MotoGPマレーシアGPをファビオ・クアルタラロは6位とまずまずの順位で終えた。彼は最近のヤマハのパフォーマンス向上には、電子制御面での変更が役割を果たしていると説明した。
ヤマハは近年苦戦が続き、今シーズンはホンダと共に優遇措置制度の対象となっていた。ただ中盤までシーズンが進んでも、ヤマハの苦戦は続いた。
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しかし終盤となって改善兆しも見え始めている。先日行なわれた第19戦マレーシアGPでは、クアルタラロとチームメイトのアレックス・リンスが、共に予選Q2へ直接進出。決勝レースではクアルタラロが6位に入る活躍を見せた。
この進歩について、クアルタラロとリンスの両名は電子制御における改善が要因となっていると口を揃えた。
「今の僕はトラクションをコントロールするのがもっと得意になったよ」と、クアルタラロは予選後に冗談めかしながら語った。
「電子制御にいくつか大きな変更を加えたんだ」
トラクションをコントロールするがもっと得意に……それはつまり電子制御が今のように発展していなかった500cc時代のGPマシンに乗るようなものだったのかと尋ねられると、クアルタラロはこう語った。
「正確にはそうじゃない。でも全体としては、少し似ているかもね」
「もっとコントロールする必要があって、僕としてはバイクに乗るのがより難しくなっている。でもパフォーマンスはずっと良くなっているんだ。それは僕らが求めてきたものだよ」
「スロットルを扱うのもベストなパフォーマンスを発揮するのもより難しくなったけど、この数日で僕らは良いステップを踏み出したと思う」
決勝レースで8位となったリンスも、この週末の改善について次のように語った。
「バイクを少しだけど、より手中に収められた。大事なことだ。スズキ時代にこうしたスピンのコントロールや、スピンした際の動きには親しんできたんだ。とても良かったよ」
なおヤマハはマレーシアGPに、優遇措置制度を活かして新しい仕様のエンジンも持ち込んだ。ただクアルタラロは初日にエンジンに問題が発生し、ほとんど使うことができなかった。
リンスは新仕様を使うことができたが、大きな変化は無いものの、電子制御面で改善があったという。
「パワーとトップスピードでは大きな違いはなく、ほとんど同じだ」
「でも電子制御面では少し良くなっている」
「(2日目の)朝に電子制御の戦略をテストしたんだけど、これはミサノでこのエンジンを使って試したモノだった。そうすると、良いフィーリングが戻ってきたんだ」
MotoGPはマレーシアGPをもってアジア太平洋ラウンドを終了。残すは最終戦のみとなった。
クアルタラロはアジア太平洋ラウンドを振り返ると、どのレースでもポジティブなものがあったと語っている。
「全ての(フライアウェイの)サーキットで、ポジティブなモノがあった。日本は一番弱かった場所だけど、オーストラリアでのペースは素晴らしかったし、マンダリカも同様だ。タイで僕らはウエットでもドライでも速かった」
「そしてここでも速さがあった。だから今シーズン終盤には満足できるし、以前のバルセロナとは違ったものが(最終戦で)見られればと思っているよ」
またクアルタラロはバルセロナ(カタルニア・サーキット)でのポストシーズンテストを楽しみにしていると付け加えた。
「バルセロナは(テストに向けて)素晴らしいチョイスだ。過去2年間、ここは僕らにとって本当に厳しいコースだったからね。グリップはかなり低く、それが僕らの最大の弱みになっていた。そこでテストをするのは、僕らにとってかなり役に立つだろう」
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