8月28日、ビー・エム・ダブリュー株式会社は「8シリーズ・グランクーペ」の限定モデル「京都エディション」を発表した。
限定3台
「日本人ユーザーの心に響くクルマに仕立てたかった」と、企画担当者が述べた8シリーズ・グランクーペ京都エディションは、BMW日本法人のオリジナルモデルだ。
もとになったのは、最高出力530psの4.4リッターV型8気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載する「M850i xDriveグランクーペ」である。特別エディションの最大の特徴は、インテリアのセンターコンソール・トリムだ。漆塗りを施し、そこに金粉・銀粉、貝片などを蒔き付けた漆塗り蒔絵螺鈿(らでん)細工が施された。手がけたのは京都の漆芸家である岡田紫峰氏。岡田氏は国宝の修復などを手掛けるほか、シャネルとコラボレーションしたジュエリー制作なども手がけている。
センターコンソール・トリムとおなじデザインの蒔絵螺鈿細工を施した専用キー・トレイや、人工皮革「アルカンターラ」を使った専用クッションも備わる。クッションを手がけたのは、京都の西陣織メーカーである加納幸製作だ。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiシート表皮のレザーは、通常オプションのBMW Individualフル・レザー・メリノを採用した。カラーは、ホワイトとブラウンの2トーンだ。
ボディカラーは、通常のカタログモデルには設定されていないBMW Individual特別カラー「アズライト・ブラック」になる。ほかに、本来はオプションのパノラマ・ガラス・サンルーフ(28万8000円)やBowers & Wilkinsダイヤモンド・サラウンド(61万1000円)、さらにアルカンターラ・ルーフ・ライニング(16万4000円)なども備わる。
京都エディションの価格は2150万円。限定3台のうち、1台はBMWオンライン・ストアで販売され、残り2台は全国のBMW正規ディーラーで販売される。
Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui“日本の名匠”とコラボレーションした理由とは?
今回、京都エディションの開発に携わったビー・エム・ダブリュー株式会社BMWブランド・マネジメント・ディビジョンの御舘康成氏、京谷麻矢氏、加藤有美子氏の3人に話を訊いた。
Hiromitsu Yasui――開発のきっかけを教えてください。
京谷 BMWでは2019年から、7シリーズや8シリーズ、X7などのラグジュアリー・カテゴリーを強化しています。こうしたなか、よりラグジュアリー&プレミアムなイメージを高め、日本人の心に響かせるにはどうすればよいか? と、考えたのがきっかけでした。そこで、ドイツと日本の“匠の技”を融合することにしました。日本発祥の“匠の技”でつくられた商品は、クオリティの高いモノが多く、まさに“プレミアム”です。
――ラグジュアリー・カテゴリーの強化とは?
御館 たとえば20年以上途絶えていた、8シリーズの復活です。従来はクーペのみだったものの、現行モデルはクーペにくわえて4ドアクーペ(グランクーペ)とカブリオレも設定しました。この強化は、日本のみならずグローバルで展開されています。
――京都エディションは日本独自のプロジェクトですか?
京谷 はい。ドイツ本国主導の特別モデルは、そのすべてが日本人の“心”に響くとは限りません。今回は、BMWの誇るべき強みを活かしながら、日本人のユーザーが共感出来るモデルを仕立てるべく、日本独自で「BMWと日本の名匠プロジェクト」を、進めました。もちろん本国とは、細かいやりとりをおこなっています。
Hiromitsu Yasui――京都エディションはどのように作られるのでしょうか?
御館 インテリアやシートは本国で仕立てています。センターコンソールは、本国からベースのパーツを入手し、日本で漆塗り蒔絵螺鈿細工を施しました。
――なぜ、“日本の名匠”とコラボレーションすることになったのでしょうか?
京谷 2019年後半、今後の日本におけるマーケティング戦略を考えたときに独自調査をおこないました。結果、年収2000万円(世帯あたり)を超える富裕層がクルマを購入する場合、とくにクオリティと安全性を重視するというデータが出ました。では、クオリティの高さをよりわかりやすくユーザーに伝えるにはどうすべきか? と議論し、“ストーリー”が必要であるという結論に至りました。そこで、“日本の名匠”とのコラボレーションを、ストーリー化しました。
Hiromitsu Yasui――コラボレーション相手を“日本の名匠”にしたのは?
京谷 “クオリティ”という言葉を聴いたとき、ドイツ人と日本人では連想するワードが異なります。ドイツ人は、“頑丈”“壊れない”“タフ”などを連想するのに対し、日本人は、“伝統”や“こだわり”を連想する傾向が強いです。そこで、日本の名匠が手間暇を掛けてつくる伝統的な製品や、その技法に着目しました。
――インテリアに漆塗り蒔絵螺鈿細工を使ったのはなぜですか?
御館 漆塗りの採用は、私の発案です。BMWも使うピアノブラックの加飾は、もともと日本の漆塗りがモチーフでした。そのため以前から、「ピアノブラックの加飾を、ホンモノの漆塗りにしたらカッコいいのでは?」と、思っていました。くわえて、「螺鈿細工も施したら……」となり、漆塗り蒔絵螺鈿細工を採用しました。
――ボディカラーが「アズライト・ブラック」なのは?
御館 「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2019」に展示したバルセロナ・ブルーの8シリーズを見たとき、「もっと日本の風景に溶け込む8シリーズを仕立てられないか?」と、思ったからです。そこで、尾形光琳作の『燕子花図』などを含む多くの日本画につかわれた色の藍銅鉱=アズライトに注目しました。
Hiromitsu Yasui――漆塗り蒔絵螺鈿細工の耐久性は?
御館 漆塗りは、本来、熱に弱いです。しかし京都エディションには、国宝の建物にも使われている耐候性の高い漆を使っていますので、熱や日光には強いです。
――限定3台にしたのはなぜですか?
御館 非常に手の込んだクルマですので、当初「1台でもいいのでは?」と、思いましたが、購入を希望されるユーザーはもっといらっしゃるかと思いましたので3台にしました。ちなみに、おなじ8シリーズ・グランクーペに3台のみ設定された「エディションゴールデンサンダー」(1882万円)は、すぐに完売しました。
――たしかに手の込んだ特別モデルですね。
京谷 BMWの日本法人として、これほどの特別なカスタマイズを施したモデルは初めての試みです。日本独自の限定車こそ数多くあるものの、京都エディションはそれらとは一線を画します。われわれの意気込みをぜひ感じてください。
――「BMWと日本の名匠プロジェクト」の今後は?
加藤 第2弾についても、8シリーズが属するラグジュアリー・カテゴリーのモデルで検討します。
Hiromitsu Yasui文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
でもまぁ、さすがに3台だと一生会うことはないんでしょうね。
こんな高額な粋な車を買える人が羨ましい!