現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【スズキ スイフト 新型】色、コントラスト、そして「3D」で表現した新世代のインテリアデザインとは

ここから本文です

【スズキ スイフト 新型】色、コントラスト、そして「3D」で表現した新世代のインテリアデザインとは

掲載 1
【スズキ スイフト 新型】色、コントラスト、そして「3D」で表現した新世代のインテリアデザインとは

“エネルギッシュ×軽やか”という開発コンセプトのもと、“ハッとするようなデザイン”を目指したという新型スズキ『スイフト』。Z世代を含めた広いユーザー層にアピールするため、これまでのスイフトのイメージにあった「スポーティ路線」の再考もひとつの課題だったという。では、インテリアとそのCMF(色、素材、加工)ではどのようなこだわりを持って開発されたのか。各デザイナーに話を聞いた。

◆色で表現した軽やかさ
スイフトのエクステリアデザインは開発中に一度やり直しが入ったという。これは「強く変わりたい、新しくしたい、ハッとするエクステリアデザインにしたいという(経営陣からの)強い要望があったから。そこでインテリアデザインも果たしていま進めている案でいいのか、もう一度自分たちも能動的にやるべきじゃないかと判断し、自ら改めてデザインをすることにしたのです」と話すのはスズキ商品企画本部四輪デザイン部インテリアグループの江口裕司さんだ。

【スズキ スイフト 新型】デザイナーが語る、「出来上がったデザインを一度“仕切り直した”」その理由

そこで開発コンセプトの “エネルギッシュ×軽やか”をもう一度見つめ直した。まずエネルギッシュは、「これまでのスイフトのイメージを踏襲した、走りを連想させるような表現で、先代の丸いシリンダー形状のメーターや黒内装といったストレートなスポーティーの表現。それをうまく延長させて進化させることを考えました」。これはもともとのインテリアデザイン案には取り入れられていた。

一方その案には、「軽やかが抜けているんじゃないか。そこをもう少し膨らませてアイディア展開していきました」と新たな方向性を示唆。その軽やかも見た目の軽さから、存在感から感じるものまで様々だ。そこでCMFも含めてリデザインしていったようだ。

江口さんは軽やかさで最も重要なことは、「色です。色の影響が大きい。そこで(インパネ周りを含めて)色の範囲を工夫しながら軽く見せていきました」とコメント。同時に「ボリューム感の軽減もあります。先代スイフトは大きな面をおおらかに使っていますが、そこから段階的に削り取って、低重心に薄く見せていくレイヤー構造というアイディアも取り入れました」と述べた。

◆コントラストで感じさせる存在感
さて、新型スイフトのインパネ周りを見渡すと、センターにあるスクリーンが存在感を主張する一方、その下側は横方向にすっと抜けていくイメージを持たせている。また、このスクリーン周りは若干ドライバー側に向いたドライバーオリエンテッドな造形だ。

江口さんは、「(ターゲットユーザーである)Z世代はデジタルネイティブ世代。そこでナビを9インチに大きくしながら、先代よりもおよそ140mm上方に上げました。その印象のまま助手席側までボリュームを持ってくると、先代に近い重い印象になってしまいますので、そこは削りたい。そういったコントラストが存在感に繋がっているのでしょう」と認めたうえで、「助手席側のボリュームを落としていますので、相対的には低重心に見えるでしょう。これによりスポーティー感というところには繋がっています」とコメントした。

◆新規開発した3Dテクスチャー
そしてCMF、特にインパネ周りのライトグレーとブラックのコントラストは特徴的で、これもエネルギッシュ×軽やかを表現するためのものだ。スズキ商品企画本部四輪デザイン部インテリアグループの邉田紘一さんは、「CMFとしても新しいスポーティー表現を目指しました」という。「いままでのスイフトでは王道スポーティーとして真っ黒の内装にシルバー加飾や赤のアクセントが入っていましたが、そうではなくエネルギッシュ×軽やかに合わせて表現したいと新色としてライトグレーは開発したのです」と説明。このトーンも、「明るすぎるとスイフトの車格としてはカジュアルになりすぎ、質感としても良くない。かといって暗すぎると、今度は黒とのコントラスト差が弱くなってしまい、軽やかさが上手く表現できませんでした」とのこと。

また色相も、「青みが強すぎてしまうと少しネズミ色っぽく見えてしまい質感が悪いので、最終的には黄み寄りのグレーにして、彩度をすごく落として、明度感も絶妙なところでコントロールしました」と説明。

そして3Dテクスチャーも新たに開発されたものだ。実は内外装とともにこの3Dテクスチャーもやり直したそうだ。「モチーフとしている形状は近いのですが、違う案を出していました。その案に対して役員からもうちょっと質感を高めたほうがいいという指摘を受け、スタイリングと協業しながら改めて作り込んでいったのです」と邉田さん。「全体のグラフィックとしては三角形モチーフですが、その断面はどういったものがいいのかも含めて吟味していきました」と話す。

じつはこの三角モチーフは、ドアのオーナメントだけでなく、サイドルーバーガーニッシュなどのプロフィールに合わせて柄を作り込んでいる。その結果として「同じ形がひとつもないんです。ドアでは前側から後ろに向かってだんだん小さくなっていく。それが単純に大小のグラデーションではなく形が変形していきます。また深さも前側に向かうに従ってちょっと薄く消えていくような表現です。そういった繊細なグラデーションがあることで、色自体は単純なソリッドカラーですが、光の当たり方で明るいグレーから暗いグレーまですごく繊細なグラデーションを見せる断面になりました」。その結果として、「すごく精緻感があって見応えのある3Dテクスチャーになりました」とその完成度に自信を見せた。

◆シート全体で立体感を表現
シートに関してもかなりの手が加えられている。その形状は先代と比較し、吊り込みの深さがあるので立体感が増している。また、ショルダー周りの縫製も鋭角縫製を採用し、シャープな造形とされた。

メイン材はトリコットを採用。「縦うねとエンボス柄の組み合わせで先代よりもより立体感が増したシート表皮になっていますので、表皮単体だけでなく、シート全体としても立体感が増しています」と邉田さん。

またシート柄も、「スイストはスポーティーがコア、根幹にありますが、今回は新しいスポーティー表現にしたいと、柄自体はスポーティーなものを狙いつつ、シート表皮としてメランジグレーといって、木感があるようなグレーにすることで、ちょっと軽やかさもありつつ、スポーツウェアのメランジグレーっぽいイメージを出しています。そうしてエネルギッシュ×軽やかというコンセプトを表現しているのです」と説明した。

あくまでもスポーティーさは感じさせつつ、より軽やかさを持たせたのがスイフトのインテリアだ。全体のデザインはもとより、3Dテクスチャーなどでその両立が図られた。競争の激しいコンパクトセグメントの中で、このインテリアはスイフトの新たな魅力になるだろう。

こんな記事も読まれています

牧野任祐「もう号泣、涙が止まらなかったです」 村岡総監督「本当にこの瞬間を待っていました」【SF第2戦決勝会見】
牧野任祐「もう号泣、涙が止まらなかったです」 村岡総監督「本当にこの瞬間を待っていました」【SF第2戦決勝会見】
AUTOSPORT web
試乗プレイバック いいクルマだった!! VWゴルフVIIはクラウンより乗り心地がよかったのはウソ偽り誇張じゃない!!
試乗プレイバック いいクルマだった!! VWゴルフVIIはクラウンより乗り心地がよかったのはウソ偽り誇張じゃない!!
ベストカーWeb
彼女のトヨタ「C-HR」は“極低車高”スタイル! 愛車歴6年目のオーナーがカスタムに目覚めて仕上げたピンクの内装とは
彼女のトヨタ「C-HR」は“極低車高”スタイル! 愛車歴6年目のオーナーがカスタムに目覚めて仕上げたピンクの内装とは
Auto Messe Web
日産キャラバンが仕様変更。安全装備の改良や新ボディカラーの設定などを実施
日産キャラバンが仕様変更。安全装備の改良や新ボディカラーの設定などを実施
カー・アンド・ドライバー
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第6戦オートポリスは野中誠太が2勝目をマーク
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第6戦オートポリスは野中誠太が2勝目をマーク
AUTOSPORT web
シビックe:HEVでレースに挑む【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
シビックe:HEVでレースに挑む【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
グーネット
249km/hに耐えるソフトトップ メルセデス・ベンツCLE 450 カブリオレへ試乗 美しい海岸線を味わいたい
249km/hに耐えるソフトトップ メルセデス・ベンツCLE 450 カブリオレへ試乗 美しい海岸線を味わいたい
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ「レヴエルト」に高級オーディオがオプションに! V12サウンドにかき消されずに「ソナス・ファベール」の音色を堪能できる!?
ランボルギーニ「レヴエルト」に高級オーディオがオプションに! V12サウンドにかき消されずに「ソナス・ファベール」の音色を堪能できる!?
Auto Messe Web
「一粒で二度美味しい」ってこういうこと【AMG CLAシューティングブレーク】
「一粒で二度美味しい」ってこういうこと【AMG CLAシューティングブレーク】
グーネット
待望のSF初優勝に大号泣。参戦6年目、牧野任祐がついに表彰台の頂点に【第2戦決勝レポート】
待望のSF初優勝に大号泣。参戦6年目、牧野任祐がついに表彰台の頂点に【第2戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2
レッドブル育成ハジャルが今季2勝目飾る。マクラーレン育成ボルトレートが2位/FIA F2第4戦レース2
AUTOSPORT web
世界中で物議を醸した自動車デザイン 20選 今見ると「カッコいい」?
世界中で物議を醸した自動車デザイン 20選 今見ると「カッコいい」?
AUTOCAR JAPAN
MスペックのMはミドルハースト? スカイラインGT-Rで成功した男(2) レザーシートはロールス・ロイス製
MスペックのMはミドルハースト? スカイラインGT-Rで成功した男(2) レザーシートはロールス・ロイス製
AUTOCAR JAPAN
スカイラインGT-Rで成功した男(1) カーマニアと日産との出会い いしずえ築いたR32型
スカイラインGT-Rで成功した男(1) カーマニアと日産との出会い いしずえ築いたR32型
AUTOCAR JAPAN
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
RBのホームレースで2台揃ってQ3進出「今週末の裕毅はとても乗っていた」とHRC折原氏。CEOも称える/F1第7戦
RBのホームレースで2台揃ってQ3進出「今週末の裕毅はとても乗っていた」とHRC折原氏。CEOも称える/F1第7戦
AUTOSPORT web
バッテリー駆動より使い勝手ヨシ! 大型“燃料電池トラック”普及のカギは? 出力でも値段でもない
バッテリー駆動より使い勝手ヨシ! 大型“燃料電池トラック”普及のカギは? 出力でも値段でもない
乗りものニュース

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.7233.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

8.0375.8万円

中古車を検索
スイフトの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.7233.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

8.0375.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村