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ルノー キャプチャー Eテックハイブリッドの「独自システムの楽しい走り」。HEV化による恩恵も【試乗】

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ルノー キャプチャー Eテックハイブリッドの「独自システムの楽しい走り」。HEV化による恩恵も【試乗】

BセグメントコンパクトSUVのキャプチャーにEテック ハイブリッドモデルが追加された。ルノーとしては3モデル目となるEテック ハイブリッド搭載のキャプチャー、その走りを早速味わってきた。(Motor Magazine 2022年6月号より)

犬の歯のように噛み合うドッグクラッチを採用
グローバルで170万台以上を販売したという初代のコンセプトを引き継いだ2代目も、登場翌年の2020年には欧州でベストセラーSUVとなったほどの人気ぶりのルノー キャプチャー。ユニークなデザインにより個性が引き立てられ、ダウンサイザーが増えたことを受けて、サイズの拡大と質感の向上が図られたことも功を奏したようだ。

「ルノー キャプチャー E-TECH HYBRID」登場。もっとエコでさらにスポーティな、コンパクトSUVの真打ちだ

そんなキャプチャーにも、このところルノーが手がけた「Eテックハイブリッド」が設定された。1エンジン+2モーター、ドッグクラッチマルチモードAT、1.2kWhのリチウムイオンバッテリーという構成で、他のフルハイブリッドシステムとも一線を画している。開発には、ルノーが昔から挑戦してきたF1に携わるエンジニアが深くかかわっているという。

最大の特徴はドッグクラッチを用いていることだ。名前のとおり犬の歯のように噛み合う方式のクラッチで、素早く変速でき、構造が簡単で耐久性にも優れ、効率よくエネルギーを伝達できるなどといったメリットがある。

ルノーには日産というパートナーがいて、eパワーという優れたハイブリッドシステムを持っているのに、なぜルノーが独自にこうしたシステムを開発したのかというと、欧州のように高速走行時の効率とドライバビリティを優先したからだ。それは実際に運転してみるとよくわかる。

具体的には、91ps/144Nmを発生する1.6L 直4の自然吸気エンジンに、49ps/205Nmの駆動用モーターと20ps/50Nmの発電用モーターを組み合わせている。140psというシステム総合出力は同じシステムを積むアルカナと同じで、ルーテシアよりも若干大きい。

WLTCモード燃費は22.8km/Lと、発売時点で輸入車ナンバーワンの燃費を達成していることにも注目だ。ルノーによると、市街地の最大80%をEV走行でこなすことができ、ガソリン車と比べて最大40%の燃費低減が期待できるとしている。

バッテリーがあればほぼEV走行を続ける
通常走行では、バッテリー残量があればエンジンをかけずモーターのみで走り出し、そのまま比較的高い車速までEV走行を保つ。その間ずっと静かでなめらかな走りを味わうことができる。車速域が高まるとエンジンの出番が増え、状況によっては頻繁に始動&停止をするものの、できる限りエンジンを使わない印象で、しかも素早くスムーズに再始動~停止するので煩わしさを感じることはない。

モーター出力は数値的にはそれほど高いわけではないが、俊敏なレスポンスとダイレクト感のある加速フィールはかつてないものだ。それが高い車速まで続き、アクセルペダルを踏み込むとエンジンとモーターのパワーが合わさり力強く加速する。Eテックの醍醐味はまさしくそこで、F1に関わってきたルノーだからこそ実現できたシステムと走りの境地である。

また、このところコンパクトクラスのパワートレーンは3気筒が増えているが、4気筒であることもあらためてうれしい。やはり4気筒のほうが上質なフィーリングである。

プラットフォームは日産と三菱とのアライアンスにおいてルノーの主導で開発されたもので、シャシの仕上がりも、登場当初のガソリン車はハンドリングがクイックで、乗り心地もやや硬さが気になっていたが、ちょうどよくなっている。後発として改善されたのか、ハイブリッド化による重量増と重心高や重量配分の変化がよい方向に作用したのかもしれない。

特徴的なフライングセンターコンソールなどインテリアはガソリン車とほぼ変わらないが、荷室容量は440Lとガソリン車の536Lには及ばない。しかしながら日常プラスαの使用においてはそれだけあれば十分だ。「F1直系」の「運転して楽しいハイブリッド」を謳うルノー キャプチャー Eテック ハイブリッドは、なかなか印象的なモデルであった。(文:岡本幸一郎/写真:井上雅行)

ルノー キャプチャー Eテック ハイブリッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1420kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1597cc
●最高出力:69kW(94ps)/5600rpm
●最大トルク:148Nm/3600rpm
●モーター最高出力(メイン):36kW(49ps)/1677-6000rpm
●モーター最大トルク(メイン):205Nm/200-1677rpm
●モーター最高出力(サブ):15kW(20ps)/2865-10000rpm
●モーター最大トルク(サブ):50Nm/200-2865rpm
●トランスミッション:エンジン4速AT、モーター2速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・48L
●WLTCモード燃費:22.8km/L
●タイヤサイズ:215/55R18
●車両価格(税込):374万円

[ アルバム : ルノー キャプチャー Eテック ハイブリッド はオリジナルサイトでご覧ください ]

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