2022年10月12日、三菱自動車(以下、三菱)は軽自動車規格の電気自動車でバンタイプの商用車、ミニキャブ ミーブ(MINICAB MiEV)の販売を2022年11月24日に再開することを発表した。
安全性や使い勝手を高める一部改良も施される
三菱のBEV(電気自動車)といえば今、日産との共同開発によって誕生した軽自動車規格の「eKクロスEV」に注目が集まっている。ちょうどいいバッテリー容量とWLTCモードで180kmの走行可能距離、静粛性、そして補助金を含めた購入価格などさまざまな要素から好調な販売台数を記録している。
レクサスのBEV、UX300eの航続距離が450kmにアップ。一部改良でボディ剛性向上や先進運転支援システムも充実化
拡大傾向にあるこの軽EV市場に、もうひとつのラインナップ「ミニキャブ ミーブ」が2022年11月24日に加わることになる。とはいえこのクルマ、実は2011年に販売を開始された商用軽自動車で2021年に生産を終了していたもの。そのため、今回は「再販」という形になる。
これに合わせて一部改良も施されているが、モーターやバッテリーなどのパワートレーンに変更はなく30kW(40ps)を発生するモーターをリアに搭載、後輪を駆動する。バッテリーの容量は16kWhで、一満充電での航続可能距離133km(WLTCモード/従来はJC08モードによる表記で150km)、200V普通充電器により7時間で満充電となる。
バッテリー容量を小さいと感じるかもしれないが、軽商用バンユーザーの77%が1日あたり65km未満の走行距離だというから、そうした用途のほとんどをカバーできてしまうサイズに設定されているわけだ。
ちなみに今回の改良は横滑り防止機能を含むASC(アクティブスタビリティコントロール)の採用と、2020年から標準装備を義務化されたオートライトや荷室の使い勝手を向上させるユーティリティナットを10カ所に装着したこと、そしてルームミラー/ドアミラーの変更となる。
ハイルーフバンタイプのみの販売。今後の展開にも期待
ではなぜ一度は生産を終了したモデルの販売を再開するのか、その理由はわかりやすく「需要の高まり」だ。近年日本企業は脱炭素化の取り組みを強化して社有車の電動化に着目する向きがある。なかでも物流関係や自治体からの要望は多く、生産終了後にも法人からの問い合わせはあったようだ。
目標販売台数は約400台として今後も増加することを見込んでいるというが、個人向けの販売も増えていく可能性がありそうだ。近年4ナンバー(小型貨物自動車)車を購入してキャンプやアウトドア利用するニーズは高まっており、他ブランドからオシャレな軽バンがいくつも登場している。
三菱もミニキャブ ミーブをベースにキャンプや移動式オフィスに利用できるようカスタマイズ、給電機能を備えた「ミニキャブ ミーブ Bレジャースタイル」を2022年の東京オートサロンや各種イベントに出品するなど、市場の動向を探っている段階だという。
また今回は再販されないものの、ミニキャブ ミーブ トラックも2012年~2016年に販売されていたので、可能性という意味でバンタイプだけでなくさまざまな展開を考えられる。もちろん市場が活性化していけば、次期モデルとしてNMKVで開発された新型軽商用EVの投入もありうる。期待するのも自然な流れだろう。
商用EVバンの市場では海外から参入するメーカーもあるが、三菱ミニキャブ ミーブは日本品質と国産唯一のモデルであること、そして同市場で10年以上も販売・メインテナンス・改良し続けてきた経験と信頼性を武器に戦うことになる。商用であるからこそ、こうした要素は大きなアドバンテージとなりそうである。
ラインナップはハイルーフバン2シーター/ハイルーフバン4シーターの2グレード編成で、車両価格は従来から変更なく243万1000~245万3000円。もちろん電気自動車なのでクリーンエネルギー自動車(CEV)補助金の対象となるが、補助金額については現在申請中で後日の公表となる。
三菱 ミニキャブ ミーブ(4シーター) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1915mm
●ホイールベース:2390mm
●車両重量:1110kg
●モーター:Y51型
●最高出力:30kW(40ps)
●最大トルク:196Nm
●バッテリー総電力量:16kWh
●WLTCモード航続距離:133km
●駆動方式:RWD
●タイヤサイズ:145R12-8PR
●車両価格(税込):245万3000円
※航続距離と車両価格以外の数値は、すべて従来モデルのもの
[ アルバム : 三菱 ミニキャブ ミーブ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
読めないの?お前個人の都合なんていらんわ。クソコメント書くな。