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デートといえばクルマ? かつて話題となったデートカー4選

掲載 更新 27
デートといえばクルマ? かつて話題となったデートカー4選

■バブル期のデートカーといえば?定番の人気モデル

 1980年代後半から1990年代初頭のバブル景気が華やかだった頃、クルマを持つことがステータスとされており、若者の間で人気を集めたクルマが「デートカー」と呼ばれていました。当時、世の男性は助手席に乗せる女性を探して、こぞってデートカーを求めていたのです。
 
 現在では死語になりつつあるデートカーですが、バブル期を彩った人気のデートカー3車種と、その後登場した、恋愛仕様車といわれて話題になったモデルをご紹介します。

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●ホンダ「プレリュード」(2代目)

 1978年にデビューしたホンダ「プレリュード」のなかでも、1982年から1987年にかけて販売されていた2代目プレリュードは、デートカーとして人気を集めました。

 リトラクタブルヘッドライトの採用やフロントサスペンションにダブルウイッシュボーン式を取り入れたこと、当時国産車初の4輪アンチロックブレーキシステム搭載車だったなど、メカニカル面での個性が際立つモデルです。

 ボディサイズは、全長4295mm-4375mm×全幅1690mm×全高1295mmと5ナンバーに収まる大きさで、エンジンは1.8リッターエンジンと後に追加された2リッターエンジンが採用されています。トランスミッションはこの時代のスタンダードとして、5速MTと4速ATが用意されました。

 5ナンバーサイズながら、当時では珍しいほど全高は低く、ワイド&ローな外観と繊細で美しいボディがもたらすスポーティな雰囲気が漂うスタイルが、デートカーとして高い人気をもたらしました。

 また、特徴的な機能として、助手席のシートバックを運転席側からも倒せるように助手席のリクライニングのレバーが運転席側にも付いています。

 この機能がカップルの車内でのイチャイチャにも役立ったこともデートカーとして人気となった理由ともいわれています。

●日産「シルビア」(S13型)

 日産「シルビア」は、初代が登場したのは1965年ですが、デートカーとしてとくに人気を集めたのが、1988年から1993年にかけて販売されていたS13型とよばれる5代目です。

 グッドデザイン賞の受賞歴があるなど、同時期に発売されていた3代目プレリュードの強力なライバルとして高い人気を誇りました。また、歴代のシルビアのなかでもっとも売れたモデルとしても知られています。

 ボディサイズは、全長4470mm×全幅1690mm×全高1290mmで、エンジンは発売当初は1.8リッターエンジンを搭載。

 1991年のマイナーチェンジ後は2リッターに拡大されたDOHCの自然吸気エンジンとターボエンジンが用意されています。それに組み合わされるトランスミッションは、5速MTと4速ATから選ぶことができました。

 女性的で繊細なスタイルが外観上の特徴で、流れるようなフォルムや内装のシンプルながら高い質感は、若いカップルからの人気を集めました。

 さらに、FRの駆動方式を採用していることから、デートカーとしてだけでなくスポーツ走行用のクルマとしても人気を博しました。

 最近では、漫画「頭文字D」やドリフト競技の影響もあり、デートカーというよりは、むしろ走り屋仕様の車種としても知られています。

●トヨタ「ソアラ」(初代、2代目)

 トヨタ「ソアラ」は、高級パーソナルクーペというコンセプトのもと開発されたクルマです。1981年から1986年まで販売された初代ソアラと、1986年から1991年まで販売されていた2代目ソアラが、デートカーとして人気を集めました。また、ハイソカーブームの火付け役を担ったモデルとしても有名です。

 ボディサイズは、全長4655mm×全幅1695mm×全高1360mm、2代目ソアラは全長4675mm×全幅1725mm×全高1335mmで、クーペならではの優雅なスタイリングや独創的でスタイリッシュかつ高級感あふれるインテリアが特徴です。

 加えて、デジタルメーターやダブルウイッシュボーン方式のサスペンションなど、当時のトヨタの最新技術が惜しげもなく投入されています。

 搭載エンジンは、世代やグレードによって2リッター/2.8リッター/3リッターと異なるものの、いずれも直列6気筒が採用されており、高回転域までのなめらかな加速を実現しています。

 清潔感と高級感のあるデザインは上質感があり、ステータス性のあるクルマでした。ちなみに、当時はソアラに乗っていると女子大生から「乗せて!」といわれたというエピソードもあり、男女どちらの若者にも人気があったクルマだといえるでしょう。

■恋愛仕様車? カップル向けとして話題になったクルマ

 これまで紹介してきたバブル期の人気モデルとは少し性質が異なりますが、その後もデート御用達のクルマとして話題になったモデルが存在しています。

●ホンダ「S-MX」

 ホンダ「S-MX」は1996年に発売されたトールワゴンです。この車種ならではの特徴から、恋愛仕様車や恋人仕様車などと呼ばれ話題になりました。

 デザインは若者をターゲットとしたものになっており、フロントバンパーまわりやリアの大胆な造形が外観上の特徴です。

 ボディサイズは、全長3950mm×全幅1695mm×全高1735mm-1765mm、エンジンは2リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載。それに組み合わされるトランスミッションは4速AT仕様で、駆動方式はFFと4WDのモデルが用意されています。

 S-MXがデートカーとして話題になった理由は、シートの構造やそのアレンジ、そしてシート周りの機能が持つ特徴にあります。

 前後2列のベンチシートになっているほか、シフトレバーは当時まだ少数派だったコラムシフトを採用しています。

 そして、ハンドブレーキのレバーが運転席側についていたことから、運転席と助手席の間は障害物がなくフラットで、カップルが寄り添ってイチャイチャしやすい構造になっていたのです。

 また、シートをスライドさせシートバックを倒せば、車中泊にも対応できるフルフラットなスペースが現れます。

 枕元にあたるグローブボックスには、市販のボックスティッシュを置くのにぴったりなスペースがあり、あらぬことを想像してしまう人もいるのでは、というほど絶妙なつくりになっていました。

 そのことから、カップル向けの恋愛仕様車などといわれ話題となり、デートカーの仲間入りをしました。なお、S-MXは2002年にはひっそりと販売を終了しています。

※ ※ ※

 デートカーという呼び名のとおり、デートを楽しむクルマとして一世を風靡したクルマを紹介しました。いずれも販売終了から年数が経過していますが、まだ中古車で買えるものも少なくありません。

 2020年代に入った現代では、多様性が追求された結果なのかもしれませんが、デートで使用するクルマもSUVをはじめとしたさまざまなジャンルに及びます。

 いまやデートカーという言葉は死語になりつつありますが、デートカーに乗り、当時にノスタルジックな想いを馳せて、あの頃の気持ちを味わうのも悪くないのではないでしょうか。

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