変則的スケジュールでおこなわれているスーパークロスは、現在ラウンド5まで消化。下田丈の参戦するリーストリージョンは、Rd.7オーランドまでで開催されて一旦お休み、Rd.16のソルトレイクシティ、そして最終戦ソルトレイクシティ2で東西あわせたシュートアウトとなる。つまり、全9戦のうちの折り返し地点だ。
Rd.4、初表彰台を奪取して…
すでに既報の通り、スーパークロス第4戦において下田丈はついに表彰台を奪取。
流れは、ヒューストンで何度も見たものだった。コルト・ニコルズ、クリスチャン・クレイグが速攻を効かせてトップ争いに。3番手は、下田にとって抜けそうで抜けないマイケル・モシマン、その背後に下田丈がつけるという展開。宿敵であるジェット・ローレンスはスタートでミスしたあげくに、序盤で一度ジャンプのミスがあって9番手まで落ち込んだ。
つまり、なかなか詰めることのできないモシマンとの差(4秒)を追いかける下田の背後に、着々と迫るジェット。レースが動いたのは、終盤である。モシマン、下田、ジェットの差が1秒足らずで3つどもえに。ここで仕掛けたのは、ジェット。二人をパスして、さらに離れた2番手クレイグを追う。ファイナルラップ、ジェットはステップオフのセクションで一瞬追い抜き左コーナーへ侵入。クレイグがイン、ジェットがアウト、クレイグが大きめにブロックラインを使うと、二人は接触したままクラッシュパッドの外へ。
モシマンを追い詰めながら、クレイグ、ジェットをパスして3位表彰台となった。
下田は「レース自体は悪くないと思います。良い感じで走ってたんですが、二人がこけて3位だったわけだから、やはり自分で次は勝ち取りたいです」と言葉すくなに語る。「最終コーナーでモシマンを抜きかけたんですが、届きませんでした」と。モシマンには、しっかりとどく自信がある。だが、やはり「スタートですね。トップに出てしまえば、スピードはだせる」とのこと。
キブンは、よくない。
第5戦のインタビューでは、下田の声は浮かなかった。まず、ヒートレースではあまり下田には見られない転倒。「フロントが滑ってしまって、こけてしまいました。その後も、ヒートレースはフロントが滑りやすく感じて、サスのセッティングを変えています」と。サスセッティングで、フロントのスリップ傾向は、収まったという。
だが、メインイベントではスタート後のクラッシュに巻き込まれてしまった。原因は「ダブルクラッチ」だと言う。「スタート…出遅れてしまって、転倒に巻き込まれてしまいました」と言うが、今年の下田からすれば珍しいミスだ。ほとんど最後尾から追い上げた下田は、トップライダーらしいパッシングで、中盤までには4番手へ浮上する。
「僕的には、いつもと同じペースです。トップ二人がばーっと離れていってしまって、5位以下とはだいぶ差がありましたね。
コースはリズムセクションが多かった印象です。トンネルのあとの3-4が、少し差がつきやすかったかもしれません。今シーズンは、ラップタイムが短くなりがちなので、壁のようなジャンプが設置されています」とのこと。特に、下田にとってコースが課題になるようなことはない。
「スタートミスったんで、キブンはあまりよくない」と下田は言う。
「こけるのは仕方がないんですが、スタートに集中して前で揉まれてレースをしたいですね。緊張はとれてきたし、自分のレースができるようになってきたと思っています」とのこと。連戦、インディ3は今週土曜。駆け足で過ぎていく2021シーズン、さらなる壁の突破を期待したい。
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