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メルセデス・ベンツのフラッグシップEVサルーン「EQS」が提案する新しい高級車のカタチ

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メルセデス・ベンツのフラッグシップEVサルーン「EQS」が提案する新しい高級車のカタチ

持続可能なモビリティの構築を目指してメルセデス・ベンツが取り組むラインナップの電動化。その象徴がメルセデスEQという電動車(EV)サブブランドの積極展開である。メルセデスEQではこれまで内燃機関車をベースに大容量バッテリーを搭載しパワートレインを電動モーターに置き換えたEQC、EQA、EQBというSUVを用意。そして今回、満を持して送り出されたのが、新設計のEV専用プラットフォームを用いて作り上げられたモデル「EQS」である。

EV専用プラットフォームがもたらす極上空間

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EQSはメルセデスのラインナップでいうところのSクラスに当たるモデルだ。EQシリーズ初となるこのラグジュアリーサルーンは、EV用に開発された専用の車台を用い、高効率の電気モーターと大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載して新しい高級車像を提案している。

クーペのような流れる弓なりのラインが特徴的なEQSのプロファイル。前後のオーバーハングが短く、ホイールベースを長くとって広い居住空間を確保している。

何より特徴的なのはそのエクステリアデザインである。フロントからリアにかけて弓なりの“ワン・ボウ”ラインで描き、前後の衝突安全性を確保しながら、ホイールベースを長く取ったキャブフォワードスタイルを採用。これはメルセデスの本質ともいえる機能性からデザインを形作ったもの。ボディパネル同士のスムージングやドアミラー形状の最適化、格納式ドアハンドルの採用など、徹底した空気抵抗の低減によって0.20という量産車最高値という空気抵抗係数を実現することに成功した。

一枚ガラスのワイドスクリーンが目を引くダッシュボードまわり。標準仕様ではレイアウトが異なり、センター部分に大型タブレットのようなモニターが据えられる。

インテリアで目を引くのは運転席正面から助手席までがガラススクリーンで覆われているところ。MBUXハイパースクリーン(一部グレードに標準装備)と呼ばれるこれは、12.3インチのコクピットディスプレイ(メーター)、コンソール中央の17.7インチ・メディアディスプレイ、助手席前の12.3インチのディスプレイで構成される仕立て。それぞれに必要な情報が表示できるほか、様々な機能を集約。もちろんメルセデス独自の音声認識による操作が可能となるなど、先進性に溢れる仕立てとなっている。加えて粒子状物質除去効果の高い高性能HEPAフィルターを採用するなど、快適性と安全性、利便性が最大限まで高められている点が新時代の高級車であることを物語っている。

新採用されたHEPAフィルターの効果を示したディスプレイ表示。先進運転支援システムも最新仕様にアップデートされており、最上級の利便性をもたらしてくれる。

磨き上げられた扱いやすさ

それとともに鮮烈なのがその走りっぷりだ。EQSは全長5,225×全幅1,925×全高1,520mm、ホイールベース3,210mmという数値からもわかるとおり、内燃機を搭載するSクラスとほぼ同等のサイズとなるが、動き出しからとにかく軽やかで、驚くほど取り回しがしやすい。ステアリングの操作感の良さもさることながら、小回りがよく利く。EQSではSクラスと同様に後輪操舵機構が備わり、低速ではステアリングと逆に最大4.5度切れ(EQS53では最大9度)、大きなエンジンを搭載しないEVゆえ前輪の転舵域も大きくなるからだろう、コンパクトカーを操っているような感覚さえ覚える。

EQSには基本ラインとなる450+のほか、前後にモーターを配置した4輪駆動で、658PS/950Nmを発揮するAMGモデルのEQS 53 4MATIC(写真)も用意される。

そしてアクセラレーターを踏み込めば、2.5トンにも及ばんとするこの巨体がなんのストレスもなくぐんぐん加速していくことに改めて驚く。標準グレードのEQS450+はリアの車軸上に電動モーターを搭載して後輪を駆動するタイプで、モーターは最高出力333PS、最大トルク568Nmを発生。この強大なパワーを持て余すことなく、しっかりと路面に伝えてくれる。その俊敏性の高さと高出力からもたらされる余裕は、フラッグシップモデルならではの味わいだ。

リアシートの快適性の高さは言わずもがな。足元はフラットで広く、頭上空間にも充分な余裕がある。エンターテインメント機能も充実。

乗り心地にしても同様で、EQSは高度に制御されるエアサスペンションのおかげで常にフラットな車両姿勢を保ったまま、無粋なショックや振動、音をほとんどといっていいほど伝えてこない。Sクラスと比べるとわずかに硬質な乗り味に感じるものの、それでも上質さは最上級のレベル。パワートレインが電動モーターに置き換えられてもメルセデスのラグジュアリー性はまったく揺らいでいない。

取り回しの良さとともに、使い勝手に優れる点もEQSの特徴。ハッチゲートの開口部は広く、荷室も幅95cm、奥行き120~180cmとゴルフバックも楽に積み込める。

第一級のブランドとしての伝統を重んじながらも、その地位に胡座をかくことなく、先進的な技術や装備をふんだんに盛り込んで磨き上げられたのがEQSというモデル。特にデザイン面をはじめとするチャレンジングな姿勢を見せながら新時代のラグジュアリーのあるべき姿を見事に表現している点に、これまでどおり魅力を感じるセレブリティは少なくないはずだ。

EQS 450+は容量107.8kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離は700kmを標榜。不安なくロングドライブを楽しめるほか、いざという時には家庭などへ電源を供給できる給電機能(V2H/V2L)が備わるところも見逃せない。

<SPECIFICATIONS>
メルセデス・ベンツ EQS 450+
ボディサイズ:全長×全幅×全高:5,225×1,925×1,520mm
車重:2,530kg
駆動方式:RWD
モーター最高出力:245kW(333PS)/4,147~11,544rpm
モーター最大トルク:568Nm/0~4,060rpm
価格:15,780,000円~

問い合わせ先:メルセデス・ベンツ 0120-190-610

TEXT:桐畑恒治(AQ編集部)

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