EVといえば、もはや中国が世界最先端というのが今の常識になりつつあるが、実際に中国車の実力とはどのようなものなのだろうか。辛口で鳴らす国沢光宏氏が日本に間もなく導入予定のBYD SEALに中国現地で試乗した!
文/国沢光宏、写真/TEIN、国沢光宏、ベストカーWeb編集部
日本製EVをもはや凌駕!? 間もなく国内導入のBYD SEAL試乗で見えた「中国車」の実力とは?
■BYD製530psのハイパワーセダン、SEALに試乗することに
中国現地で国沢氏が試乗したBYDのセダン、SEAL
今や電気自動車は中国が世界で最も先進的になってしまった。なのに中国車の試乗レポートって”ほぼ”読んだことない。中国はジュネーヴ条約加入国じゃないため、日本の免許証だと運転できないからだ。
今回、ショックアブソーバーメーカーのTEINが試験車として使っている中国車を、一般道とワインディグロードを模したコースで試乗させてくれるという。ワクワクしつつ中国へ向かった。
1台目の試乗車は間もなく日本にも入ってくるBYDの『SEAL』というモデル。全長4800×1875×1460mmと、ハリアーの車高を下げたようなクルマをイメージしていただければよかろう。
前後のモーターを合わせると最高出力530ps。0-100km加速が3.8秒と、そこらのスポーツカーを相手にしないほど速い! 82.5kWhのリン酸鉄リチウム電池を搭載しWLTCモードで650km走る。
TEINの試乗会なので最初はノーマルに乗った後、自社製品を試してくださいという内容。ノーマルも楽しみながら、足回りを交換したらどうなるかというのはクルマ好きからすれば興味津々です。
ということでノーマルから。Dレンジをセレクトして走り出すと、最初から驚いてしまっている。いや、正確に言えばドアを開けてシートに座った時点でインテリアの質感が高くウナった!
BYD SEALのインテリア。センターディスプレイはスイッチひとつで縦置きにも横置きにもなるのはBYDの特徴だ
お金をしっかりかけているのだった。日本勢だと700万円のbZ4Xすらインテリアの素材は硬質プラスティック。液晶画面だって小さい。SEALときたら写真のとおり、ダイナミックなデザインで素材も上質。
大きい液晶画面は例によってボタンひとつで縦にも横にもなる。けっこう頑張っているARIYAと比べたってSEALに軍配を上げておく。ドア開けて座った時点でSEALの勝ちだ。
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■パワーも充分で乗り心地は非常にいい!
530psのハイパワーで加速するBYD SEAL 。ボディ剛性の確かさも国沢氏はしっかり試乗で感じたという
走り出すとパワーは必要十分。踏み方により、いかようにもなる。アクセル操作によるパワーの制御が思っていたよりずっと繊細で、滑らかに走ろうとすれば徹底的にスムーズ。ガツンと踏み込むと530psで車体をグイグイ加速させます。
ナビシートに撮影担当のスタッフを乗せていたのだけれど、アクセルを全開にするや「ウッ~」というウナり声を上げるほど。
電気自動車で床下に強固&巨大なバッテリーパックを搭載しているため、ボディ剛性はひたすら高い。
気になる足回りだけれど、これまた予想を大きく超えてきた。乗り心地がよく、しかも気持ちよ~く曲がってくれるのだった。正直、ここまでしっかり走るとは予想しておらず。おそらく欧米日のベテランテストドライバーがBYDの開発チームのなかにいるんだと思う。bZ4Xに勝るとも劣らず。
比較試乗用として用意されていたテスラのモデル3と筆者。その走りはBYD SEAL と比べると地味に映ったそうだ
興味深かったのは試乗車として用意されていたテスラのモデル3より個性的だったこと。モデル3、普通の乗用車と比べたら濃い目の味付けだと思っていたけれど、SEALと比べたら地味。
SEALの走りって派手。アクセル開ければ「ど~ん!」と加速するし、ブレーキングしながらハンドル切り込むとタックイン気味にテール流れる。横滑り防止装置を完全に切ったらスポーツカーです。
■TEIN製ショックをつけたSEALに試乗!
TEIN製ショックを装着したSEALは乗り心地、スタビリティともに体感できるくらいアップしていたそう
続いてTEINのノーマル互換タイプの『エンデュラプロ・プラス』に交換して同じコースを走る。なるほど! ノーマルもいいと思ったけれど、ダンパーの絶対的な容量を大きくしたエンデュラプロ・プラスだと、ノーマルの弱点が見えてくる。何より絶対的な乗り心地からしてよくなったし、大きなGがかかるような時(高速域やコーナー)のスタビリティは2ランクくらい上がっている。
TEIN製ショックを装着すると、どのように変わるのか? 国沢氏は中国現地でその差を体感することに
エンデュラプロ・プラスは乗り心地が悪くて減衰力不足のアルファード用で6万円台真ん中くらいの補修用という位置づけ。乗り心地とハンドリングの両方を改善したいという人ならバッチリだと思う。
ダンパーの実力としちゃ、ふた昔前なら20万円くらいするビルシュタインと同じくらい。新型アルヴェルを買ったら即座に交換していいと思う。トヨタ、ダンパーだけはアカンです。
車高調整機能付き『FREX Z』も試した。SEALがハイパワーGTになったみたい。イメージとしちゃBMWのMやメルセデスAMGですね。車体の無駄な動きがまったくなくなる。それでいて乗り心地の上質感も確保できているのだった。
これに自動調整『EDFC5』を追加すると、乗り心地のよさとキッチリした走りが一段と引き出せる。お金を出せばいいモノが買えるお手本ですね(笑)。
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みんなのコメント
東南アジアでのシェアもかなり奪われている。
国とメーカーの経営陣の判断の遅さ、能力の低さを感じざるを得ない。
残念。
批判しても惨めなだけだよ。