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【昭和の名車 169】スズキ カルタスは「GT-i」を投入して走りのイメージを強調した

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【昭和の名車 169】スズキ カルタスは「GT-i」を投入して走りのイメージを強調した

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「スズキ カルタス GT-i」だ。

スズキ カルタス 1300GT-i(AA33S型):昭和61年(1986年)6月発売
1983年(昭和58年)に誕生したカルタスは、当時提携関係にあったGMとの共同開発車として話題となったが、初代アルトのパーツを流用するなど徹底したコスト削減も目に付いた。それでもコストパフォーマンスの高さから、販売は順調に推移していく。輸出も、北米市場などでは低燃費・低価格のサブコンパクトとして人気を得た。一方で、リーフリジッドのリアサスペンションがハンドリングのネックとなり、ホットハッチを望むファンからは不満の声も出た。

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1986年、カルタスは大掛かりなマイナーチェンジを受ける。足回りの全面刷新はもちろんだが、最大のトピックは国産初の1.3L DOHCエンジン搭載車「GT-i」の投入だった。スズキは1985年の東京モーターショーに1.3L 直4 DOHC16バルブ EPIエンジンをミッドシップしたコンセプトカー「R/S1」を出展したが、そのエンジンをカルタスに移植したのが、ピュアホットハッチ「GT-i」なのだ。

新開発のG13B型はアルミシリンダーブロックを持ち、ヘッド部にバルブ挟角54度に設定した気筒あたり4バルブと圧縮比10.0を可能にしたペントルーフ燃焼室組み合わせる。バルブ駆動はベルト駆動の2本のカムシャフトによるダイレクトドライブで、バルブとの接点にクラス世界初のHVLA(ハイドロ・バルブ・ラッシュアジャスター)を採用してバルブクリアランスを限りなくゼロに抑え、高回転での追従性を高めている。

また、吸入空気量検出にホットワイヤー式を採用したEPIを組み合わせ、背圧の低い4-2-1排気系の採用などで、1298ccから97ps/11.3kgm(ネット)を搾り出す、文字どおりの高回転・高出力エンジンに仕上げられている。

サスペンションはフロントがストラット、リアはコンパクトFFの世界標準ともいえるトーションビーム式に進化した。ストラットはトランスバースリンクとテンションロッドを兼ねたスタビライザーで位置決めし、バナジウム合金製スプリングとオイルダンパーで衝撃を吸収する。

リアは高張力鋼板製中空スタビライザーを内蔵した、高張力鋼板製トーションビームで左右後輪をつなぎ、前後を左右のトレーリングアームで、左右をラテラルロッドで位置決めする。システム自体の持つしなやかな衝撃吸収と、トーションビームの捻り抵抗と内蔵スタビによる高いロール剛性により快適な乗り心地と優れたロードホールディングを両立させている。

エクステリアはスズキのデザインポリシー、RSC(ラウンド/スムーズ/クリーン)を継承。ピラーの絞込みや接着式前後ウインドーなどFEM解析を徹底して行ったうえ、GT-iにはフロントエアダム/サイドスカート/リアスポイラーを装着することでCd値0.35を達成。揚力係数CLも0.059に抑えてFFコンパクトではトップクラスの高速スタビリティを実現した。

インテリアも、右に6800rpmからレッド表示のタコメーターを配した大型2連メーター、3本スポークスポーツステアリング、小径シフトノブ、フルファブリック張りフルバケットシートなどスポーツ心を刺激するコクピット感覚でまとめられている。

1987年のマイナーチェンジではエンジンの吸排気効率の向上、インジェクターの容量アップにより110psまでパワーアップが図られた。サスペンションもダンパーを低圧ガス封入式にして減衰力を高め、タイヤを65偏平から60偏平14インチにしてアルミホイールを標準装備するなど全体のグレードアップを図り、高速性能、コーナリング性能を一段と向上させている。



スズキ カルタス3ドア1300GT-i 主要諸元
●全長×全幅×全高:3670×1545×1350mm
●ホイールベース:2245mm
●重量:730kg
●エンジン型式・種類:G13B型・直4 DOHC
●排気量:1298cc
●最高出力:97ps/6500rpm(ネット)
●最大トルク:11.3kgm/5500rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:165/65R13
●価格:125万円

[ アルバム : スズキ カルタス1300GT-i はオリジナルサイトでご覧ください ]

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