人気モデルの復活から中国製EVまで
10月14日(月)から20日(日)にかけて、フランスで国際自動車ショー「パリ・モーターショー2024(正式名称:MONDIAL DE L’AUTO)」が開催される。2年に一度の開催で、地元企業を中心に数多くのメーカーが出展を表明している。
【画像】歴史的な人気モデル復活、さらに中国製EV導入も【ルノー、プジョー、リープモーターの注目モデルを写真で見る】 全36枚
主役はルノー・グループで、6車種以上の新型車が発表される予定だ。アルピーヌの水素スーパーカーの進化形から、ルーマニア生まれの中型SUV、そして復刻版ルノー4(キャトル)まで多岐にわたる。
シトロエンはC4のマイナーチェンジモデルを発表する見込みで、プジョーからは航続距離を伸ばしたロングレンジ版のe-3008とe-5008が登場する。
アルファ・ロメオは新型ジュニアのハイブリッド仕様を、ミニは初めての高性能EVを披露する予定だ。
2022年の前回と同様、BYD、広州汽車(GAC)、シャオペン(小鵬/Xpeng)などの中国メーカーも数多く参加する。
ここでは、注目度の高い展示をピックアップして紹介したい。
アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ
アルファ・ロメオの新型クロスオーバー、ジュニアのハイブリッド仕様として「イブリダ」が一般公開される。フィアット600やジープ・アベンジャーと同じ最高出力136psのマイルドハイブリッド・パワートレインを搭載する。
アルファ・ロメオ・トナーレ
ジュニアと並んで、2025年モデルのトナーレが発表される。変更点の詳細はまだ明らかではないが、ソフトウェア・アップグレードを受ける可能性が高く、インフォテインメント・システムの更新やプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの航続距離延長が図られるだろう。
アルピーヌA390_βコンセプト
A390_βは、アルピーヌが来年導入する新型EVのコンセプトモデルであり、クーペのようなシルエットを持つ個性的なファストバックスタイルとなっている。スポーティな走りを重視し、ポルシェ・マカン・エレクトリックのライバルとなりそうだ。エクステリアのデザインはほとんど市販車に引き継がれるというが、斬新なインテリアデザインや未来的な車載技術の市販化は難しいかもしれない。
アルピーヌ・アルペングローHy6
アルピーヌによる水素燃焼エンジン搭載スーパーカーが、今年のパリで次の進化を遂げる。2022年のショーで初公開され、今年初めに改良型4気筒エンジンを使って初めてサーキットを走ったが、現在は特注のV6エンジンに切り替わっている。
アルピーヌは燃費向上を優先しているが(4気筒エンジンはレースペースで1回の燃料補給につき100km走行できると試算している)、最高出力も現在の340psから向上させる可能性が高い。
BYDシーライオン07
中国大手BYDは、クーペSUVのシーライオン07の欧州仕様をパリで披露する。先進運転支援システム(ADAS)を搭載し、航続距離は480kmを大きく超えると言われている。セダンのシールより上位に位置すると予想される。
シトロエン・アミの新モデル?
シトロエンのティエリー・コスカスCEOは最近、AUTOCARの取材に対し、「アミのラインナップを拡大し、多くの変更を行うつもりだ」と語った。詳細は明かさなかったが、新たな派生モデルやアップグレードの可能性が考えられる。「パリ・モーターショーですべてを明らかにします」とコスカスCEOは締めくくった。
シトロエンC4のマイナーチェンジ
シトロエンC4について、ティエリー・コスカスCEOは「デザインをアップデートします。パリ・モーターショーにお越しください」と答えた。
欧州で目撃された改良型C4のプロトタイプから、フロントとリアのライティングシグネチャーが変更されることが判明している。インテリアにはアップグレードされたインフォテインメント・システムが導入される見込みだ。
シトロエンの新型コンセプトカー
シトロエンは「主要セグメント」向けのコンセプトカーを発表する。次期型C4もしくはC5エアクロスを予告するものと見られ、後者は来年登場する予定だ。2022年公開の「OLI」コンセプトからデザインのインスピレーションを得ていることは間違いない。
ダチア・ビッグスター
ルノー傘下のダチアは、ブランド史上最大、かつ最も高価なモデルとして新型ビッグスターを発表した。ミドルサイズのSUVであり、小型のダチア・ダスターのプラットフォームを延長して室内空間を拡大している。
ルーマニアの自動車メーカーで、廉価ブランドとして知られるダチアだが、近年ブランドイメージの刷新とラインナップ拡大に取り組んでいる。新型ビッグスターは来年初頭の欧州発売に先駆け、パリで一般公開される予定だ。価格は約2万9000ポンド(約565万円)からと言われている。
リープモーターB10
中国の新興EVブランドであるリープモーターは、SUVの「C10」と格安の小型車「T03」を欧州に導入した。パリでは、同社3台目となる新型「B10」を公開する予定だ。B10の詳細はまだ不明だが、フォルクスワーゲンID.3やキアEV3に匹敵する小型EVになると予想されている。
ミニ・ジョン・クーパー・ワークス
ミニの高性能車、ジョン・クーパー・ワークス(JCW)初のEVがパリで披露される。
中国政府によって発表された情報(発売前の認証用データ)によると、クロスオーバーのエースマンとハッチバックのクーパーに、より強力な最高出力約260psのモーターが搭載されており、パフォーマンスの大幅な向上が期待できる。
また、ブラックアウトされたグリル、シャープなスカート、大型のアルミホイールなど、アグレッシブなスタイリングを採用する。
モビライズ・デュオ
ルノー傘下のモビライズから、トゥイジーの実質的な後継車となる「デュオ」と呼ばれるモデルが登場する。都市部に特化したEVで、最高速度は80km、航続距離は最長160kmとなっている。来年に欧州で発売される予定で、価格は約1万ポンド(約190万円)から。
プジョーe-3008ロングレンジ & e-5008ロングレンジ
プジョーはパリ・モーターショーで、新型e-3008と新型e-5008のロングレンジモデルを発表する。既存のバッテリー(73kWh)より容量を増やした96.9kWhのバッテリーを搭載し、航続距離はe-3008で最長700km、e-5008で最長670kmとされている。
プジョーe-408
新型e-408の導入により、プジョーのEVラインナップが一通り揃った。58.2kWh(使用可能容量)のNMCバッテリーと、最高出力210psのモーターが採用され、航続距離は最長453kmを謳う。デザインに関しては、既存のエンジン搭載の408を踏襲している。
ルノー4 Eテック
ルノー4(キャトル)がいよいよ復活の時を迎える。ハッチバックのルノー5 Eテックと基本構造を共有するEVで、背が高く、ワイドなコンパクトSUVになると予想されている。
ルノー17エレクトリック・レストモッド x オラ・イト
1970年代に生産されていたクーペ、ルノー17が現代に復活した。最高出力270psの電気モーターとカーボンファイバー製シャシーを採用する、スポーティなEVコンセプトだ。フランス人デザイナー、オラ・イト(Ora Ito)氏とのコラボレーションで生まれ、オリジナルの17よりもわずかにワイド&ローだが、キャビン、ドア、窓など、多くの要素を受け継いでいるという。
ルノー・エンブレム
ルノーが提案する次世代のクーペSUV。水素燃料電池を動力源とし、長距離移動を可能にしながら、現在のガソリン車キャプチャーと比較してCO2排出量を90%削減できるという。実物大のモデルがパリ・モーターショーで公開されるが、インテリアを含めた完成形の発表は今月末まで待たなければならない。
ルノー・トゥインゴ
4(キャトル)の次にルノーが復活させるのは、トゥインゴだ。2026年発売予定で、パリではコンセプトカーが初めて一般公開される。
THK LSR-05
日本の自動車部品メーカーであるTHKが、EVプロトタイプ「LSR-05」をパリに持ち込む。インホイールモーターやワイヤレス充電など、THKの最新技術のショーケースとなっている。昨年の「ジャパンモビリティショー2023」に出展したが、欧州では今回が初公開となる。
デザインはSNデザインプラットフォーム社が手がけるが、同社の代表を務めるのは日産GT-Rのデザイナーとしても知られる中村史郎氏だ。
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