躍動感あるスタイリング。走行感覚は安定感が高い
2020年に発表された際に、デイズルークスからデイズが取れて、ルークスというネーミングになりました。これも、少し前まで軽自動車の主役といえばトールワゴンだったものが、スーパーハイトワゴンへと移り変わった証なのかもしれませんね。
【竹岡圭 K&コンパクトカー ヒットの真相】スズキ・ワゴンRスマイル「ほどよい広さと便利なスライドドア」
つまり、あくまでもデイズの背の高いバージョンという位置づけだったものが、ルークスというスーパーハイトワゴンとして、「完全に独立します」と主張を始めたわけです。
そして、時は流れて2023年。同じくNMKVのマネジメントから誕生した、兄弟車種の三菱eKクロススペースはガラリと装いを変えて、デリカミニに生まれ変わり、またルークスもフェイスリフトも含めマイナーチェンジが行われました。
もしかすると兄弟車種が実質上いなくなったことで、より日産色を強めることができたのかもしれません。とくに「日産ならやっぱりコレでしょ~」、といわれるほど人気が高いハイウェイスターは、新時代のVモーショングリルが投入され、さながら小さなミニバンのような雰囲気をかもし出しています……といいたくなるのも、もはやミニバンのようなユーティリティーを持っているといっても過言ではないからなんです。
その代表装備といったら、やはりプロパイロットでしょう。こちらは、CMに見られるような手放しができるプロパイロット2.0ではなく、同一車線内のレーンキープサポートを含むアダプティブクルーズコントロールではありますが、正直なところコレで十分。とくにロングドライブにお出かけするなんていうときは、あるとなしでは疲労度は大違いです。
しかもこれ、直前のクルマのもうひとつ先のクルマの動きも見ているタイプなんですよ。すぐ前のクルマだけを追っていたのでは、制御が唐突になりがちだったりするじゃないですか。こちらはクルマの下のほうから、直前のひとつ先まで見てコントロールしているので、早め早めに制御ができる。結果として全体の動きがスムーズになるんですよね。
軽自動車は排気量や最高出力が制限されているので、いきなりの加速などは難しいですが、この制御は効果絶大。身体的にも気持ち的にもラクなのはうれしいポイントです。
マイナーチェンジで、後部座席の充実が図られたのもニュースのひとつ。快適パックと称して、プラズマクラスター技術搭載リアシーリングファン、パーソナルテーブル、USB ソケット、ロールサンシェード、撥水加工シートなどがハイウェイスターには標準装備となったおかげで、ボディサイズの小ささを生かして、このクルマならどこへでもみんなでお出かけできる、と思ってもらえる工夫がなされています。
そんな軽自動車だからこその強みと、大きなクルマの強みを上手に融合させたのが、ルークスのヒットの真相といえそうです。
ルークス「ヒットの真相」
1)軽スーパーハイトワゴンを小さなミニバンという雰囲気のデザインでまとめた。抜群の広さは旧型から継承。使い勝手も進化
2)高速走行時の疲労軽減を実現する先進の運転支援技術「プロパイロット」を採用したほか、軽自動車の枠を超えた安全装備が充実
3)パーソナルテーブルやUSBソケットなどのアイテムをハイウェイスターシリーズに標準装備して、後部座席の快適性を向上
■主要諸元
グレード=ルークス ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション
価格=216万5900円
全長×全幅×全高=3395×1475×1780mm
ホイールベース=2495mm
トレッド=フロント:1300×リア:1290mm
最低地上高=155mm
車重=1010kg
エンジン=659cc直3DOHCターボ(レギュラー仕様)
型式=BR06-SM21
燃料タンク容量=27リッター
最高出力=47Nm(64ps)/5600rpm
最大トルク=100Nm(10.2kgm)/2400~4000rpm
モーター最高出力 =2kW
モーター最大トルク =40Nm
WLTCモード燃費=19.2km/リッター (市街地/郊外/高速道路:16.7/20.6/19.6)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=165/55R15+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=4.8m
●今回の試乗車はルークスの中で最上級グレードのハイウェイスターGターボ・プロパイロットエディションのFFモデル(216万5900円)。ボディカラーは特別塗装色となるホワイトパール/カンジュクカシス2トーン。メーカーオプションとして、インテリジェントルームミラー(3万8500円)、本革巻きステアリング+ホットプラスパッケージ(4万1800円)、ディーラーオプションとして、ナビレコパック+ETC2.0(31万5050円)などを装備。オプションを含む車両総額は264万8045円となる。
たけおかけい/各種メディアやリアルイベントで、多方面からクルマとカーライフにアプローチ。その一方で官公庁や道路会社等の委員なども務める。レースやラリーにもドライバーとして長年参戦。日本自動車ジャーナリスト協会・副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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みんなのコメント
以前はN-BOXでしたが、乗り換えて満足しています。