FRを全身で表現するプロポーション
最近のBMWは変わったな、とお感じの読者もいらっしゃるだろう。個性的なスタイリングに、巨大なキドニーグリル。車重がかさむ大柄なクロスオーバーたち。純EVへのシフトも急速に進んでいる。
【画像】FRをキープした2シリーズ・クーペ 718ケイマン、AMG CLA 45Sと写真でも比較 全90枚
そのすべてが備わるのは、iXだろう。BMWではあるが、われわれの知っているBMWではない。M3 コンペティションやM5 CSというスーパーサルーンはあるものの、手が届く価格帯にはない。でも、まだ諦めなくて大丈夫なようだ。
G42型の2シリーズ・クーペが、期待へ応えるように登場した。長めのボンネットを持つプロポーションは、縦置きエンジンの後輪駆動であることを、全身で表現している。クリーンなデザインをまとい、大きすぎないキドニーグリルがくり抜かれている。
ここで簡単に、コンパクトなBMWの近年の流れを振り返ってみよう。それまでフロントエンジン・リアドライブ(FR)だった1シリーズ・ハッチバックが、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)へ切り替わったのが2019年だった。
1年後、2シリーズ・グランクーペがFFで登場。さらに2シリーズ・アクティブツアラーも、FFで投入された。
その頃は、フェラーリやアストン マーティンも愛するFRを、あっさり捨ててしまうのかとも考えられた。FRの2シリーズ・クーペが消えても、驚かないような状況だった。
しかし、BMWは過ちを侵さなかった。全力のM2ではない、少し控えめで小さな2シリーズにはもう乗れないのかと心配していたが、杞憂で終わったらしい。
373psの直6ターボに8速ATで四輪駆動
BMWのM部門は、2022年に50周年を迎える。それを祝うように、M2が年末に控えている。それまでの間は、M240i xドライブが前夜祭のようにわれわれを楽しませてくれる。英国価格は、4万5795ポンド(約732万円)からだ。
2シリーズのクーペでは、それ以外の2シリーズと異なり、4シリーズと同じCLARプラットフォームが基礎に選ばれた。ハードウエアの構成も、より純粋に仕上がっている。
エンジンルームは大きく、373psを発揮する直列6気筒ターボエンジンを縦向きに搭載できる。もちろん、よりコンパクトな4気筒エンジンも。M240i xドライブの場合は四輪駆動が標準で、トランスミッションは8速オートマティックのみとなる。
既にAUTOCARでは、試乗を済ませている。運転が楽しいドライバーズカーとしての素質はそのままに、ジュニア・グランドツアラーとしての能力が高められたと感じた。印象はかなりイイ。
素の状態のM240i xドライブ・クーペには、19インチのホイールへ、ピレリPゼロ・タイヤが巻かれている。Mアダプティブ・サスペンションは500ポンド(約8万円)のオプションで、標準では2モードのMスポーツ・サスペンションが組まれる。
英国仕様の場合、電子制御のMスポーツ・ディファレンシャルと、Mスポーツ・フロントシートが標準装備。サンダーライド・メタリックと呼ばれるパープルが、BMWの推しのカラーだ。
718ケイマンとCLA 45Sで特徴をあぶり出す
ノーマルのM240i xドライブが、相対的にどれだけ素晴らしいのか。それを確かめるために、今回は2台のライバルを用意した。
1台目はポルシェ718ケイマン PDK。水平対向4気筒ターボエンジンと7速デュアルクラッチATを搭載し、英国価格はM240i xドライブに並ぶ。この予算で、このサイズのクーペを買おうと考えるなら、恐らく互いに候補として挙がるモデルに違いない。
もう1台は、メルセデスAMG CLA 45S 4マティック+ クーペ。持ち込んだのはプラス・グレードで、価格は1番高い。V8エンジンを搭載していないAMGとして、過去最も印象的なモデルだといっていい。BMWとは、良い対比になるはず。
舞台はグレートブリテン島の西、スノードニア国立公園。AUTOCARではおなじみの、走りがいのある道が広がるエリアだ。
筆者は夜が開ける前にロンドンを出発し、イエローの718ケイマンで走ってきた。いつもの試乗ルートでM240i xドライブと乗り比べてみると、それぞれの特徴が炙り出されるように見えてくる。
M240i xドライブのインテリアは、感心するほど洗練されている。1クラス上の4シリーズの車内にも通じるデザインが施され、視覚的にも好印象で、製造品質も高い。BMWらしくドライビングポジションもバッチリ。
ボンネットには、パワフルなエンジンが納まることを誇示するように、パワードームが膨らんでいる。快適な運転席からの眺めは、ロマンチックですらある。1日中、M240i xドライブと一緒に走っていたい。
そして、車内は静か。静かすぎるかもしれない。
この続きは中編にて。
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