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【今あらためて試乗】フェラーリが愛したゴーカート ミニ・クーパー1.3 凝縮された英国テイスト

掲載 更新 3
【今あらためて試乗】フェラーリが愛したゴーカート ミニ・クーパー1.3 凝縮された英国テイスト

凝縮されたイギリス・テイスト

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)90年代に我が国で高い人気を誇ったローバー・ミニ・クーパーなので、撮影個体を探す作業は決して難しくはない。

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でも敢えて今回、群馬県にあるクラシック・ミニのスペシャリストであるミニ屋Aiフラジルがストックしていた1999年式を選んだ理由は「オリジナル度が高い」という一言に尽きる。

クラシック・ミニの人気の一旦は、豊富に用意されたチューニング・パーツやドレスアップ・パーツによって自分だけの個性あふれる1台を作り出せることにもあった。

90年代のローバー・ミニを改造し60年代のマーク1風に仕上げるモディファイはクラシック・ミニの定番だし、傷んできた塗装を塗り替えるついでに個性的な色にしてしまうというのも珍しくない。

つまりラインオフされたままの姿をとどめた個体は、今日では非常にレアなのである。

90年代の日本におけるミニの人気は、ボディの小ささに対する内装の豪華さにもあった。今回の1999年式、ローバー・ミニ・クーパー1.3iは特にその傾向が顕著だ。

例えばシートは総レザー張りだし、伝統的なイギリス車らしく、ダッシュパネルにはウォルナット材が使用され、重厚感を醸し出している。

今日のイギリス車ではなかなか再現できない古き佳き雰囲気が、この小さなボディにぎっしりと詰まっているのだ。

フェラーリが愛したゴーカート

ローバーを買収し、そこからミニ・ブランドだけを抽出したBMW。彼らは2001年に新しいミニをデビューさせた際、声高に「ゴーカートフィーリング」を叫んでいた。

それはクラシック・ミニの特徴的なドライブフィールを表現するための言葉でもあった。

ステアリングを切り込むと、ほとんどロールを感じさせないままグイグイと曲がっていく感覚。今回のミニ・クーパーを実際に走らせてみれば、もちろん元祖ともいえるゴーカートフィーリングを味わうことができる。

現代車と比べればもちろんのこと、90年台のクルマと比べても、様々な箇所が振動するし、見た目や走りもクラシカル。けれどそれがオンボロではなく、懐かしさや楽しさと結びついている点がクラシック・ミニらしい。

コーナリングが楽しいミニ・クーパーだが、加速も力強く、ディスクブレーキも充分な性能を誇っている。50年代にデビューしたクラシック・ミニだが、ローバーのそれは性能的な進化もちゃんと果たしているのである。

かのエンツォ・フェラーリもクラシック・ミニを所有しており、たびたびそのステアリングを握っていた逸話は有名だ。

なぜ? と思う人もいるだろうが、クラシック・ミニの「楽しさ」に触れればきっと納得がいくと思う。

生産中止、でも作り続けられるクラシック

クラシック・ミニの生産終了は2000年のこと。

だが英国では今なおブリティッシュ・モーター・ヘリテイジという会社がクラシック・ミニのボディを継続生産しているのである。

つまり長年の使用でボディが錆びてしまったり、事故で修復不可能になってしまった場合、ボディを丸ごと新品に換えてしまうことが可能なのである。

現在でもかなり多くの個体が生き残っているクラシック・ミニなので、ボディ以外の補修パーツだって豊富に揃う。

おじいちゃんが乗っていたクルマを新車同然のコンディションにレストアしてお孫さんに受け渡すといった、他のクルマでは難しそうな青写真も、クラシック・ミニなら問題なく描けるというわけだ。

現代のクルマが便利さを増し、無音のまま走る電気自動車や、自動運転車が当たり前の世の中になっていくと、クラシック・ミニのような古典的なクルマの存在価値はさらに上がっていくはずだ。

20世紀のモータリングの歴史や楽しさを雄弁に語ることができ、しかしヒストリックカーを運転、維持するほどには手もかからない1台。

今なおクラシック・ミニのファンやオーナーズクラブ、そしてイベントが世界中に数多く存在することも頷けるのである。

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みんなのコメント

3件
  • モデル末期、「カワイイ!」「ブリティッシュ~!」という日本でだけしか売れてなかったのは、有名な話。
    地元イギリスでは、「狭い」「煩い」「信頼性低い」の三重苦で、誰にも見向きもされていなかったのに、、、
  • やっぱ冴羽獠が乗ってたミニのイメージが強いんだよな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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