劇的な走りを披露できる多様性
執筆:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
【画像】新型 アウディRS3 欧州で競合する高性能ハッチバックと比べる 全124枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
最新のアウディRS3に装備される電子制御のリアデフは、ハードウェアとしては、最新のフォルクスワーゲン・ゴルフRに搭載されるものと基本的に同じ。リアタイヤ左右のいずれかへ、リアアスクルへ割り振られるトルクのすべてを伝達できる。
メカニズムだけでなく、デザイン面でも抜かりはない。ボディもインテリアも、A3より明らかに好戦的に仕上げられた。ただし、普通に運転している限り、それほど感情的な印象は受けない。
試乗車に装備されていたアダプティブ・スポーツサスペンションは、穏やかなドライビングモードを選んでいれば、しなやかな乗り心地を提供してくれる。ステアリングは程よく軽く、始めの反応はマイルド。切り込むほどに、シャープさが高まっていく。
市街地では、通常のアウディA3のように運転できる。しかも、然るべき場所では劇的な走りを披露できる、多様性も備えている。
先代のRS3も充分に速かったが、操縦の俊敏さという点では、ライバルモデルへ一歩届かずにいたと思う。だが最新のRS3は、理想的とまではいえないものの、大幅に改善されている。
クワトロ・システムがトルクを前後左右に分配し、クルマの姿勢を調整することで、長く続く高速コーナーなどでのバランスは向上。スポーツ度の高いドライブモードを選択すると、遥かに鮮明で感触の濃いステアリングフィールも得られるようになっている。
運転運転で支配的なエンジンの存在感
最新のRS3は従来以上にフロントタイヤの反応が鋭く、グリップ力も高い。一方、タイトコーナーでリアを自由に振り回すには、フロント側への負荷を従来以上に高める必要がある様子。
自然な回頭性を味わえるものの、すべての能力を引き出すことは難しい。トルクベクタリング機能を備える四輪駆動のホットハッチでは、共通する特性ではあるのだが。
姿勢制御は引き締められているだけに、路面の影響を受けやすく、乗り心地に落ち着きはない。知的な四輪駆動システムは、不自然さを感じさせることなく操縦性を深めている。
今回の試乗では、アウディは2種類のサーキット・ドライブも準備していた。コーナーでの操縦性を確かめるだけでなく、ドリフトも楽しめるように。
実際、定常円旋回をするような一定のカーブでは、RSトルク・リアと呼ばれるドライブモードを選ぶことで、深い角度でのドリフトを簡単に維持することができた。手のひらで、カウンターステアを当て続けるだけだ。
2.5L 5気筒ターボエンジンが放つ独特のサウンドも、リアリティを増した。スピードだけでなく、ドラマチックさという点でも増強されている。
中回転域では、インプットに対して僅かなターボラグも感じられなくはない。だが、ひとたびブースト圧が高まれば、意欲的にパワーが放たれる。静止状態からの加速は、アクセルペダルを踏み込んで1秒ほど経ってから、本領の勢いが得られるようだ。
残念な障壁はお手頃ではない価格
歴代のなかで最も角の取れた、印象的なモデルに仕立てられた最新のアウディRS3 スポーツバック。極めて個性的で動力性能の高いエンジンが、ドライビング体験で支配的な存在感を示している。
素晴らしいドライバーズカーだが、残念ながら障壁もある。お手頃とはいえない価格だ。
最高速度289km/hを誇る高性能ハッチバックの英国価格は、5万900ポンド(788万円)から。何点かオプションを選べば、あっという間に数字も跳ね上がる。複数のオプションを装備した試乗車は、6万5000ポンド(1007万円)に達していた。
活気あふれる操縦性を獲得した最新のRS3は、シャープさを増したルックスと同じくらい魅力的ではある。しかし、そこまでの金額を支払うべきモデルといえるのか、筆者は一考してしまう。
もちろん、アウディRS3へ試乗して、金額に納得するドライバーもいると思う。目移りすることなく、大金をホットハッチへ投じる人も少なくないのだろう。
アウディRS3 スポーツバック・フォアシュプルング(欧州仕様)のスペック
英国価格:5万8650ポンド(909万円)
全長:4389mm
全幅:1851mm
全高:1436mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:11.4-12.0km/L
CO2排出量:190-201g/km
車両重量:1570kg
パワートレイン:直列5気筒2480ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:400ps/5600-7000rpm
最大トルク:50.9kg-m/2250-5600rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック
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みんなのコメント
毎回おかしいと思う