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ブランドの “今”が凝縮した マクラーレン720S【Car as Art !】

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ブランドの “今”が凝縮した マクラーレン720S【Car as Art !】

忠実かつ正確な車体の動きは驚異的なレベルに達した

最初にマクラーレンの商品ラインナップについて、今一度復習しておきたい。マクラーレンは現在、アルティメイト、スーパー、スポーツ、GTという4つのシリーズを展開中で、順にハイパーカー限定車、メインレンジ、入門モデル、ラグジュアリツアラーとなる。いずれもミドシップスポーツカーであるという点が最大の特徴だ(スポーツシリーズは現在、次世代モデル=V6ハイブリッドのアルトゥーラ、の登場待ち)。

マクラーレン 720Sのカタログはこちら

つまり、英国に本拠を置くマクラーレンは世界で唯一(パガーニなど極少量生産メーカーは除く)となるミッドシップモデル専門のスーパーカーブランドなのである。

ラインナップの中核を担うスーパーシリーズ。その最新モデルが720S(クーペ&スパイダー)だ。フェラーリ F8シリーズやランボルギーニ ウラカンがライバル、といえばそのポジショニングも理解しやすい。

スーパーシリーズは2011年に鮮烈なデビューを飾り、ブランドの起源となったMP4-12Cを祖とする。720Sはフルモデルチェンジを果たした第2世代で、高性能バージョンの765LT(ロングテール)という最新グレードも先だって追加された。

ミッドに搭載されたM840Tエンジンは、先代650Sに積まれたM838Tのストロークを伸ばした発展版だ。そして車名の3桁数字がそのままホースパワーを表している。つまりスーパーシリーズに積まれる4L V8ツインターボエンジンの最高出力は720hpもしくは765hpということになる。これに7速のデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせてドライバーの背後に置き、後輪のみを駆動する。MRのV8+DCT、これがいまいまのマクラーレン全モデルに共通する基本パッケージだ(前述したようにもうじきV6ハイブリッドが加わる)。0→100km/h加速はなんと2.9秒とMRとは思えない数字をたたき出す。0→200km/h加速も7.8秒、最高速は341km/hと、クラストップレベルだ。

その圧倒的なパフォーマンスを生み出す重要なパートがもうひとつある。マクラーレンを唯一無二の存在とするためのキーポイント。それはフォーミュラ1で培ったマクラーレンのCFRP(炭素繊維強化樹脂)テクノロジーによってもたらされたモノコックボディ構造だ。第2世代スーパーシリーズは、アルティメイトシリーズのP1で初採用された“モノケージII”と呼ばれるCFRPバスタブ構造を進化させて搭載した。これは初代12Cのバスタブ構造“モノセル”を発展させたもので、ルーフ骨格やエンジンルーム上部までをCFRPとする。ドアはもちろん、ディヘドラル式を踏襲した。

ちなみに、スパイダーモデルでは上部構造が取り除かれバスタブ構造に戻ってしまうが、それでも必要な剛性は十分に確保されているというから、いずれにせよこの構造の強靭さがうかがえる話である。マクラーレンはメタルシャシーのロードカーを作ったことがない。マクラーレン F1以降、すべてカーボンモノコックシャシーなのだ。

第2世代となって最も変わったのがスタイリングだろう。モチーフは”グレートホワイトシャーク“、つまりホオジロザメ。まるでパンダのようなフロントマスクは一度見たら忘れられない。アダプティブヘッドライトを埋め込んだ左右のエアベントが最大の特徴だ。また、リアセクションでは左右のテールランプに挟まれて上方排気テールパイプが見えている。12Cから踏襲する哲学=エグゾーストパイプは短く軽く、を継承しているのだ。

インテリアの、シンプルで実にそっけない雰囲気もマクラーレンらしさだと言っていい。レザーやカーボンといったマテリアルの贅沢さはあっても、機能性をあくまでも重視したデザインである。重量を増やすデザインなどハナから拒んでいるのだ。モノコックをえぐるようにしてドアが開き、左右のパッセンジャーが中央寄りに座らされるのも、運動性能を第一に考えて重心をできるだけ車体中央にもっていきたかったからだ。

ドライブフィールもまた、独自のテイストをもつ。12Cは類いまれな運動性能と同時に、スーパーカー界に“乗り心地革命”を起こした。それは第2世代となっても変わらずで、街中での扱いやすさは今なおスーパーカー界の筆頭。強靭なカーボンシャシーが優れたアクティヴサスペンションシステムを支えているためで、一体感を伴って小気味よく動く操舵フィールと相まって、極めてフレンドリーな乗り味を提供してくれる。

もちろん、720Sの最大の魅力がそこにあるというわけじゃない。その高性能を解放しなければ、真の価値は味わえない。パワートレーンとハンドリングのモードをトラックに切り替えるとメーターパネルが収納され、横バーのレブカウンターのみとなってドライバーの視界をよりクリアにする。

右足を踏み込めば、0→100km/h加速3秒以下というスペックがだてではないことを瞬時に悟る。あまりに強烈で、怯むほど。中間加速も素晴らしく、高速道路でのちょっとした追い越しが楽しくて仕方ない。

加速性能とともに、きめ細やかに制御されたアクティブシャシーによるハンドリングもまた今もってこのクラス最高レベルだ。ドライバーの意思に忠実かつ正確な車体の動きは驚異的というべきで、フォーミュラーカーをも想像させる。轟音を伴った加速と沈み込む制動フィールもまた愉悦の至り。一般道ではかなりの自制を伴う。

F8やウラカンとはまるで違うドライブフィールであり、総合パフォーマンスに優れた当代一級のマシンであると言っていい。

文/西川淳、写真/河野敦樹、マクラーレン・オートモーティブ【試乗車 諸元・スペック表】●720S型式ABA-P14S最小回転半径-m駆動方式MR全長×全幅×全高4.54m×2.06m×1.2mドア数2ホイールベース2.67mミッション7AT前トレッド/後トレッド1.67m/1.63mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量1419kgシート列数1最大積載量-kg乗車定員2名車両総重量-kgミッション位置コラム最低地上高0.11mマニュアルモード◯標準色シルバー、ブルーオプション色シリカホワイト、ブレードシルバー、ストームグレー、オニキスブラック、オーロラブルー、マクラーレンオレンジ、アルゴン、メンフィスレッド、クォーツ、ホワイト、パールホワイト、バーボン、ヴォルケーノイエロー、ソーリス、グレイシャー、コスモス、サロス、アゾレス、パパイヤスパーク、パリスブルー、ムリワイホワイト、バートンブルー、アビスブラック、ポラリスブルー、ランタナパープル、フィストラルブルー、セラミックグレイ、モーベインブルー、アメジストブラック、サルトグレイ掲載コメント-型式ABA-P14S駆動方式MRドア数2ミッション7ATAI-SHIFT-4WS-標準色シルバー、ブルーオプション色シリカホワイト、ブレードシルバー、ストームグレー、オニキスブラック、オーロラブルー、マクラーレンオレンジ、アルゴン、メンフィスレッド、クォーツ、ホワイト、パールホワイト、バーボン、ヴォルケーノイエロー、ソーリス、グレイシャー、コスモス、サロス、アゾレス、パパイヤスパーク、パリスブルー、ムリワイホワイト、バートンブルー、アビスブラック、ポラリスブルー、ランタナパープル、フィストラルブルー、セラミックグレイ、モーベインブルー、アメジストブラック、サルトグレイシート列数1乗車定員2名ミッション位置コラムマニュアルモード◯最小回転半径-m全長×全幅×全高4.54m×2.06m×1.2mホイールベース2.67m前トレッド/後トレッド1.67m/1.63m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1419kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高0.11m掲載用コメント-エンジン型式M840T環境対策エンジン-種類V型8気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量72リットル可変気筒装置-燃費(10.15モード)-km/L総排気量3994cc燃費(WLTCモード)-燃費基準達成-最高出力720ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm770(78.5)/5500エンジン型式M840T種類V型8気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量3994cc最高出力720ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm770(78.5)/5500環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量72リットル燃費(10.15モード)-km/L燃費(WLTCモード)-km/L燃費基準達成-

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