この記事をまとめると
■話題になったクルマは認知度が高い傾向にある
SUBARU レヴォーグ レイバックの販売が絶好調! やっぱりステーションワゴンは消えちゃならん!!
■注目度に反して街なかで見かけない理由は登録台数が少ないという単純なもの
■人気のSUVというカテゴリーでも苦戦しているモデルは多い
話題になってるクルマを街で見かけない理由
「街なかであまり見かけないクルマ」にはふたつのパターンがある。まずは実際に売れていない車種と、相応に走っているのに目立たず印象に残りにくいクルマだ。
これらの内、発売時点で話題になったのにあまり売れず、街なかでも見かけない車種がある。このパターンは、話題になって認知度も高いから「全然見ないよねぇ」という話になりやすい。
この「全然見ないよねぇ」の代表は、価格が500万円を超える高性能スポーツカーだろう。流行からはずれたカテゴリーでもあり、最近の1カ月平均登録台数を見ると、GRスープラが約170台、フェアレディZは約300台だ。この内、フェアレディZは受注を停止させている。毎月約300台の登録台数は、以前受注した車両になる。シエンタなどは1カ月に約1万台を登録しているから、スポーツカーは圧倒的に少ない。
GRスープラも、発売時点で話題になったからもう少し売れてよさそうなものだ。それでも従来型の販売終了が2002年ごろで、現行型の復活は2019年だから、空白期間が長く忘れ去られていた。外観は全長のわりにホイールベース(前輪と後輪の間隔)が短く、運転感覚は機敏だが、デザインはクラシックで好みがわかれる。価格も高く、3リッターターボを搭載する主力のRZは700万円を超える。その結果、販売不振に陥った。
電気自動車も売れていない。bZ4Xは最近の1カ月平均登録台数が約100台、アリアも200台を少し超える程度だ。日本では総世帯数の40%以上が集合住宅に住み、自宅に充電設備を設置しにくい。都市部では、集合住宅の比率が70~80%に達する。
そうなると、自宅に充電設備を設置できるのは、郊外の一戸建てに住むユーザーで、複数の車両を所有する世帯も多い。所有する複数の車両の内、小さなセカンドカーを電気自動車に変更すると合理的だ。街なかの移動が中心だから、長距離を移動する必要はなく、大型の駆動用電池も必要ない。
その結果、電気自動車でも、軽自動車サイズのサクラは1カ月平均で約1700台が届け出されている。2023年の1カ月平均は3000台を超えていた。日本で電気自動車を普及させるなら、サクラのような軽自動車サイズに力を入れるのが1番の早道だ。
SUVだからといって売れるとは限らない
いまはカテゴリー別に見るとSUVの人気が高い。カローラクロスは1カ月平均で7000台近くを登録する。その一方で、街なかで見かけないSUVもあり、エクストレイルの最近の1カ月平均登録台数は約2200台、CX-60は590台、エクリプスクロスは約560台、MX-30は100台を下まわる。
エクストレイルはSUVの人気車で、このカテゴリーのベストセラーになったこともある。それが現行型で下がり気味なのは、パワーユニットをe-POWERに絞り、4WDのe-4ORCEになると売れ筋価格帯が400万円を超えるからだ。ミドルサイズのSUVでこの価格は高い。価格の割高感まで考慮すると、販売は堅調ともいえるだろう。
CX-60は直列6気筒3.3リッタークリーンディーゼルターボを縦向きに搭載する後輪駆動のレイアウトに特徴がある。後輪駆動だからボンネットが長く外観もスマートに見える半面、全長の割に室内は狭くCX-5と同程度だ。つまり、後輪駆動によるスポーティな外観と運転感覚に、CX-5とは違う高い価値を見い出せないと選びにくい。乗り心地の硬さやトルクコンバーターを使わないATの変速ショックも話題になり、イメージを下げた。
MX-30は「従来の魂動デザインのマツダ車に魅力を感じないユーザーを振り向かせたい」という狙いで開発をスタートさせた。つまり、日産キューブのようなリラックスできるクルマのイメージで、コルクを使った明るい内装などを採用している。それなのにマツダによると「紆余曲折があり」、観音開きのドアを備えた魅力のわかりにくいクルマになってしまった。
以上のようにSUVでも販売が好調とは限らない。
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