世界ラリー選手権(WRC)第7戦サファリ・ラリー・ケニアは、トヨタ勢がトップ4を独占し、セバスチャン・オジェが総合優勝。スポット参戦ながら今季3勝目をマークした。
ケニアの大自然の中を駆け抜けるサファリ・ラリー。伝統のラリーは以前よりも日程や距離も短縮されているが、厳しいラリーであることは変わっていない。
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ライバルがトラブルによって脱落したことなどもあって、デイ3の途中から総合トップ4をトヨタのGRヤリス・ラリー1が独占する形に。中でもSS2から総合首位を守るオジェは幾多のトラブルに見舞われながらも、安定した速さを発揮しつづけた。
デイ2でオジェはハイブリッドシステムのトラブルでタイムをロスしながらも、スペアタイヤを2本から1本に減らす攻めの戦略を成功させ、総合2番手につけるカッレ・ロバンペラに対するリードを拡大した。
デイ3は激しい雨の影響により路面がかなりぬかるんでいるセクションがあり、オジェもSS8でタイヤがパンクしホイールから外れるという事態に直面。SS13でもパンクに見舞われたが、なんとか総合首位を保って最終日デイ4を迎えた。
2番手につけるカッレ・ロバンペラを16.7秒リードしていたオジェは、デイ4最初のSS14でリヤゲートごとウイングを失うトラブルに見舞われながらもSSベストタイムをマークする離れ業を見せた。
ロバンペラも猛追し、最終パワーステージSS19を迎えた時点で総合優勝を争う新旧王者のギャップは9.2秒。オジェはその差をSS19で少し吐き出したものの、6.7秒差でロバンペラを下し、今季3勝目をマークした。
トヨタ4台目の勝田貴元は、シェイクダウンでマシンが2回転する横転クラッシュに見舞われながらも、チームの懸命な修復作業により初日の出走に間に合った。
しかしやはり一筋縄ではいかないのがサファリ・ラリー。勝田はSS4でステアリングアームにダメージを負った他、SS7ではラインがワイドになった際にフロントウインドウにヒビが入り、さらにそのステージ終盤に右フロントタイヤがパンク。ボロボロのマシンでなんとかデイ2の走行を終えた。
デイ3では一時エルフィン・エバンスを上回り、最速タイムをマークしたSS12終了時点で総合3番手につけた勝田だったが、豪雨の影響も受け最終的にエバンスから25秒遅れの総合4位となった。
勝田は2位を獲得した2021年、3位となった2022年を上回る結果は出せなかったものの、トヨタのトップ4独占とマニュファクチャラータイトル争いに貢献した。
ヒョンデ勢にはトラブルが続き、唯一生き残ったダニ・ソルドが総合5位でフィニッシュした。
デイ2に勝田と総合4番手争いを繰り広げていたティエリー・ヌービルはサスペンショントラブルでデイリタイア。またサファリ・ラリー初出場ながら速さを見せ、デイ3の時点で総合3番手につけていたエサペッカ・ラッピもプロペラシャフトが破損するトラブルに見舞われ、デイリタイアを喫した。
M-スポーツ・フォードのオット・タナクはパンクや豪雨の影響も受け、総合6位。ピエール-ルイ・ルーベは総合7位だった。
なお上位5台がボーナスポイントが得られるパワーステージSS19では、ヌービルが最速となり5ポイント獲得。タナク、ロバンペラ、オジェ、ラッピまでがボーナスポイントを稼いでいる。
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