トヨタのコンパクトカーであるヤリスには、非常に多くのラインナップが用意されています。それぞれどんな特徴があり、どういった視点で選べばよいのでしょうか?
バラエティ豊かなラインナップが特徴のコンパクトカー
2020年2月に登場したヤリスですが、それまでヴィッツとして販売されていたコンパクトカーの後継車種にあたります。日本はもちろん、特にヨーロッパで人気の高いモデルであり、現行モデルは「TNGA」プラットフォームの採用などにより、コンパクトカーならではの軽快なハンドリング、そして上質な乗り心地を兼ね備えていることが特徴です。
そんなヤリスには、パワートレインや装備の異なる様々なグレードがラインナップされています。ベースグレードは139万5000円であるのに対し、最上級グレードでは252万2000円と倍近い価格差があるため、自分にあったグレードを選ぶことが非常に重要となります。
3つのパワートレインがラインナップ
まず、それぞれのグレードについて見てみましょう。ヤリスには大きくわけてガソリンエンジンモデルとハイブリッドモデルがあります。ガソリンモデルには、1リッター3気筒エンジンと1.5リッター3気筒エンジンの2種類があるため、全部で3つのパワートレインがあることになります。
1.5リッターのガソリンエンジンモデルとハイブリッドモデルにはエントリーグレードの「X」、ミドルグレードの「G」、上級グレードの「Z」が用意されていますが、1リッターのガソリンエンジンモデルには「Z」は設定されておらず、「X」と「G」、そして装備の簡略化された「X “Bパッケージ”」というラインナップとなっています。
4WD仕様は、ハイブリッドモデルと1.5リッターのガソリンエンジンモデルの各グレードで選択することが可能です。また、1.5リッターのガソリンエンジンモデルの2WD仕様には、CVTに加えて6MTも用意されています。
最も手の届きやすい価格なのは、1リッターガソリンエンジンモデルの「X “Bパッケージ”」で139万5000円です。1.5リッターガソリンエンジンモデルは154万3000円から、ハイブリッドモデルは199万8000円からとなっています。
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最も安い1リッターガソリンエンジンモデルの「X “Bパッケージ”」は、安全運転支援システムである「トヨタセーフティセンス」をはじめとした様々な装備が装着されておらず、個人で利用するにはあまりおすすめできません。
そのため、ヤリスを個人で検討する場合の事実上のエントリーグレードとなるのは、1リッターのガソリンエンジンモデルの「X」(145万5000円)と言えます。
ファーストカーとして利用するならハイブリッドがおすすめ!
ヤリスのグレード選びのポイントとなるのは、まずどのパワートレインを選ぶかです。パワートレインの違いで言えば、1リッターのガソリンエンジンはほかのパワートレインに比べて安価である上、エンジンそのものが軽いことによる軽快な走りが魅力です。ただ、最高出力は軽自動車と同程度の69psとなっており、高速道路などでは非力感を覚えることが多いかもしれません。
つまり、1リッターガソリンエンジンを搭載したグレードは、あくまで近所を走るためのふだん使いのクルマを、手頃な価格で求めている人にマッチすると言えそうです。
一方の1.5リッターガソリンエンジンは、最高出力120psと高速走行もじゅうぶんにこなせるパワーをもったバランスの良さが魅力です。4WD仕様やMT仕様も用意されており、様々なニーズに応えられるグレードとなっているため、まずはこれを基準に検討を進めてみると良いかもしれません。
そしてハイブリッドモデルは、車両価格こそほかの2つを上回っているものの、WLTCモードで36km/Lという、国内で販売されているすべてのモデルの中でもトップクラスの燃費を誇っています。
燃費性能の差によるランニングコストの違いや、税制優遇などを考慮すると、走れば走るほど車両価格の差は小さくなる上、モーターのアシストによるパワフルな走りはガソリンエンジンモデルでは味わえないものです。
このように考えると、ファーストカーとして、日々の移動はもちろん、旅行などへも積極的に利用するならハイブリッドモデルを選択肢に入れておくべきと言えます。
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「G」にオプションでカスタマイズがおすすめ!
パワートレインが決まったら、「X」、「G」、「Z」の3つのグレードを検討してみましょう。
外装の違いで言えば、最上級グレードの「Z」は16インチのアルミホイールがオプション設定され、フロントグリルやリアスポイラーもブラック塗装されるなど、より引き締まったスタイリッシュなデザインとなっています。
内装では、「Z」のみステアリングが本革巻き仕様となっているほか、シートも上級ファブリックとなります。また、合成皮革とツイード調ファブリックのコンビシートを選べるのも「Z」のみです。
また、「Z」と「G」では8インチのディスプレイオーディオが標準装備となるほか、フルLEDのヘッドランプとリアコンビネーションランプを選ぶことができます(「Z」では標準装備、「G」ではメーカーオプション)。
安全運転支援システムについては、全グレードで「トヨタセーフティセンス」が標準装備となっていますが、前後方の静止物に対応したパーキングサポートブレーキが標準装備となっているのは「Z」のみです。
これらの装備を見ると、ハイブリッドモデルもガソリンエンジンモデルも「X」は装備が簡素化されている上に、オプションでも設定できない場合が多いため、値段重視の人以外にはあまりおすすめできません。
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「Z」と「G」の価格差はおよそ20万円程度ですが、「G」にオプションを設定すれば「Z」に近い装備とすることができるため、「G」をベースに必要なオプションを追加するというのがおすすめです。ただし、カラーヘッドアップディスプレイなど、「Z」にしか装着できないオプションも一部存在する点には注意が必要です。
ヤリスの前身であるヴィッツでは、低価格車の代名詞という印象が強かったのも事実ですが、ヤリスではグレードによっては、プレミアムなコンパクトカーという位置付けのものも選ぶことができます。
ハイブリッドモデルの「Z」にオプションを追加すれば、乗り出し価格は300万円程度になり、かつてのヴィッツのイメージとは掛け離れますが、上質な走りと内外装は大きな魅力と言えます。
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文:ピーコックブルー
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みんなのコメント
ナントカパワーだと、どんなに頑張ってエコドライブしても出せない数字を
ヤリスはどんなに適当に運転しても出してしまう
5速で。
アシ、と考えて買うなら、1リットル車でも良い選択肢だと思う。