スペインを拠点に活動するモンラウ・モータースポーツは、今季2024年よりTCR規定ツーリングカーの欧州域内最高峰、TCRヨーロッパ・シリーズへの参戦を表明。デリバリーが開始される新型『クプラ・レオンVZ TCR』の2台体制を敷き、2022年の同シリーズ王者でもあるフランコ・ジロラミと、元僚友のヴィクトル・ダビドフスキーをラインアップに加える。
また、エストニア出身のルベン・ヴォルトは、引き続きALMモータースポーツとのジョイントでTCRヨーロッパとTCRイタリアの両方に参戦する計画で、こちらもFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRをドライブ。そしてスペインから世界戦の『FIA TCRワールドツアー』挑戦を決めたぺぺ・オリオラ率いる新興ゴート・レーシングチームは、イタリア出身のティーンエイジャーであるマルコ・ブティの起用をアナウンスした。
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前述のとおり2022年のヨーロッパ・チャンピオンに輝き、昨季2023年はTCRイタリアにフル参戦して国内選手権でのタイトルも獲得したジロラミは、その実績を買われるかたちで今季2024年はスペイン発のチームに加入し、ニューモデルの1台を託される。
このVZ TCRは、TCRスペインの開幕前プレシーズンシリーズでエリック・ジェネが走らせたレオン・コンペティションTCRの個体をベースに、今年デリバリーが開始されるアップグレードキットを組み込んだものになる。
兄のネストールと同様に、ジロラミはこれまでのTCRキャリアでホンダ車を中心に活動を続けており、タイトルを獲得したヨーロッパではダビドフスキーとともにコムトゥユー・レーシングのアウディでレースに出場していた。
「2022年に欧州タイトルを獲得し、昨年はイタリアでチャンピオンになった後、このような強力なチャンピオンシップに戻ってくることができて光栄だ」と、まずはシリーズ復帰の喜びを語ったジロラミ。
「チーム・モンラウと同じように、クプラ・レオンVZは僕にとって新しいクルマだが、この新車とチームは強力な組み合わせであり、素晴らしい2024年シーズンを過ごせると確信している」
■ゴート・レーシングは18歳の有望株に大きな期待
そのジロラミと同じくヨーロッパとイタリアの両選手権を追いかけたヴォルトも、引き続きプログラムを継続する予定だ。
「2023年は浮き沈みの多いシーズンだった。僕たちは先代シビック(FK8)から始めたが、新しいFL5型に慣れるまでに時間が掛かったのが本音だ」と、昨季イタリアでは表彰台1回の総合7位も、後半戦を軸に参戦したTCRヨーロッパでは最終戦を含む2勝で総合9位を得ているヴォルト。
「今年はもっと良い成績を収めたいと思っているし、僕の目標はチャンピオンシップでトップ3に入り、願わくば各地で初勝利を挙げて王座を争うことさ」
同じく、そのFL5型シビック・タイプRで5大陸全7戦の新生FIA TCRワールドツアーに挑むゴート・レーシングは、2台のうち1台を18歳の新鋭に委ねることを決めた。
「新たにゴート・レーシングに加入し、TCRワールドツアーにフルタイムで参戦できることにとても興奮している」と、昨季はTCRイタリアで3勝を挙げてランキング4位を獲得したブティ。
すでにイタリアとマカオの両方でTCRワールドツアーを経験し、ともにトップ10フィニッシュを飾っている有望株は「ホンダでのテストは非常にうまくいったし、世界戦での非常に高いレベルの競争のなかでも良い結果を達成できると思っている」と意気込む。
「この機会を与えてくれた父やフェルナンデス・ファミリー、そしてペペ・オリオラや、僕の能力を信じてくれたJASモータースポーツのマッズ・フィッシャーに感謝したい。この新たな挑戦の最初のレースが待ち切れないね!」
チームマネージャーを務めるオリオラも、この若者をすぐにラインナップに迎え入れるプランに「両手を挙げて同意した」と明かす。
「この新しいプロジェクトにマルコを参加させることができてとてもうれしい。我々は彼が最初のテストで示した成熟さとスピードに非常に感銘を受けているし、一緒に成長し、彼が自分たちの能力を世界に示すことができると信じているんだ」と続けたオリオラ。
「マルコはまだ若いが、すでにTCRで充分な経験と実績を持っている。彼がこれまでに示してきた可能性と、僕らが彼に提供できるツールを組み合わせれば、彼が世界の舞台で活躍する準備ができていると確信しているんだ」
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