太陽のまぶしい光は想像以上に自動車事故を増加させている
早朝や夕方にドライブすると、太陽光が直接目に入って、まぶしさで前が見えなくなる「眩惑(げんわく)」に悩まされることがありますよね。ボッシュが調べた北米のとある調査によれば、太陽のまぶしさに起因する事故は年間数千件、通常の運転条件より16%も多く発生しているんだとか。
そんなときはサンバイザーを調整したり、サングラスをかけたり、直視しないように視線を外したりするわけですが、先のデータが示すように危なっかしい運転環境なのは間違いありません。
AIカメラと液晶パネルでピンポイントに直射光を減光
この眩惑は自動ブレーキなどの先進技術が出てきた現代でも対処が難しいのでは…などと一部で言われていたわけですが、液晶パネルを使った従来よりずっと眩惑されにくいサンバイザーを、ボッシュがCESで初公開したというニュースが入ってきました。
「バーチャルバイザー」と名付けられたこの技術は、透明な液晶パネルと顔検出機能付きのカメラやソフトウエアで構成されています。パネルはサンバイザーと同じように設置され、カメラが捉えたドライバーの顔の影をAIが追跡することで、太陽とドライバーの目を結ぶ直射光部分のみの透過率を下げる(暗くする)というもの。
なるほどこれなら、バイザーを自分で調節する必要もないから前方に集中できるし、手で動かすよりずっと細かくコントロールできそう。太陽以外の部分は透明なままなので、従来のバイザーのように視界の一部まで遮られしまうというデメリットも抑えられます。
技術次第では対向車のハイビーム対策や、サングラスやヘルメット、もしかしたらクルマのフロントガラスなどにも展開できそうですね。
CES 2020ではこのバーチャルバイザーがイノベーションアワードを獲得したとのこと。実用化に期待がかかります。
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