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【三菱自のここ1番】アウトランダー新型 世界のPHEV市場を狙う、電動SUVを解説

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【三菱自のここ1番】アウトランダー新型 世界のPHEV市場を狙う、電動SUVを解説

日本はプラグインハイブリッド仕様

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】新型アウトランダー 細部まで見る【中型SUVのPHEV 4選】 全111枚

編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)

10月28日。三菱自動車工業はアウトランダーPHEVをフルモデルチェンジして、12月16日から発売すると発表した。

アウトランダーは、三菱初のクロスオーバーSUVで、初代は2001年に発売された。ただし、日本では「エアトレック」の車名だった。

2012年に発売された3代目(日本では2代目)の現行型に、PHEV(プラグインハイブリッド車)が2013年から追加設定され、欧州、豪州、北米、そしてアセアンなどに順次展開し、2021年9月末の時点で累計29万台を販売している。

アウトランダーPHEVは、2020年の欧州市場ではSUVタイプのPHEVでは第1位の販売台数を記録。また三菱は、2013年1月から2020年9月の販売台数では、SUVタイプのPHEVにおいて世界第1位に輝いている(三菱調べ)。

新型アウトランダーは今年2月に北米市場で先に発表されているが、こちらはガソリン車。今回発表された日本仕様は、まずPHEVのみの設定となっている。

北米ではコンパクトクラス、日本ではミドルクラスに相当するアウトランダーPHEVだが、日本においてもこのクラスのSUV市場は、トヨタRAV4、レクサスNX、プジョー3008、シトロエンC5エアクロスなどのPHEVが参入している。

こうしたライバルに、PHEVを採用したSUVの先駆者として、アウトランダーPHEVはどう立ち向かうのか。どんな新しいシステムで挑むのか。

その概略を紹介していこう。

EV走行87km システム刷新の中身

PHEVのシステムを構成するコンポーネントは、すべてが刷新され、EV航続距離を延長し、EVらしい加速感を向上させている。

前後のモーターと駆動用バッテリーの出力を約40%高めて、市街地、郊外、高速道路の合流・追越しなど、アクセルを踏み込むシーンでも極力エンジンを始動させずにEV走行を維持し、高出力なツインモーター4WDならではの滑らかで力強いモータードライブを実現。

駆動用バッテリーの総電力量は20kWh(従来型13.8kWh)と大容量化し、EV走行換算距離を83~87km(WLTCモード)に。エアコンを使用した場合でも航続距離を確保し、あわせて充電頻度の低減にも貢献する。

また、タンク容量も増大させて、EV走行とHV走行を組み合わせた総合航続可能距離も大幅に伸びている。

ちなみに、AC200Vの普通充電なら約7.5時間で満充電。急速充電ならば約38分で80%を、エンジンで発電(停車中)すると約94分で80%のチャージができる。

フロントモーターのパワードライブユニットには昇圧機能を新採用し、強力な駆動力を発揮しながらジェネレーターへの発電効率も高めて電費を低減。

リアモーターは制御ユニットと一体化して、サードシート設置に必要なフロアスペースを確保。従来型のPHEV仕様にはなかった3列7人乗りを実現した。

組み合わされるエンジンは、2.4Lユニット(133ps/19.9kg-m)。低回転領域での燃費向上に加え、エグゾーストマニホールド一体シリンダーヘッドやEGRクーラーの採用により、高回転・高負荷域での燃費向上を図りながら、最高出力を高めている。

デザイン/サイズについて

新型アウトランダーのボディサイズは、全長4710×全幅1860×全高1745mm、ホイールベースは2705mm。

従来型より15mm長く、60mm幅広く、35mm高い。ホイールベースも35mm延長されている。

すでに北米で発表され、また日本仕様もスタイリングは先行公開されている新型だが、機能美を力強く表現したデザインをベースに、新たなコンセプト「ボールド・ストライド」を掲げ、堂々とした存在感のある佇まい、新しい第一歩を踏み出す頼もしさを全身で表現している。

フロントデザインは、最近の三菱車のアイデンティティである「ダイナミック・シールド」を新世代化させ、フードを高めて厚味と存在感のあるものに。

ランプ類は上下に分けて配置され、フロントのターンランプには片側21個のLEDによるシーケンシャルタイプを採用した(Mグレードを除く)。

サイドビューは、フロントからリアエンドまで厚味のある水平基調のプロポーションで表現。張りのある面構成のボディに、エッジの効いたキャラクターラインを彫り込んで、重厚感を強調した。

飛行機の垂直尾翼をモチーフとしたDピラーと、A~Cピラーをブラックアウトしてルーフがボディから浮いて見える意匠によって、軽快な走りをイメージさせている。

リアは、パジェロなどのクロスカントリーSUVが装着していた背面スペアタイヤをモチーフとした「ヘキサガード・ホライズン」を採用。テールゲートはシャープな六角形のデザインを強調。テールランプは水平基調とし、ワイドで安定感のあるリアスタイリングを表現した。

PHEV車で3列7人乗り 内装は?

インテリアは、見晴らしのいい視界を提供し、走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調のインストゥルメントパネル「ホリゾンタル・アクシス」を進化させて採用。

フロアコンソールは、室内幅の拡大に合わせて幅広で高級感のあるデザインとして、インストゥルメントパネルからフローティングさせている。

ドアパネルには広範囲にドアトリムを配し、触感が良く質感の高いソフトパッドを採用した。

操作系には「ミツビシ・タッチ」を具現化。ステアリングは「握り心地から感じる頼もしさ」を、直感的なメーターは「見やすさから感じる安心感」を与える形状に。セレクターレバーやスイッチ類も操作性を向上させ、高品質を感じさせるものとしている。

前述のように新型アウトランダーは、ミドサイズSUVのPHEVとしては数少ない、3列7人乗りを実現(Mグレードを除く)。

1列目シートは、2層ウレタン構造で形状を最適化し、ロングドライブでも疲れにくく、コーナリング時のホールド性も向上した。2列目は、ウレタンパッドの硬度・形状などを最適化し、高品質な乗り心地を実現。3列目は、薄型コンパクトながら優れた座り心地を追求している。

分割可倒式の2列目シートはワンアクションで折りたため、しかもラゲッジルームからリモート操作可能。一体型の3列目シートは、床下にフラットに収納できるので、ラゲッジルームは使いやすさを高めている。

ラゲッジの開口部床面は幅を広げて段差をなくし、大きく重い荷物も出し入れがしやすい。トータルの荷室容量(VDA)は装備によって異なるが、3列目使用時で258~284L、3列目収納時は634~646L、2・3列目収納時は1373~1390Lとなる。

S-AWCのブレーキ制御 前/後輪に

アウトランダーPHEVは、従来型と同様に前後輪をそれぞれ独立したモーターで駆動する「ツインモーター4WD」を採用するが、新型ではシステムが進化した。

モーターは前後独立式だから、それぞれ自由に駆動配分ができ、きめ細やかな制御が可能。プロペラシャフトなどの機械的な結合も不要だから、フリクションロスも少ない。

立ち上がりから最大トルクを発揮するモーターならではの特性により、力強い加速を実現し、優れた環境性能・走行性能を両立する。

また、車両運動を制御する「スーパーオールホイールコントロール(S-AWC)」は、ツインモーター4WDをベースに、ASC(アクティブスタビリティコントロール)、ABS(アンチロックブレーキシステム)に加え、後輪を含めてブレーキで左右輪を制御できるAYC(アクティブヨーコントロール)を統合した高度なシステムに。

パワーステアリングは、電動モーターをタイヤ近くに搭載できるデュアルピニオンタイプを採用。タイムラグのない応答性により長距離ドライブでの疲労を低減する。

サスペンションは、前がマクファーソンストラット、後ろがマルチリンクと、型式は従来型と同じだが、三菱初のアルミ製前後ナックルを採用。フロントのロアアームとリアのアッパーアームをアルミ鍛造とするなど、軽量化/高剛性を両立した。

前後ともストローク量は伸び側を拡大し、フラットかつしなやかで上質と安心感のある乗り心地としている。

ブレーキは20インチ・ホイールの新採用に合わせ、前輪は350mm、後輪は330mmの大径ベンチレーテッドディスクに。街乗りから高速道まで優れた制動性能を発揮する。

装備/ADAS

運転支援技術では、進化した高速道路の同一車線運転支援機能「MIパイロット」を搭載。

レーダークルーズコントロール、レーンキープアシストを統合制御し、車間距離と車線中央をキープしながら走行して運転をサポートする。

またナビリンク機能により、速度標識を読みとって設定速度を自動で切替えたり、ナビゲーションの地図情報を活用して高速道路のカーブ・分岐などで適切な車速に自動調整することが可能。渋滞時でも停車後約30秒以内なら自動発進できる。

予防安全についても、衝突被害軽減ブレーキシステム、前方衝突予測警報、踏み間違い衝突防止アシスト(前進&後退時)、後側方衝突防止支援システム、車線逸脱予防システムなど、クラストップレベルの充実ぶり。

インフォテインメント系では、メーターパネルは12.3インチのフルカラー液晶ディスプレイとし、多彩なコンテンツを見やすく表示する。表示は先進的なエンハンストモードと2眼式のクラシックモードに切替えが可能。

9インチの大画面を採用した「スマートフォン連携ナビゲーション」、ウインドシールド投射型の10.8インチ「ヘッドアップディスプレイ」も採用し、運転に必要な情報にアクセスしやすいように工夫されている。

また、万が一の時のSOSコールや、駆動用バッテリーの走行距離の確認、充電時刻の設定や充電し忘れ通報、そして車両を駐車した位置をスマホアプリの地図に表示させて確認ができる「三菱コネクト」も採用し、安全・安心で快適なドライブをサポートする。

価格/発売日

前述のように、日本仕様のアウトランダーは現在のところPHEVのみのラインナップとなる。発売日は12月16日。

また、本日より先行注文の受付けを開始し、12月の発売までに注文すると、4種類の「選べるオプションプレゼント」がつく特典が用意されているという。

なお、ガソリン車に関しては、日本発売の時期が未定だ。

グレードと税込車両価格は、下記のとおりとなっている。

M(5人乗り):462万1100円
G(5人乗り):490万4900円
G(7人乗り):499万6200円
P(7人乗り):532万700円

アウトランダーPHEV スペック

車両価格:462万1100円~532万700円
全長×全幅×全高:4710×1860×1740~1745mm
ホイールベース:2705mm
ドライブトレイン:2359cc直4+前後モーター
最高出力(エンジン):133ps/5000rpm
最大トルク(エンジン):19.9kg-m/4300rpm
最高出力(モーター):前116ps(85kW)/後136ps(100kW)
最大トルク(モーター):前26.0kg-m/後19.9kg-m
駆動方式:4WD
燃費(WLTC):16.2~16.6km/L
EV走行換算距離:83~87km

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みんなのコメント

1件
  • 海外のPHEVはエンジンパワー頼り
    バッテリー切れたらほぼエンジン駆動
    技術力がないんだろね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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