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レクサスのラグジュアリー・クーペはハイブリッドで差別化を! LC500h試乗記

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レクサスのラグジュアリー・クーペはハイブリッドで差別化を! LC500h試乗記

スポーツクーペが欲しいなら、レクサスにまず乗ってみるべきだ。「RC」と「RC F」、それに今回の「LC」は、いずれもとても魅力的である。スポーツ性と快適性、それにスタイル、クーペを求める人が重視する要素が揃っている。

LCは流麗なシルエットを特徴とする2プラス2のラグジュアリークーペ。2019年11月にはコンバーチブル・モデルの追加も発表された(日本での販売は2020年夏ごろ)。

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【主要諸元(LC500h Lパッケージ)】全長×全幅×全高:4770mm×1920mm×1345mm、ホイールベース2870mm、車両重量2020kg、乗車定員4名、エンジン3456ccV型6気筒DOHC(299ps/6600rpm、356Nm/5100rpm)+モーター(132kW/300Nm)、トランスミッション電気式無段変速機、駆動方式FR、タイヤサイズ:フロント245/40RF21、リア275/35RF21、価格:1377万2407円(OP含まず)。21インチのタイヤはミシュラン社製のランフラットタイプ。全長4770mm、全幅1920mm、全高1345mmのボディを持つ。ポルシェ「911」の最新型と比較すると、全長で251mm長く、全幅で68mm広く、全高で47mm高い。BMW「8シリーズ クーペ」と比較すると、LCは85mm短く、20mm幅広く、5mm高い。

走りにおいてLCは、ほかのライバルモデルに対し独自のキャラクターを確立している。ほかのモデルにはないガソリン・エンジン+モーターのハイブリッド・ユニット搭載モデルを設定しているのだ。

搭載するハイブリッド・システムは、3456ccV型6気筒DOHC(299ps/6600rpm、356Nm/5100rpm)+モーター(132kW/300Nm)。トランスミッションは電気式無段変速機。シフトレバーは小ぶり。個人的には、5.0リッターV型8気筒エンジンを搭載する「LC500」が気に入っているのだけれど、今回あらためて3.5リッターV型6気筒+モーターを組み合わせたハイブリッド仕様の「LC500h」に乗ったら、意外なほどよかった。走りの良さもさることながら、平均10km/Lを越す燃費の良さにも驚いた。

スポーティな走り加速、減速、コーナリングなど、走りのあらゆる領域におけるシャープさが、LC500&LC500hに共通する特徴である。走り出しは、意外なほど操舵力が重いのにやや驚く。

JC08モード燃費は15.8km/L。メーターはフルデジタル。各種情報は日本語で表示される。LC500hは低速域から加速するとき、モーターのみの駆動のフェイズから、356Nmの最大トルクを5500rpmで発生するエンジンが始動するフェイズに移行するとき、やや違和感がある。エンジントルクが、ガツんっと強く出すぎるように感じたのだ。

いっぽう、いちどスピードに乗るとじつに爽快だ。少し強めにアクセルペダルを踏み込んだだけで、はやりの『スターウォーズ』的表現をするなら、“タイムワープ”したような、まさにシャープなダッシュ力を味わえる。

駆動方式はRWD(後輪駆動)のみ。電動調整式のステアリング・ホイールはパドルシフト付き。LC500hは、2018年夏の改良で、マルチステージハイブリッドシステムのチューニングなどによって、ドライバーの運転意図に沿った、より滑らかな加減速を実現したというが、まさにその通り。俊敏な走りである。

とりわけメーターナセルの左がわに設けられているドライブモードセレクターで「S(スポーツ)」あるいは「S+(スポーツプラス)」を選択すると、クルマとドライバーとの一体感が高まって、走らせていて、気分が高揚する。

メーター横にあるドライブモードセレクターはダイヤル式。改良では同時に、ステアリングラックの剛性向上と、ブッシュ特性の見直しでステアリングフィールの向上をはかったという。くわえて新設計のダンパーを採用。はたして、「切り始めに”すっきりと”車体が反応することを狙った」と、以前、開発担当者から聞いたとおりの走りが堪能出来た。

ボンネットは低く、リアはフェンダーが張り出している。ひらたく広い印象を与える造型とした結果、LCは一見すると大型ラグジュアリークーペに見えるかもしれないが、実際の走りは意外なほどスポーティである。

ボディカラーはソニックチタニウム。ドアハンドルは格納タイプ。1500万円に届こうかというクラスだけあって、インテリアはぜいたくだ。シートとダッシュボードには、上質なレザーがたっぷり使われる。ドアの内張りには人工皮革(アルカンターラ)が使われているのが印象的だ。

センタートンネルの高さが抑えられているため、フロントシートに座ると、おもいのほか広々しているのがLCの特徴でもある。ただし、リアシートはあくまでプラス2の広さ。子ども用か近距離移動用と割り切るべし。

インテリアカラーはダークローズ。シート表皮はレザーが標準。調整は電動。リアシートは狭い。短距離移動なら問題ない。ラゲッジルーム容量は172リッター。マークレビンソン リファレンス サラウンド サウンド システムは22万3000円のオプション。ルーフは固定式のガラス製(手動のサンシェード付き)。LC500hの価格は、1377万2407円から。320kW(435ps)の最高出力を誇るメルセデスAMGの「CLS53 4MATIC+」は1323万円。235kW(325ps)の最高出力を誇る3.0リッター直列6気筒ディーゼルターボ搭載のBMW「840d xDrive クーペ」は1260万円。

LC500hの価格は、ライバルにくらべ決して安いわけではないが、メルセデス・ベンツやBMWに劣らない個性がある。とくにハイブリッドである点は、大きなアドバンテージだ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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