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ランボルギーニ カウンタック LP500、デビュー50周年。ベルトーネのブースでお披露目された「大人の事情」とは?

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ランボルギーニ カウンタック LP500、デビュー50周年。ベルトーネのブースでお披露目された「大人の事情」とは?

Lamborghini Countach LP500

ランボルギーニ カウンタック LP500

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ベルトーネ・ブースで公開されたLP500

今からちょうど50年前、1971年のジュネーブ・モーターショーにおいて、稀代のスーパーカー「ランボルギーニ カウンタック LP500」がデビューした。3月11日午前10時、カロッツェリア・ベルトーネのブースにおいて、イエローのプロトタイプ、カウンタック LP500が初めて一般公開されたのだ。このウェッジシェイプをまとった近未来的なモデルは、当時ベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニがデザインを担当している。

そもそも、なぜベルトーネのブースにカウンタック LP500を展示することになったのか。それはランボルギーニのブースでは、5年の歳月をかけて開発された「ミウラ SV」がお披露目されていたからだった。このランボルギーニによる、2台同時公開は世界中にセンセーションを起こすことになる。ジュネーブ後、数ヵ月にわたって、あらゆる自動車雑誌の表紙をカウンタック LP500が飾っている。

市販仕様とは大きく異なるプロトタイプ

カウンタック・プロジェクトは、社内コード「LP112」と呼ばれていた。LPはイタリア語で「Longitudinale Posteriore=縦置き」を意味し、ミウラで打ち立てたスポーツカーメーカーとしての地位を維持したいという、フェルッチオ・ランボルギーニの願いから生まれている。

1963年からランボルギーニ社に在籍し、1968年にはゼネラルマネージャー兼テクニカルディレクターに任命されたエンジニアのパオロ・スタンツァーニが、カウンタックの開発を担当した。

当時、カロッツェリア・ベルトーネのデザインディレクターを務めていたガンディーニが手がけたフォルムは、シンプルでクリーン。その未来的なラインは50年経った今でもまったく色褪せていない。ガンディーニは、ランボルギーニの12気筒モデルに初めてアイコニックな跳ね上げ式シザースドアを採用した張本人でもある。

しかし、カウンタック LP500は1974年に生産が開始された市販仕様のカウンタックとは大きく異なる1台だった。スチール製モノコックボディは鋼管スペースフレームとアルミ製パネルに、エンジンも5.0リッターV型12気筒から4.0リッターV型12気筒に変更。そして、シンプルでソリッドなフォルムにはクーリングのために様々なエアスクープが追加されている。

ピエモンテ地方の方言から採られた車名

車名の由来は、イタリア南部ピエモンテ地方の方言で驚きを表現する「COUNTACH=クンタッチ、あるいはクンタッシュ」から(日本ではローマ字読みの「カウンタック」で定着した)。

LP500の製作最終段階、当時イタリアで頻発していた労働争議による作業停止を避けるため、トリノ・グルグリアスコ近郊の農場内の納屋で作業は行われていた。そして、作業の物音を聞いて近隣の農家の人が製作途中のLP112を発見した時に発した言葉が「クンタッチ!」だった。その事実を知ったガンディーニが、ベルトーネやスタンツァーニを説得し、新型スポーツカーのネーミングに採用したという。

プロトタイプはスクラップにされ現存せず

ジュネーブでのLP500の大反響を受け、信頼性の高い4.0リッターエンジンを搭載し、ランボルギーニのチーフテストドライバーだったボブ・ウォレスがLP500をロードテストに使用。1974年初頭、市販車のホモロゲーションに必要な衝突テストに使用され、その後スクラップにまわされた。そのため、LP500のプロトタイプは現存していない。

カウンタックは1974年から1990年にかけて、5つのシリーズで累計1999台を生産。ランボルギーニの困難な時代を支える1台となった。現在のV12モデルの礎となっただけでなく、その後数十本もの映画作品にも登場し、世界中の子どもたちが憧れるスーパーカーとして、数えきれないほどのポスターに印刷されている。

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みんなのコメント

8件
  • 私は、いくつになってもスーパーカーといえばランボルギーニカウンタックかミウラなのです。
  • もう50年になるのか。
    自分も歳取ったなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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