現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > バブルは日本が輝いていた! セルシオ&R32が誕生した「1989年」が凄すぎた伝説とは

ここから本文です

バブルは日本が輝いていた! セルシオ&R32が誕生した「1989年」が凄すぎた伝説とは

掲載 更新 43
バブルは日本が輝いていた! セルシオ&R32が誕生した「1989年」が凄すぎた伝説とは

■自動車界のミラクルイヤー…幕開けは世界でいちばん熱い夏?

 昭和が終わり、平成が始まった1989年は、自動車業界にとっても節目の年となりました。
 
「安くて良いクルマづくり」で販売台数世界一になった日本が「世界が憧れるクルマづくり」へと大きく舵を切ったのです。
 
 そんな1989年に登場したクルマのなかでもいまでも強烈な存在感を示す3台を紹介します。

わずか197台… 幻の「スカイラインGT-R」とは

 1989年はマネーの年でもありました。リクルート事件で大騒ぎとなり、川崎市の竹やぶで1億円の札束が見つかり、ソニーがアメリカのコロンビア映画を買収したバブルの絶頂期です。

 そのような時代に、トヨタが世に送り出した高級車が「セルシオ(海外ではレクサス「LS」)」でした。

 キャッチコピーは「この車から、クルマが変わります」で、横に添えられたのは「世界の高級車として すべての基準を超えるために 450台の試作車 1400人のエンジニア…」という文言でした。

 同じトヨタの「センチュリー」や「クラウン」とは違う世界基準のクルマをつくるため、エンジンやミッションなどを徹底的に磨き上げ「静粛性」という武器で世界を驚かせたのです。

 象徴となった4リッターV型8気筒エンジンは恐ろしくスムーズで「エンジンの上でコインが立つ」という伝説も残したほどです。

 この「静粛性」に加え、最高速度250キロでの安定走行と低燃費を両立したことから、アメリカでは欧州の高級車を下取りに出し、レクサスに乗り換える富裕層が続出したといいます。

 2台目のクルマは、日産「スカイライン GT-R(BNR32型)」(以下、R32)です。

 当時は、スタジオジブリの映画「魔女の宅急便」が公開され、横浜ベイブリッジが開通し、プリンセス・プリンセスの「世界でいちばん熱い夏」が大ヒットした32年前の夏にR32が衝撃のデビューを飾りました。

 スパルタンなエクステリアデザインは、グレーメタリックのボディカラーと相まって、非の打ち所がないカッコよさでした。

「新しい神話が、このクルマからはじまる」というキャッチコピーそのままに、当時の自主規制上限となる280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載。

 R32のポテンシャルを引き出した「ATTESA E-TS(電子制御四輪駆動システム)」と「SUPER HICAS(4輪操舵システム)を採用し、「技術の日産」としてスカイラインGT-Rを復活させたのです。

 その伝説は、国内外のレースシーンで現実となり、圧倒的な強さを誇ったことで「新しいGT-R神話」をつくりあげました。

 これまで、「安い、壊れない、燃費が良い」で勝負してきた日本車が「速い、強い、かっこいい」で世界を制したロングセラーとなり、その後R33、R34、そして現在も販売されるR35へとGT-RのDNAは引き継がれています。

■ロードスターと工藤静香とWinkと…

 3台目は、マツダが誇るユーノス「ロードスター(NA型)」。当時、オープン2シーターのジャンルは絶滅寸前といわれていましたが、このクルマの爆発的ヒットによって、世界中のメーカーが2匹目のドジョウを狙いにいくことになるのです。

 200万円以下で買える手軽さとマツダが提唱する「人馬一体」の如きドライブフィールで人気を博しただけに、都内でも赤や青のロードスターをあちこちで見かけました。

 ドライバーズシートを見ると、渋カジの学生やラルフローレンで決めた社会人がステアリングを握っていたものです。

 ちなみに漏れてくる音楽はたいていユーロビートで、都心を離れるとWinkや工藤静香が多かった気がします。

「軽く、小さく、運転が楽しい」欧州車のお家芸に日本車の持つ「丈夫で安心」という価値が加わり、国内販売月3000台を誇ったロードスターに続けとばかりにBMW「Z3」、ローバー「MGF」、フィアット「バルケッタ」、ポルシェ「ボクスター」などが次々と登場していきました。

 今回、紹介した3台以外にも数多くの名車が誕生したミラクルイヤーとなる1989年は、日本の自動車メーカーがもっとも輝いた時代だったのかもしれません。

 ちなみにこの年の暮れ、三菱地所がアメリカのロックフェラー・センターを買収し、日経平均株価は史上最高値の3万8957円44銭をつけましたが、年明けから株価は下落し、バブル崩壊へと突き進んでいったのでした。

こんな記事も読まれています

“縦目のベンツ” 初代コンパクトシリーズのメルセデス・ベンツW114/115(1968~1976年)
“縦目のベンツ” 初代コンパクトシリーズのメルセデス・ベンツW114/115(1968~1976年)
AutoBild Japan
限定90台 アバルトF595Cにセカンド・エディション発表 右/左ハン各45台でビーツオーディオ装備
限定90台 アバルトF595Cにセカンド・エディション発表 右/左ハン各45台でビーツオーディオ装備
AUTOCAR JAPAN
ラスベガスGPの中止を求める請願書に開催地域の事業者らが署名。F1開催による多額の損失を訴える
ラスベガスGPの中止を求める請願書に開催地域の事業者らが署名。F1開催による多額の損失を訴える
AUTOSPORT web
新型『ラングラー』で若い世代へアピール、ジープの新戦略
新型『ラングラー』で若い世代へアピール、ジープの新戦略
レスポンス
【ホンダ】2024 AMAスーパークロス選手権450ccクラスでジェット・ローレンス選手が初のチャンピオン獲得!
【ホンダ】2024 AMAスーパークロス選手権450ccクラスでジェット・ローレンス選手が初のチャンピオン獲得!
バイクブロス
ヤマハ:クアルタラロ、ロングランのグリップに苦戦「スプリントよりも予選のほうが好調」/第5戦フランスGP
ヤマハ:クアルタラロ、ロングランのグリップに苦戦「スプリントよりも予選のほうが好調」/第5戦フランスGP
AUTOSPORT web
母国戦は転倒リタイア……でも「今年初めて競争力があった!」クアルタラロ、フランスGPの走りに納得
母国戦は転倒リタイア……でも「今年初めて競争力があった!」クアルタラロ、フランスGPの走りに納得
motorsport.com 日本版
やっぱり地獄でした!GWの高速「48km渋滞」地獄の様子が明らかに!? 「分かってるけど仕方ない!」ずらし移動できない人々の「嘆きの声」も多数
やっぱり地獄でした!GWの高速「48km渋滞」地獄の様子が明らかに!? 「分かってるけど仕方ない!」ずらし移動できない人々の「嘆きの声」も多数
くるまのニュース
トヨタが米国で「タコマ」の2024年モデルを公開!最も強力なパワートレインを実現
トヨタが米国で「タコマ」の2024年モデルを公開!最も強力なパワートレインを実現
バイクのニュース
ホンダ:フィーリングの改善を遂行「改善すべき点もいくつか分かった」とマリーニ/第5戦フランスGP スプリント
ホンダ:フィーリングの改善を遂行「改善すべき点もいくつか分かった」とマリーニ/第5戦フランスGP スプリント
AUTOSPORT web
惜しくも1−2フィニッシュならず…運に見放されても実力を見せつけた「WEC第3戦」過去のフェラーリの「スパ・フランコルシャン」の戦績は?
惜しくも1−2フィニッシュならず…運に見放されても実力を見せつけた「WEC第3戦」過去のフェラーリの「スパ・フランコルシャン」の戦績は?
Auto Messe Web
車重600kg以下の軽量ボディを纏ったスパルタンモデルの「セブン340」は必見です! ケータハム出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
車重600kg以下の軽量ボディを纏ったスパルタンモデルの「セブン340」は必見です! ケータハム出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
WEC第3戦、ハーツ・チームJOTAの12号車ポルシェ963が優勝、赤旗中断からの接近戦を制す 【スパ・フランコルシャン6時間決勝】
WEC第3戦、ハーツ・チームJOTAの12号車ポルシェ963が優勝、赤旗中断からの接近戦を制す 【スパ・フランコルシャン6時間決勝】
Webモーターマガジン
大事故&赤旗の原因となったキャデラックに、次戦ル・マンでグリッド降格ペナルティ/WECスパ
大事故&赤旗の原因となったキャデラックに、次戦ル・マンでグリッド降格ペナルティ/WECスパ
AUTOSPORT web
テインからホンダ『オデッセイ・ハイブリッド』用車高調4製品が一挙発売
テインからホンダ『オデッセイ・ハイブリッド』用車高調4製品が一挙発売
レスポンス
【トライアンフ】ファンミーティング「TRIUMPH NATIONAL RALLY 2024」を10/12に長野で開催!
【トライアンフ】ファンミーティング「TRIUMPH NATIONAL RALLY 2024」を10/12に長野で開催!
バイクブロス
【MEISTER.F】スーパースポーツゼビオ3店舗にて特定小型原付区分の電動キックボード販売をスタート!
【MEISTER.F】スーパースポーツゼビオ3店舗にて特定小型原付区分の電動キックボード販売をスタート!
バイクブロス
夏のキャンプに快適な「夏用封筒型シュラフ」が VASTLAND から発売!
夏のキャンプに快適な「夏用封筒型シュラフ」が VASTLAND から発売!
バイクブロス

みんなのコメント

43件
  • 35は高すぎるって言う人いるけど、当時32はセルシオとほぼ同価格
    35はLSとほぼ同価格帯
    普通なこと
    所得の上がらない日本が異常なだけ
  • 901運動のNISSANは、最も勢いに乗っていた頃
    今でも当時の車は十分評価されると思う。
    プリメーラのような高性能ファミリーセダンはもう出ないんでしょうね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

593.3787.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0287.5万円

中古車を検索
セルシオの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

593.3787.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0287.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村