rpm
●最大トルク:540Nm/6500rpm
●トランスミッション:6速セミAT
●全長:5105mm
●全幅:1990mm
●全高:1350mm
●ホイールベース:3010mm
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