ジムニー、それは魅力の塊。オフロード性能は世界トップ級
筆者は先代のジムニーシエラ(JB43型)を一時期愛用していた。ジムニーは究極のサバイバルツアラーで、そのオフロード性能は世界No.1レベル。道なき道をゆく勇姿に憧れ、昔からずっと乗ってみたいと思っていた。
スズキ・ジムニー/ジムニー シエラの5速MT車に停車時アイドリングストップシステムを追加して燃費性能を向上
叶ったのは京都へ引っ越したとき。街中での利便性と周辺の山々を駆け回るチャンスを期待してMT仕様を購入した。けれど、結局、忙しくてオフロードを走る機会がないまま手放してしまった。宝の持ち腐れにしたことを、いまでも後悔している。ちなみに街中では便利このうえないクルマだった!
現行型(JB64/74型)へモデルチェンジした際に、ジムニー熱が再燃。完成度の高さに、またしても食指が動いた。けれど、納車まで数年という凄まじい人気につい尻込みしてしまった。デビューと同時に試乗。大いに気に入ったのだから、あのときオーダーしていれば、いまごろはガレージに収まっていた。2度目のジムニー後悔だ。
走りはスポーツカー感覚。自分だけの1台に仕上げられる逸材
現行型の特徴はジムニーらしいオフロード性能を引き上げつつ、乗用車としてのドライブフィールを格段にブラッシュアップした点だ。つまり、いまどきのSUVとしても十分に使える。とくに1.5リッター直4エンジン(102ps/130Nm)を積むシエラは、全体の走りが洗練されたことはもちろん、旧型で不満だった中高速域での安定感が増して、オールマイティに使える。
もちろん直3ターボ(64ps/96Nm)の軽モデルも魅力的だ。5速MTを選べば、軽快さは「スポーツカー的」ですらある。決して速いわけじゃない。けれどもオンロードでも高い視線を生かしてラインを定めて駆け抜ける楽しさは最高。もうそれはスポーツの領域である。そしてひとたびグラベルに踏み入れ、路面環境が悪化したときの頼もしさといったら、他に比べるモデルがない。
走りだけじゃない。ジムニーのもうひとつの魅力はカスタマイズだろう。クラシックモダンなスタイリングは自分好みにカスタマイズする素材として最高だ。スパルタンに仕上げるもよし、あえてラグジュアリーに飾っても面白い。もちろん本格オフローダーとして機能性をアップするパーツが数多く用意されている。シンプルでコンパクトな素材だけにセンスが問われるところだけれど、有名ショップも多い。彼らの基本コーディネーションを学んでいけば、大きなミスは犯さないだろう。
それにしても自分好みのジムニーを作り上げる夢想のなんと楽しいことか! パーツカタログを眺めているだけで、ついついニヤニヤしてしまう。この原稿を書きながら、とあるカスタマイズショップのサイトを確認してみたのだけれど、思わずのめり込んでしまい、原稿の続きを忘れそうになった。
買ってからも夢が続くという意味でも、ジムニーは長く楽しめるクルマである。結局はオフロードへなど行かなくてもいいのだ。「世界最高の4WDツール」という事実が、まずは誇らしい。
グレード=XC
価格=5MT 180万4000円/4AT 190万3000円
全長×全幅×全高=3395×1475×1725mm
ホイールベース=2250mm
トレッド=フロント:1265/リア:1275mm
最低地上高=205mm
車重=MT:1040kg/AT:1050kg
エンジン=658cc直3 DOHC12Vターボ
最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク=96Nm(9.8kgm)/3500rpm
WLTCモード燃費=MT:16.6/AT:14.3km/リッター(燃料タンク容量59リッター)
(市街地/郊外/高速道路=MT:15.6/17.5/16.5/AT:12.4/15.1/14.8km/リッター)
サスペンション:前後3リンクリジッドアクスル式
ブレーキ=フロント:ディスクリア:ドラム
タイヤ&ホイール=175/80R16+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=4.8m
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みんなのコメント
確かに走ってて気持ちいい。何故か?小さくてFRベースでエンジン搭載位置がフロントミッドシップで前後の重量配分50対50に近いから、深いロールと横転気を付けて走るととっても舗装路でもいい感じ。だから手放せないな、オフロードは根性ないので林道ぐらいしか走らないから宝の持ち腐れだけどな。