■「ミライース」の凄さは「戦略的な価格設定」にあり!
新車の価格上昇が続くなか、ダイハツが提供する軽セダン「ミライース」は、多くの人々にとって身近な存在であり続けています。
【画像】超カッコいい! これがイチバン安い「4人乗り軽セダン」です! 画像で見る(30枚以上)
特に最廉価グレード「B “SA III”(以下、ミライース B)」は、メーカー希望小売価格(消費税込み、以下同)99万2200円という、100万円を切る戦略的な価格設定により、「新車を所有する」喜びをより多くの人に届けています。
ミライースのボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1500mm(FF仕様)、ホイールベースは2455mmで、最小回転半径は4.4m。
低い全高で都市部に多いタワーパーキングにもラクラク入庫できるなど、取り回しに優れた一台です。
パワートレインは、最高出力49PS・最大トルク57Nmを発揮する660ccの直列3気筒自然吸気エンジン。CVTと組み合わされ、カタログ燃費は25.0km/L(WLTCモード燃費)を記録します。
なかでも低価格が光るベーシックなミライース Bですが、単に安いというだけではありません。
ダイハツの優れたコスト管理と、ユーザーのニーズを深く理解した設計思想の賜物です。
同社のOEMモデルであるトヨタ「ピクシスエポック」やスバル「プレオプラス」とともに、日本市場で最もアクセスしやすい新車乗用車というポジションを確立しています。
そんなミライースの価値を理解するうえで鍵となるのが、「選択と集中」という考え方です。驚異的な低価格を実現するため、装備は用途に応じて最適化されています。
たとえば、ミライース Bのドアミラーやホイールキャップは機能性重視の簡素な仕様となっており、インテリアもシンプルなマニュアル式エアコンを採用するなど、徹底したコスト効率の追求がなされています。
とりわけこのグレードの性格を象徴するのが、後席の窓です。
あえて開閉機能のない固定式とすることで部品点数を削減し、低価格を実現する一助としています。
これは、1名乗車が中心となるビジネスユースや、個人のセカンドカーとしての利用を想定した、極めて合理的な仕様選択といえるでしょう。
一方で、ミライースは経済性や利便性だけでなく、安全性にも注力しています。
グレード名にも含まれる予防安全機能パッケージ「スマートアシストIII(SA III)」を標準装備し、衝突回避支援ブレーキなどの先進技術が、この価格帯から搭載されている点は大きな魅力です。
加えて、多彩なグレード構成により幅広いユーザーに応える柔軟性を備えています。
最廉価のミライース Bがビジネス用途や単独利用に最適化されている一方で、個人ユーザーのニーズに応じたアップグレードプランも用意されています。
代表例が、わずか3万3000円追加した102万5200円で選べる「L “SA III”(以下、ミライース L)」です。
ミライース Lは後席の窓が開閉可能なパワーウィンドウとなり、ホイールにはデザイン性に優れたフルホイールキャップが装着されます。
この変更により、ミライースはファミリーユースにも対応できる、汎用性の高い一台へと進化します。
このようにミライースは、購入者のライフスタイルや使用目的に合わせて、最適な仕様を「賢く選べる」ように設計されています。
絶対的な価格の安さを重視し、移動手段としての機能に特化するならミライース B、日常の利便性や快適性を求めるならミライース Lという選択になるでしょう。
どちらもカタログ燃費25.0km/L(WLTCモード)という優れた燃費性能を誇り、経済性は共通しています。
このようにミライースは、ただ安いだけのクルマではありません。購入者一人ひとりのニーズを丁寧に汲み取り、最適な選択肢を提供する“賢者の選択”といえる一台です。
A地点からB地点への移動手段と割り切り、コストを徹底的に追求するならミライース Bが最適です。
後席に人を乗せる機会があり、日常的な使いやすさを重視するなら、わずか3万3000円の追加でパワーウィンドウなどが備わるミライース Lの方が、はるかに満足度の高い選択となるでしょう。
※ ※ ※
ところで、唯一のライバル車であるスズキ「アルト」の最廉価グレード「A」は、114万2900円とミライースより15万900円高価です。
ただしこの約15万円の差によって、「万が一の衝突時に乗員を守る6つのエアバッグ」という安全性能の違いがつきます。
アルトは、運転席・助手席SRSエアバッグ、フロントシートSRSサイドエアバッグ(両サイド)、SRSカーテンエアバッグ(両サイド)を、Aを含む全グレードに標準装備します。
いっぽうミライース Bは運転席・助手席SRSエアバッグのみ。
SRSサイドエアバッグを備えるのは最上級グレード「G“SA III”」(132万円)を選ぶしかなく、さらにSRSカーテンエアバッグはそもそも選ぶこともできません。
万が一の衝突時における乗員保護性能を最優先したいならば、安全装備が充実したアルト Aを検討するのも一案です。
自分自身の使い方と価値観を明確にすることで、この圧倒的なコストパフォーマンスを最大限に引き出すことができるでしょう。(佐藤 亨)
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もういいよ