この記事をまとめると
■いまトヨタ・ランドクルーザーの人気ぶりが話題となっている
ランクル300は異例ずくめ! 超長期納車待ちに「厳しい購入審査」が存在した
■しかしアメリカでは先代をもって販売を終了
■その理由にユーザー特性の違いなどが挙げられる
輸出の終了は”致し方ないこと”と捉えられた
納車まで、なんと(少なくとも)4年待ち。トヨタの公式ホームページで、そんな超長の納期が示されているほど、大人気のランドクルーザー最新版(通称ランクル300)。
ところが、海を渡ってアメリカに目を向けると、トヨタの公式ホームページにランクル300の姿はない。先代モデルのランクル200をもって、日本から北米への輸出は終了し、北米での販売も終わったのだ。
このニュースが2021年に流れた時、アメリカの一部自動車メディアが「とても残念なこと」と報じたが、アメリカのユーザーやディーラーから「なんとしてもランクル300がアメリカでも欲しい」というメッセージは少なかった印象がある。
つまり、アメリカ人の多くがアメリカでランクルの新車販売がなくなることを、”致し方ないこと”として理解を示したといえるだろう。
改めて、アメリカでのトヨタSUVおよびクロスオーバーのラインアップを見てみる。現行(2022年モデル)では、ボディサイズや価格順で、下からカローラクロス、C-HR、ヴェンザ、RAV4、ハイランダー、4ランナー、そしてセコイヤと続き、ランクル300は含まれていない。
ランクル300以外にも、ライズ、ヤリスクロス、ハリアー、ランドクルーザープラドがアメリカでは販売されていないことがわかる。
「タンドラやセコイヤで十分」というのがアメリカ市場の実態
つまり、日本と比べてアメリカで売られていないトヨタのSUVは、ランクル300だけに限ったことではなく、アメリカのユーザー特性やディーラーからの要望によって、トヨタはアメリカでもっとも効率的に販売出来得るであろうモデルラインアップとしているということだ。
そもそも、アメリカでSUVが流行したきっかけは、1990年代に当時のGMシボレーC/Kシリーズ、フォードFシリーズ、そしてダッジラムというフルサイズピックアップトラックと車体共有性があるフルサイズSUVにある。
タホ/サバ―バン/キャデラックエスカレードなどがそれに該当する。また、ミッドサイズピックアップトラックの派生車として、フォードのエクスプローラーが人気を博した。
そうしたデトロイト3が創出したトレンドに、日系メーカーも相乗りする姿勢を見せた。トヨタの場合、フルサイズピックアップトラックのタンドラを導入し、その派生車がセコイヤである。
このようなラダーフレーム構造という点では、セコイヤもランクルも同じなのだが、価格はセコイヤが5万ドル(126円計算で630万円)に対して、2021年モデルのランクル200は8万5000ドル(1071万円)という大きな価格差があった。
アメリカにも、ランクルのヘビーユーザーはいるのだが、そこまでハードユースしない人にとっては、タンドラやセコイヤで十分満足、というのがアメリカ市場の実態だといえるだろう。
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みんなのコメント
トヨタはアメリカ専売大型SUVがあるんだから
それで販売戦略的に十分でしょ。