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【打倒巨人は叶うのか】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI x BMW 128ti x ホンダ・シビック・タイプR 中編

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【打倒巨人は叶うのか】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI x BMW 128ti x ホンダ・シビック・タイプR 中編

目指す方向性を突き詰めたクラブスポーツ

執筆:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】FFホットハッチ比較 シビック・タイプR BMW 128ti ゴルフGTI クラブスポーツ45 全112枚

撮影:Luc Lacey(リュク・レーシー)

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


スーパー・ホットハッチの四輪駆動、BMW M135iとは異なり、スペック最優先ではなく、訴求力のある操縦性に焦点が向けられたのが前輪駆動の128ti。ボディの剛性バランスを見直し、1シリーズのMスポーツより10mm低いスプリングが組んである。

ステアリングの特性も見直され、レスポンスを速めつつ、調整マージンを広げてある。より、BMWらしさを高めたといっても良い。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIは、記念モデルのクラブスポーツ45。8代目への進化に当たり、フォルクスワーゲンはゴルフGTIを、走りへの妥協のないモデルへ仕立てた。スプリングレートを高め、ステアリングのダイレクトさを強めている。

しかし、あえて一歩引いた絶妙なバランスこそGTIの強みだった。最新のゴルフGTIへは、しなやかさや流暢さといった褒め言葉が当てはまらなくなっていた。

そんな8代目ゴルフGTIの登場から半年後、クラブスポーツが登場。基本路線は変わらないものの、目指す方向性をしっかり突き詰めている。

コントロールアーム・マウントは新しくなり、サスペンション・スプリングは10mm短縮。フロントタイヤのネガティブ・キャンバーが強められ、ゴルフR用の強力なブレーキが組まれた。フロントアクスルのロック機構も見直された。

さらにクラブスポーツの45では、アクラポビッチ社製のチタン・エグゾーストに、19インチのスコッツデール・ホイール、専用ステッカーが貼られ、ゴルフGTIの誕生45周年を全身で祝っている。充分な特別感がある。

そのぶん、金額は安くない。英国価格は4万130ポンド(618万円)だ。

100mで理解できる新シャシーのメリット

ゴルフGTI クラブスポーツ45に乗ると、新しいシャシーのメリットを初めの100mで理解できる。ステアリングの応答性が鋭くなり、乗り心地は標準のGTIと同等ながら、程よいタイトさを身に着けている。

オプションのDCC(ダイナミック・シャシー・コントロール)ダンパーが装備され、減衰力は15段階に調整できる。正直、少し細かすぎるけれど。

今回の試乗では、コンフォートの標準設定から2段階引き締めることにした。現実的な速度域で、郊外の道での姿勢制御と乗り心地に、最良のブレンドが得られるためだ。

チタン製エグゾーストは見た目がカッコイイが、サウンドは5%ほど活気が増す程度。まだ人工的な印象が強いものの、車内に響く音響は気持ちをアゲてくれる。

起伏に富んだカーブの続く道を、ゴルフGTI クラブスポーツ45で走る。長距離ドライブを短時間に感じさせる洗練性と上質なインテリア、中回転域でのたくましさを兼ね備えた、バランスに優れるホットハッチだと実感する。

フロントアクスルが有り余るグリッ力を生成するのに加え、ステアリングがドライバーへ一層の自信を与えてくれる。GTI クラブスポーツ45なら、より正確に、積極的にコーナーへ飛び込める。リアアスクルの安定性も一因だろう。

ステアリングラックのレシオ設定も秀逸。アクセルペダルを雑に操作したり、路面が危険なほど荒れていても、操舵感にはほとんど影響がない。GTI クラブスポーツ45を飛ばすほど、美しくまとまった訴求力が見えてくる。

クラブスポーツと大きく異る走りの印象

さらに40.8kg-mの最大トルクの発生域が広く、DSGはとても滑らか。どっしりと、落ち着いた空気感も漂わせる。この印象は、伝統的なゴルフGTIにも通じている。それでいてドライバーが望めば、手強いホットハッチの側面も体験できる。

続いてBMW 128tiへ乗り換える。専用のレザーシートがレイアウトされ、GTIより着座位置が低くサポート性で勝る。ダッシュボードの見切りが高く、クルマの深い位置に座っている感覚が強い。

腕を伸ばしステアリングホイールを握り、そのまま目を閉じると、1サイズ大きいクーペに座っているような気分になる。MQBプラットフォームをベースとするゴルフは、あくまでもハッチバック・ライクだった。

BMWがiドライブと呼ぶインフォテインメント・システムは、使いやすさでトップクラス。メニュー構造は理解しやすく、スイッチ類なども直感的。ロータリー・コントローラーが、一番の鍵だ。

128tiの見た目は、通常の1シリーズと目立った違いを感じられない。しかし、シートに座ると専用モデルとして仕立てられた印象が大きくなる。普通のバージョン違いとは、明らかに異なる。

走行中の印象も1シリーズとは違う。もちろん、同じドイツ生まれのFFホットハッチでありながら、GTI クラブスポーツ45とも大きく異る。

BMWは、フォルクスワーゲンほど軽快でも機敏でもない。その理由の1つは35ps低い最高出力にあるが、大部分はステアリングのレスポンスが生んでいる。128tiは、切り始めで緩慢に感じる領域があるのだ。

この続きは後編にて。

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