この記事をまとめると
■原材料費の高騰により日本車も純粋な車両価格の値上げを検討しているメーカーがある
ロシアのウクライナ侵攻で「第三次オイルショック」の危機も! クルマ好き阿鼻叫喚の「激高ガソリン価格」は今後も続く可能性
■値上げを行わないかわりに装備内容が削るなどの対策が取られることもある
■今後、改良を控えるクルマは改良に合わせて車両価格がアップするリスクが高い
マツダと三菱が車両価格の値上げを検討しているという噂あり
原材料費の高騰はクルマ以外でも広く起きており、食料品でも値上げが相次いでいる。クルマでは、輸入車は為替変動などで以前から改良を伴わない、いわゆる純粋な値上げを行っていたが、日本車ではそのような単純な値上げは行わず、小改良などを行いながら事実上の値上げを行うといった手法をよくとっていた。
しかし、いよいよそんな悠長なこともいっていられないようになったらしく、“マツダ、三菱が車両価格の値上げを検討している”など、日本車でも今後単純な値上げラッシュが起きることを予感させる報道が相次いでいる。
報道によると、マツダでは2車種について、メーカー希望小売価格から6万6000円引き上げる方針とされており、三菱ではSUVタイプのPHEV(プラグインハイブリッド車)となるアウトランダーPHEVの一部グレードで15万円の引き上げが行われるのではないかとしている。
新車の深刻な納期遅延が続いており、納期についつい目がうつりがちだが、事情通は車両価格の値上げにも注目すべきとして次のように話した。
「RAV4は近々改良を予定しており、すでに改良前モデルの新規オーダー受け付けを停止しており、あるディーラーでは改良後モデルとして、納期目途を2023年2月以降としていると聞いています。その真偽は残念ながら確認できていないのですが、知人はオーダーストップ直前に、『RAV4は改良すると25万円値上げとなるので駆け込みで改良前モデルを注文した』と語ってくれました。確かに値上げ幅は大きく見えますが、RAV4はその性能などに比べ、買い得感の高い価格設定というのはよく知られていましたので、25万円の値上げと聞いても私としてはちょっと驚くぐらいでした」。
単純な値上げだけでなく、小規模な改良でも部品や流通コストの上昇レベルはハンパないものなので、今後、改良とともに価格転嫁するのは自然の流れといるだろう。
輸入車の中には20万円以上も値上がりしたモデルもある
ちなみにプジョー車は、原材料費の高騰、輸送コストの上昇、為替相場(円安)などを鑑み、7月1日から全車の価格改定を行っている(車種によって3%もしくは3.4%アップされている)。値上げ幅のもっとも少ないモデルは、208スタイル(3%アップ)となるが、それでも8万1000円アップしている。そして、値上げ額の最高は508 SW GTハイブリッド(3.4%)の22万7000円となっている。
RAV4で見れば、仮にハイブリッドで4WDとなるGの現行モデルのメーカー希望小売価格は408万5000円なので、25万円アップすると433万5000円となるので、6%の値上げと試算できる。
そうはいっても、猫も杓子も値上げというわけにもいかないのも正直なところ。筆者はスーパーでよく、1丁40円ぐらいの“格安豆腐”を買うのだが、先日いつものように買ってきて味噌汁の具にしようとよく見たら厚さが半分になっていた。新車ではサイズを半分にすることはできないので、値上げを行わないかわりに装備内容が削られるなど、値上げ幅がごく小規模なモデルは、その分値引きが引き締まることにもなっていきそうである。
ちなみに8月上旬にフルモデルチェンジ予定の次期シエンタのデビュー直後の値引き額は5万円までを目安にと販売現場にお触れが出ているとの情報も入っている。
※画像はトヨタ・シエンタ現行モデル
値引き原資はディーラー利益を削っておもに充当しているので、ディーラーの胸先三寸ともいえるが、モデルチェンジした新型車や新規投入車では、メーカーからの仕入れ価格が現状を反映したシビアなものとなっていくのは間違いない。
よく「モデルチェンジしたばかりの新型車と、モデルチェンジ直前の末期モデル、どちらを買ったら得なのか」といった話が出るが、確実とはいえないが、今後なんらかのモデルチェンジや改良が行われれば、車両価格が急速にアップするリスクが高まるので、車両価格にフォーカスすれば、小改良を控えた末期モデルの買い得感が高まっているといっていいだろう。
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みんなのコメント
軽が200万か!なんて言われてるけど、2035年辺りになると日本人が普通車を所有するのは難しい時代になると思う。
今のうちに欲しい車を買って、大切に長く乗るのがベストだと思います。