メダリストよりもさらにプレミアム
text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)
【画像】プリウスも射程圏内【ノート・オーラをプリウス/ノートと比較】 全184枚
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
ノートの上級発展モデルとして企画されたのがノート・オーラだ。
先代ノートにもプレミアム感を高めた仕様としてメダリストが設定されていたが、これはグレード展開の範疇。
一方、オーラは車体骨格やパワートレインなどの基本ハードをノートと共用するものの、ワイドフェンダーなどにより3ナンバーボディ化とし、あわせて室内トリムや加飾、シート表皮などを専用とした。
とくに目を惹くのは外観である。
前後の造形には先に発表されたアリアの流れを汲んだデザインを採用。
日産の先進性とプレミアムの象徴として誕生したアリアのイメージを投影したのはeパワー車のリーダーたるポジションを印象付けている。
母型となるノートもコンパクトカーではプレミアム志向が強いモデルだが、先代eパワー車の車格を引き継ぐ、いわばノートらしさとの兼ね合いを取った設計あるいは設定だったが、オーラはノートの頸木を解いて上級発展したモデルと考えると理解しやすいだろう。
エクステリア アリアのイメージ踏襲
全幅をノートから40mm拡大して1735mmとしているが、片側20mmの拡大代を肉眼で捉えるのは難しい。
フロントフェンダー周りの張り出しが多少目立つ感じはするが、ノートと基本造形が同じなので大差なくも思える。
オーラの外観面での特徴はフロントマスクとタイヤ/ホイールである。
フロントマスクはノート同様に日産のファミリーフェイスとなるVモーションを基本にしているが、より鋭くなったランプグラフィックやエッジ処理、抑えの利いたメッキ加飾などによりダイナミックでありながらシックな趣を備えている。
また、フロントマスクのキーとなる造形は先に登場したEVのプレミアムSUV、アリアのイメージを踏襲したものであり、それも先進とプレミアムな印象を強調している。
装着タイヤは全車とも205/50 R17を採用。これにより前後トレッド及び最小回転半径が拡大。タイヤ直径の拡大は15mmでしかないが、2インチアップのホイールで足元の印象も大きく変わった。
インテリア 芸が細かい
インテリアの基本造形はノートと共通しているが、メーターパネルや加飾、シート表皮を専用とすることでプレミアム感の向上を図っている。
まず目につくのが助手席前インパネやセンターコンソールに施された木目調加飾だ。
単なるプリントではなく、木目を立体的に再現。微小な溝を木目柄と一致させるなど中々芸が細かい。
シート表皮はG(ベース仕様)に良質なカジュアル感をもたらすツイード、上級設定のGレザーエディションにはベースと表皮の間に30mmのワディング(裏打ち材)とウレタンを挟み込み着座感の向上を図った本革三層構造シートを採用。
同本革シートはスカイラインやシーマにも採用され、オーラの車格を超えたアイテムの1つでもある。
メーターパネルはコンパクトクラスで最大級の12.3インチTFT液晶パネルを採用。
7インチ+5インチパネルのノートでは表示できなかった詳細な地図表示や鮮やかなグラフィックが特徴であり、オプション設定の9インチセンターディスプレイと連続感を持たせグラスコックピット感を演出している。
遮音対策強化 タイヤの上級化
車体フレーム、およびサスペンションはノートと共通。
というよりも3ナンバー化のための外板の一部を除けばノートそのものといってもいいが、遮音対策の強化とタイヤのグレードアップがオーラのシャシー面の特徴となる。
フロントフェンダー内に遮音材として発泡スチロールを挿入するなど、ノート自体がコンパクトカーとしては異例といえる程の騒音対策が施されているが、オーラではルーフへの遮音材付加とフロントサイドウインドウへのあわせガラスを採用されている。
風切り音などの車外騒音も含めて総合的な静粛性の向上が図られた。
サスペンションは前ストラット/後トーションビームを採用。FF車では標準的なタイプであり、4WD車のリアサスはデフを車体に固定したド・ディオン式を捉えてもいいだろう。
なお、ノートに対しては前後トレッド、最低地上高が拡大しているが、装着タイヤサイズを考慮するなら、サス本体はノートと共通とみるべきだろう。
パワートレイン 加速性能改善
パワートレインには1.2Lの3気筒エンジンを発電機として用い、駆動力のすべてを電動モーターで賄うシリーズ式ハイブリッドを採用する。
駆動モーターへの電力供給はエンジン(発電機)とHV用バッテリーからおこなう。HV用バッテリーの充電はエンジンと回生発電による。
4WDの後輪駆動は前輪とは独立した電動駆動を採用。
前輪駆動用よりはパワーダウンしているものの最高出力はRAV4 e-Fourの後輪駆動用モーターを10kW上回る50kWとし、幅広い負荷領域で前後の駆動力配分を制御できるのが特徴だ。
これらのハードウェアの構成はノートと共通しているが、制御プログラムの変更により前輪駆動用モーターの最高出力を約18%、最大トルクを約7%増加。車重増は3%弱なので動力性能の向上、とくに高速加速性能に期待できる改善である。
HVでは珍しくブレーキシステムは油圧式を用いるが、回生充電効率向上のためエンブレ回生を強化した走行モード設定もノート同様である。
目玉のプロパイロット/音響
機能装備の品揃えはBOSEのオーディオシステムを採用する以外はほぼノートと同じだ。
ただし、ノートではS以上にオプション設定となるインテリジェントルームミラーとAVMは全車標準装着になるなど、標準状態での装備は充実している。
また、日産車のセールスポイントの1つであるプロパイロットはナビ/BOSEオーディオ/ニッサンコネクトなどとのセットオプション設定である。
目玉装備のBOSEオーディオは機能面でも特徴的だ。
前席のヘッドレスト内左右にスピーカーを内蔵し、前席限定ながらリスニングポジションに拘わらず最適化された音を実現。
隣のヘッドレストからの音漏れを逆位相音で消すという凝った設計だ。
また、生成した反響音により音場環境を簡単に変更できるのも特徴。前席と後席の格差が気になるところだが、後席でもBOSEらしさを味わえるようにチューニングしているとのこと。
オーラを選ぶ価値を高める装備の1つといえよう
ノートとの価格差は? ライバルはプリウス
さすがにプロパイロット2は無理としても、プロパイロットの標準化や前後ツインモーターを利したパワーアップを期待していたのだが、意外と理性的というか現実的なまとまりである。
装備ベースでノートと比較すると価格差はおよそ30万円。
先代の標準系とメダリスト系の価格差が16万円くらいだが、3ナンバーの専用ワイドボディや静粛性と出力の向上などの設計変更を考えれば30万円は割安といってもいい。
もっとも、セットオプションの縛りがあるので購入価格でみれば価格差は広がるが、手頃な車体サイズでプレミアムを求めるユーザーには現実的といえる。
価格レンジからのコンペティターにはプリウスが挙げられるが、静粛性や走りの質感、中でも4WD車にはけっこうなアドバンテージが見込める。
車体サイズと走りのプレミアム感でコスパを量るなら最良の一車といってもいいだろう。
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