今年3月に行なわれたジュネーブモーターショーで、ポルシェは新型「911カブリオレ」と「718ボクスターT」「718ケイマンT」という2モデルの新型車を出展した。同社は例年、未来を見据えたコンセプトカーや話題性の高いニューモデルを、しかも複数台持ち込み、しかも、それらの多くはジュネーブショーが正真正銘の初お披露目となる場合が多かった。
しかし今回は、2モデルとも既存モデルの派生車種で、さらにどちらも2か月以上前に写真や情報が公開されていていささか鮮度も低めといったように、いつもよりもトーンダウンしている感じが否めなかった。
「911カブリオレ」は、2018年11月のロサンゼルスモーターショーで発表された「992型」と呼ばれる最新の「911」のオープン仕様である。ソフトトップに4座レイアウトというコンセプトは歴代の「911カブリオレ」と変わっていない。ファブリックの表皮と内装材の間にルーフボウと呼ばれるマグネシウム製のパネルを入れることで、クーペモデルに近いなだらかで美しいルーフラインを作り出すというデザイン上の利点だけではなく、走行時に屋根が風船のように膨らむバルーニング現象を抑えるという機能面の向上も図られている。開閉に用いる油圧機構を新しくすることで、開閉時間は12秒へとさらに短縮された。
ラインナップは、RR(リアエンジン・リアドライブ)の「911カレラSカブリオレ」と、4WDの「911カレラ4Sカブリオレ」の2タイプ。クーペモデル同様「450ps/6500prm、530Nm/2300-5000rpmを発生する3.0Lの水平対向6気筒ツインターボを搭載した高性能版の「カレラS」系のみとなる。
変速機に8速デュアルクラッチトランスミッションの8速PDKしか設定されていないのもクーペと同じだ。0-100km/h加速は、クロノパッケージ仕様の「カレラS」が3.7秒、同じ仕様の「カレラ4」が3.6秒。最速速度はそれぞれ306km/hと304km/hとなっている。日本での販売価格は「カレラSカブリオレ」が1891万円、カレラ「4Sカブリオレ」が1997万円。すでに2019年2月から受注は開始されている。
「718ボクスター」と「718ケイマン」に新たに加わった“T”。Tは、初期の「911」に設定されていたグレード名で、装備を省き車両重量を軽くすることで運動性能の向上を図ったモデルである。先代の991型の「911」から復活し、今回「718」系にも展開されることになった。ドアの開閉レバーをプラスティック製からナイロンのストラップに変更したり、ナビゲーションシステムを含むセンターコンソールに配されるインフォテインメントをオプションにするなど本来のT同様、装備レベルを落とすことで、車両重量はMTモデルで1350kg、PDKで1380kgというように、ベースとなった718系の素のモデル、“ボクスター”や“ケイマン”よりも10kgの軽量化が図られている。
しかし実は、最新のTの本質はそこにはなく、車高を20mm低くするとともに20インチの大径ホイールを装着、さらに電子制御ダンパーを備えたPASMやエクストラパワーが得られるクロノパッケージを標準装備化するなど、走行性能の向上こそがTの真骨頂なのだ。
運転席の後ろに縦置きで搭載されるエンジンは、ベースモデルと同じ2.0?水平対向4気筒で、300ps/7000rpm、380Nm/2150rpmという出力値も変わらない。0-100km/h加速はMTが5.1秒、PDKが4.7秒。PDKは0.2秒の向上を実現している。ちなみに最高速度は275km/hのままだ。日本にはPDKのみとなるが、導入が検討されているようだ。
フォルクスワーゲン
◎ポルシェの親会社フォルクスワーゲンが“ID.バギー”のほかにもいくつかのワールドプレミアを発表
その中で唯一日本市場に関係するのが「パサート」だ”。2014年発表された6代目がフェイスリフトを受けて、モデルライフ後半に向けてリフレッシュされた。デザインは新しい意匠のLEDヘッドライトをはじめとする灯火類や前後バンパーの変更など、そのレベルはお化粧直し程度に留まる。大きく進化したのは運転支援装置やインフォテインメント装備。ドライバーがステアリングを握っている否かを静電容量式タッチセンサーを採用したステアリングにより常に監視することを可能にしている。
さらに最高速度の210km/hまでアクティブクルーズコントロールを作動させることができるようになったのはフォルクスワーゲン初だという。もちろんそのほかの、レーンアシストや緊急ブレーキ、駐車支援システムのパークアシスト機能などもさらなる進化が図られている。パワートレインで大きな変更はないが、PHEVの“GTE”のリチウムイオン電池の容量を拡大することでEVモードでの航続距離を延長したほか、欧州仕様ではディーゼルだけでなくガソリンには燃焼時に発生する微粒子を除去する粒子フィルターが全車標準となった。
また「ティグアン」の下に位置するコンパクトSUV、「T-Roc(ロック)」にスポーティモデルの最上級グレード“T-Roc R”が新たに加わった。ゴルフRなどと同じ2.0L直4ターボは、300ps/400Nmを発生。4WDの4モーションとデュアルクラッチ式の7速で、DSGが組み合わされる。0-100km/h加速は「718ボクスター」「ケイマン」と同レベルの4.9秒。最高速度は250km/hだが、これはリミッターで抑えられた数値だ。
パワートレイン以外も、ローダウンされるスポーツサスペンションやローンチコントロールの追加などよりオンロードでの走行性能の向上が図られたシャシーが与えられるほか内外装もRの名前に相応しいスポーティな仕立てとなる。
Rを含めT-Rocは残念ながら日本市場には導入されないが、さらにその弟分になる“T-Cross(クロス)”はどうやら日本での販売が計画されているらしい。ポロサイズのスモールSUVで、スタイリングは兄貴分のティグアンやT-Rocと同じデザイン言語でまとめられている。
取材・文/編集部 撮影/望月浩彦
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