ル・マン24時間レースの決勝前日は、本戦出場車両のトラックアクションがない代わりに、ピットウォークや市街地でのドライバーズパレード、ACOフランス西部自動車クラブのカンファレンスに加えて、アルピーヌの新型LMDhカー発表、フォード・マンスタングGT3の公開など、さまざまな催しが行われた。そんな金曜日のル・マントピックスをお届けする。
***9日夕方、ピットストレートで100周年記念大博覧会の車両とドライバーによる公式セレモニーが開催された。歴代のル・マン優勝マシンによるパレードラップに参加するドライバーのル・マン式スタートや、フランス空軍のアクロバットチーム“パトルイユ・ド・フランス”のフライオーバーも行われた。
フェラーリ、初年度のル・マンでポール獲得も慎重姿勢を崩さず。「最初のステップにすぎない」
***“NASCARガレージ56”のシボレー・カマロZL1は、当初の予定どおり総合グリッドの最後尾ではなく、LMP2グリッド勢の後方からレースを開始する予定だ。ヘンドリック・モータースポーツの改造版NASCAR Next Genカーは今週、一貫してLMGTEアマ車両のタイムを上回っている。
***加えてWEC委員会は、セーフティカー先導のもとで行うウェーブバイの対象からカマロを除外した。章典外のクルマはフィールド上でクラス順に整列するように指示されると、LMP2グループの後ろにドロップバックすることになる。
■ポルシェ1位、フェラーリ2位。DHLが表彰
***ポルシェ・モータースポーツのボス、トーマス・ローデンバッハはSportscar365に対し、LMHのファクトリーカーがシングルラップでより速く走ることを予期していたため、フェラーリのポール獲得には驚かなかったと語った。彼はポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが勝利するためには、トラブルなく、うまくレースを行うことが重要であると指摘した。
***ローデンバッハは次のように述べている。「私たちはシーズンを通してそれを見てきた。24時間レースについて話しているので過大評価はしない。ラップタイムでコンマ1秒を競う必要がないとわかったら、クルマを正しくすること、運転しやすくすること、ドライバーに自信を持たせることに集中する。今はレースをやり遂げようというのが我々の哲学だ」
***ローデンバッハは、ポルシェ911 RSR-19が1台もハイパーポールに参加しなかったLMGTEアマクラスでのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)に関する懸念を払拭した。ポルシェ勢の最上位はデンプシー・プロトン・レーシングの77号車で、クラス9番手となっている。
■LMGTEアマクラスのBoP(5月26日付)
マシン最低重量燃料搭載量ラムダウイング角度※エアリストリクターフェラーリ488 GTEエボ1264kg88L1.15-5.3**アストンマーティン・バンテージAMR1262kg97L0.944.1**ポルシェ911 RSR-191300kg102L0.89-1.830.7mm×2シボレー・コルベットC8.R1289kg96L0.884.841.3mm×1
※フロアに対するメインウイングの最小アングル
***今年のル・マンでは7000人が特別な“グリーンチケット”を手にした。このチケットは、電気自動車やハイブリッドカー、相乗り、列車、トラム、自転車を利用してイベントに参加する観客に、割引価格とさらなる特典を提供するものだ。
***ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、“Racing for Charity”の取り組みにより、DHLが主催する『サスティナブル・エンデュランス・アワード』を受賞した。フェラーリAFコルセは、ISO20121の認証取得により2位に。コルベット・レーシングは貨物輸送の最適化によって3位を獲得した。
***ACOフランス西部自動車クラブは、ロレックスと10年間の契約延長に調印した。これによりロレックスがこのレースのオフィシャル・タイムピースとして継続されることが決まった。
■シルバーストンとの協議継続
***2024年のWECとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の間で、ひとつのレース日程が衝突する。WECのフレデリック・ルキアンCEOとIMSAのジョン・ドゥーナン代表はこの事実をSportscar365に確認した。
***WEC第2戦イモラ6時間レースは、アキュラ・グランプリ・オブ・ロングビーチと同じ週末に開催される。「それは彼らにとっても、我々にとってもサプライズではない」とルキアンは述べた。「カレンダーの発表前にそのことを話し合った。我々は、それを避けるために最善を尽くしたことを皆知っている。残念ながらロジスティクスとテレビ放送の都合で、我々は1度だけ(日程の衝突を)持つことになる」
***WECのイタリアラウンドは、モンツァが来年前半に改良工事を行うため、イモラがその代わりとなる。イモラは1年契約で、将来的に延長するオプションがあることが理解されている。「イモラで2024年を楽しみ、それからイタリアで何をするか見ることになる」とルキアンは述べている。
***ルキアンは、WECが将来的にイギリスのサーキットに戻る可能性について、シルバーストンと「話し合いを続けていく」と付け加えた。シルバーストンは金曜日に公開された2024年のスケジュールには加われなかったが、2025年の枠をめぐっては引き続き候補に挙がっているという。
***ACOのピエール・フィヨン社長は、サーキット・オブ・ジ・アメリカズがWECと1年契約を結んだことを認めた。一方、2025年からアメリカラウンドを引き継ぐと噂されるインディアナポリス・モーター・スピードウェイとWECがまだ話し合っているのかという質問には、コメントすることを拒否した。
***フォード・パフォーマンスのグローバル・モータースポーツ・ディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、フォード・マスタングGT3が金曜日に発表された際に、さらに多くのファンが新しいカラーリングを目にすることになると指摘した。トロイ・リー・デザインズが手掛けた独特なカラーリングは、今月末に開催されるクラウドストライク・スパ24時間レースで発表されるフォード・マスタングGT4にも採用されるとみられている。
***このカラーリングは、フォードパフォーマンスのブランド再構築の一環であり、新しい“FP”ロゴをデビューさせた。このロゴは今後すべてのレース車両に採用されることになっている。
***ラッシュブルックは、このクルマの登場が最初にアナウンスされた2022年1月に、“不正確なプレスリリース”が5.0リットルパワープラントであることを示したことを引き合いに出し、MスポーツによってチューンされたコヨーテV8エンジンを5.0リットルから5.4リットルに拡大したことは、プログラムの「非常に早い段階」で決定されたことだと述べた。
***サリ・ヨロックはSportscar365に対し、レーシングチーム・ターキーの来年の計画は、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方が検討されており、現時点では「少し宙に浮いている」状態であると語った。ヨルックのLMP2プログラムを運営するTFスポーツは、すでに1月にロレックス・デイトナ24時間レースに出場する可能性を示唆している。
***ヨロックは、現在のレギュレーションサイクルが終了するまでLMP2でのレースを続けるつもりであると付け加えた。「LMGT3は(WECに)参加するための唯一の選択肢だが、今はまだ、2025年まではそうしたいとは思わない。それ以降は(LMGT3などの可能性を)見ていくことになるだろう」
***ル・マンのファンビレッジには、2004年のクラージュC60、2012年のトヨタTS030ハイブリッドのほか、2016年のアウディR18 e-tronクワトロ、昨年のGTEプロクラス優勝を果たした91号車ポルシェ911 RSR-19など、ル・マンを彩ってきた名車たちが展示されている。さらに、フェラーリ499P、プジョー9X8、シボレーコルベットC8.Rも見ることも可能だ。
***ポルシェは、1987年の961とALMSアメリカン・ル・マン・シリーズで活躍したRSスパイダーをヴィラージュ・ドゥ・ラコルドマンに設置したエクスペリエンスセンターに持ち込んでいる。
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