■50ccの原チャリが駆逐されている?
ホンダでは、「原付1種(いわゆる原チャリ)」の出荷台数が約6万9000台だったのに対し、原付2種(50cc超125cc未満)は約7万台。「もはや原付2種がデファクトスタンダードになりつつある」というのです。
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かつては市場の7割を占めていた50?クラスの「原チャリ」を駆逐する勢いで、どうやら125ccクラスのバイク市場が活況を呈しているようなのです。バイク各社は次々と新製品を投入、国内でニッチ商品ともいわれた125?がなぜ今、売れているのでしょう。
大きな理由は、「50cc原チャリ」の急減です。これまで20年間で、業界の出荷台数は62万1000台から13万2000台へと約2割まで減少しています。一方、125ccクラスは10万6000台から10万5000台と横ばいでした。「原チャリ」の販売台数は、すでに2008年に電動アシスト自転車に追い抜かれていますが、125ccクラスに抜かれるのも時間の問題だろうとされています。2輪各社の軸足は、50ccから125ccへと移りつつあるようです。
国内では昨年9月に、欧州基準「ユーロ4」に合わせて、既存モデルに適用される国内の環境規制を導入しました。一酸化炭素などの排出量を従来の半分程度にするよう求める規制で、さらに強化することも議論されています。走行安全性を高めるためにブレーキングの安定性を高めるABSの搭載も義務化されました。
50ccバイクは、たしかに排気量別でまだ販売台数が多いのですが、日本独自の規格でガラパゴス状態にあるとされます。アジア諸国などの主力は125ccで、仮に50ccバイクの商品開発に投資を行なっても、販売減、規制強化というなかで、国内市場向け商品だけの50ccバイクでは、量産効果が期待できず、コストを吸収するのが難しい状況になっているのです。
事実、排ガス規制や安全基準をクリアするには、多額の開発コストが必要です。特に、小排気量車ほど排ガス規制をクリアするのが厳しいとされています。
50ccバイクは、価格の安さで売ってきた側面も大きいのですが、排ガス対策で価格の大幅上昇は避けられません。そして、台数が売れなければ価格の引き下げは難しく、さらに売れなくなるという悪循環に陥っているのです。そのため、1980年代にバイク市場で覇権を競っていたホンダとヤマハが、50ccバイクを協働生産するなどの対策に乗り出しているのです。
ところが、矢野経済研究所の試算によれば、2017年の世界のバイク生産台数5733万台のうち、7割にあたる3986万台が125ccクラス(50cc超~125cc)であり、25年には2割増加の4879万台となる見込みだとされています。メーカー各社は、日本市場でしか売れない商品(50ccの原チャリ)の開発をやめて、成長市場である125ccへシフトしたいというのが本音なのです。
また、125ccバイクの人気が高まっているもうひとつの理由は、「使い勝手の良さ」でしょう。50ccは法定最高速度が時速30kmですが、125ccは60km。また、交差点での2段階右折が不要ですし、免許取得から1年後以降なら2人乗りも可能です。
そして、税金、保険、燃料代などの維持管理費が原チャリ並みに安いことも大きなメリットです。
125ccの軽自動車税は年間2400円で、90cc以下の年間2000円との違いはわずかです。重量税も必要ありません。また、自賠責保険は125ccも50ccと同じ年間7500円、3年間なら1万2340円で、50ccと同額です。125ccは任意保険についても、クルマの任意保険に加入している人であれば、通常の任意保険よりも割安なファミリーバイク特約として加入可能なのです。
※ ※ ※
警察庁は2018年7月、道路交通法施行規則を改正し、普通免許(四輪)所有者によるAT小型限定普通二輪免許(125cc以下のオートマチック車)の技能教習を最短3日から2日に短縮したことで、週末だけで免許取得が可能となり、125ccバイク需要を後押ししています。
さらに、二輪車業界では、自動車普通免許に付帯する二輪免許を原付免許ではなく、AT小型限定免許とすることを要望しています。もしも実現すれば、125ccクラスが一気に普及し、国内だけのガラパゴス商品「50ccの原チャリ」が駆逐される可能性があるでしょう。
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みんなのコメント
原付一種に乗る人はほぼ100%、速度制限違反をしてると思います。
でも、高速道路には乗れないし、所々で不便は感じるが、それでいいんだよね。ちょっと不便くらいが。
気軽だし日常の足として十二分に使える。
全国の旅だって行ける。
そう思ってスーパーカブ110を買った。
なんと東日本大震災当日が納車日だった。