日産GT-Rの2022年モデルに設定された限定モデル「プレミアム・エディションTスペック」に小川フミオが試乗した。抽選販売に大量の申し込み殺到したため、超高倍率になった希少な限定GT-Rとは?
Tスペック専用の内外装
日本製スポーツカーといえば、昨今ではトヨタの「GR86」とスバル「BRZ」が話題をよんでいる。あちらがスポーツモデルの底辺を拡げてくれるモデルとしたら、頂点に君臨するのが日産「GT-R」だ。2007年デビューいらい熟成を重ねてきており、今年9月に発表された「GT-Rプレミアム・エディションTスペック」も、感激的な出来映えだ。
GT-Rプレミアム・エディションTスペック(以下「Tスペック」)は、419kW(570ps)の最高出力と637Nmの最大トルクをもつ3799ccV型6気筒を搭載。エンジンのスペックス(馬力とトルク)は、GT-Rシリーズすべてに共通のものだ。
いっぽう専用装備として、バネ下(ブレーキ、タイヤ、ホイール等)の質量の低減を目指したレイズ製アルミニウム鍛造ホイールと、Tスペックのためにセッティングされたサスペンションシステム、カーボンセラミックブレーキを持つ。
さらに、ホイールリム幅を拡大してタイヤを高剛性化し、軽快でスムーズなハンドリングを実現している、とはメーカーによる説明である。加えて、内装もTスペック専用となる。
はたして、すばらしい乗り味だ。1年に一度はGT-Rのなんらかのモデルに乗る機会があるので、そのたびに、GT-Rの健在ぶりに感心する。Tスペックも同様だ。
何度乗っても素晴らしい走り
Tスペック専用のグリーンとグレイとが複雑に混ざったようなカラーのハイバックシートに身をおちつけ、太めのグリップの小径ステアリングホイールを握る。これが最初のアクション。
ガングリップタイプのシフターをDポジションに入れて、アクセルペダルを軽く踏むと、ツインクラッチのギアボックスがギアを1速に入れる音とともに、クルマがダッシュすべく構えるような気配をみせる。このときのワクワクするかんじは、すばらしい。
アクセルペダルを踏み込むと、Tスペックは即座に加速に移る。GT-Rがいいのは、セットアップスイッチでドライブモードをコントロールできること。通常モードの「ノーマル」、雪上など摩擦係数の低い路面での「セーブ」、そしてサーキットで本領発揮の「R」モードが選べる。
セットアップスイッチで操作できるのは、トランスミッション、ダンパー、それにVDC-R。VDCとはビークルダイナミクスコントロールの略で、ドライバーの運転操作や車速を検知して、ブレーキやエンジン出力の制御を行う機構。GT-R独自のVDC-Rは4WDシステムの駆動力配分もおこなう。
セットアップスイッチで、クルマのキャラクターはおもしろいように変わる。快適志向のグランドツアラーとして長距離ドライブをしたいなら、トランスミッション制御はノーマルにして、ダンパーはコンフォートモードがいい。
ワインディングロードなどでは、ダンパーを「R」モードにすると、全体的にしゃきっとしたかんじになり、コーナーの大きさに関係なく、かなり楽しい。
VDC-Rをオンにすると(つまりすべて「R」モードにすると)クルマの挙動があまりに素早くて、車体のサイズが、ドライバーの大きさにまで縮んだような印象すら受ける。
重いものを可能なかぎりドライバーに近いところに配して、ニュートラルな操縦性を追求したのは、初期からの開発思想。VDC-Rオンの状態で走ると、そのため、あまりに挙動がすばやいので、一般道では緊張感すらおぼえる。
次の購入機会があるのを祈る!
ブレーキは強力でありつつ、踏んだときの効きは繊細。このクルマを走らせていると、サーキットで走らせたい、とウズウズしてくる。そのいっぽうで、BOSEのオーディオを大音量で鳴らして、エンリコ・ラバのトランペットを聴きながらのドライブも楽しめる。
むかしは、日曜日にはサーキット走行を楽しめるクルマを“サンデーレーサー”と呼んだりした。その言葉をひさしぶりに思い出した。
エンジンのパワーを後輪に伝えるプロペラシャフトといった駆動系による振動を可能なかぎり抑えた設計といい、空力ボディといい、結局、デイリーユースにもサーキット走行にもメリットをもたらしてくれているのだ。
セットアップによって、3つのキャラクターが1台のなかに入っている。これはお買い得といえる。乗っていると、気分が若返ってくる。これもGT-Rのおおいなる魅力だ。
Tスペックの価格は1590万4900円。GT-Rシリーズは「Pure Edition」(1082万8400円)にはじまり、「Black Edition」(1277万2100円)、「Premium Edition」(1232万9900円)など展開が幅広い。
なかでもNISMO仕様と並んでこだわりパーツの多いTスペックは存在感がある。しかし、抽選販売のみだったうえにかなり高倍率だったという。次があることを祈ろうではないか。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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