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飽くなきモータースポーツへの情熱を抱き続ける“コーナリングマシン”

掲載 更新 3
飽くなきモータースポーツへの情熱を抱き続ける“コーナリングマシン”

モータースポーツに注力する大衆車メーカーの筆頭がルノー。そこで培われた技術を活かし、量産FF車最速記録を幾度となく更新するハイパフォーマンスモデルがメガーヌ ルノースポールだ。マイナーチェンジを受け、さらにマニア心をくすぐる仕立てとされた新型に試乗。“究極のコーナリングマシン”の実力を体感した。

「究極のコーナリングマシン」がさらに進化

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プレミアムではなく大衆車メーカーで、もっともモータースポーツに熱を入れているブランドを挙げろといわれれば、まずルノーが思い浮かぶ。モータースポーツ部門であるルノースポールは1970年代から40年以上にわたってF1に参戦し続けており、その一方で、そこで培った技術を市販車へとフィードバックし高性能モデルを開発してきた。

Cセグメントのハッチバックカー、メガーヌをベースにルノー・スポールが仕立てたハイパフォーマンスモデルが「メガーヌ ルノースポール(R.S.)」だ。2008年に当時のメガーヌR.S.をベースとしたR26.Rがニュルブルクリンク北コースで量産FF車最速の8分16秒9を記録。以後、ホンダシビックタイプRやVWゴルフGTIからの挑戦をうけながら、幾度となく記録を更新。2019年にはメガーヌR.S.トロフィーRが当時の最速記録となる7分40秒100を記録している。

現行型である3代目メガーヌR.S.が日本でデビューしたのは、2018年のこと。このたび登場から3年を経てマイナーチェンジが実施された。今回の試乗車はベースモデルであるメガーヌR.S.だった。

エクステリアデザインは、大きく張り出したフェンダーなど、とてもCセグメントのハッチバックとは思えないほどグラマラスだ。全幅は1875mmで、トレッドはフロント1620mm、リア1600mmと、数字だけをみればひとクラス上のディメンジョンだ。そしてフロントとリアのLEDランプのデザインを変更。フロント中央のルノーのロゴマーク下には、小さなR.S.のロゴが追加された。リアは流れるように点滅するシーケンシャルウインカーになり、ルーフにはシャークフィンアンテナが備わった。

インテリアでは、インフォテインメントシステムが7インチのマルチメディアEASY LINKにアップデイト。エアコンのコントロールがダイアル式に変更された。センターコンソールにはオートホールド機能のボタンが、そして後席用にUSBが2個口追加されている。また、歩行者検知式のエマージェンシーブレーキやアダプティブクルーズコントロール、レーンデパーチャーウォーニング、制限速度などの交通標識認識機能といったADAS(先進運転支援システム)が備わった。

最大の改良点は1.8リッター直4ターボエンジンの最高出力が従来の279psからメガーヌR.S.トロフィーと同じ300psに引き上げられたこと。最大トルクは420Nmを発揮し、6速DCTを組みあわせる。マニュアルトランスミッションが欲しい人向けには、トロフィーというスポーツグレードが用意されている。

ラリーで培った独自技術でFFとは思えぬ走りに

スターターボタンを押すと、エンジンは獰猛な音をたてて目覚める。このマイナーチェンジでアクティブバルブ付きのスポーツエキゾーストが装備されており、バルブの開閉によって、排気音量の切り替えが可能だ。

アルカンターラ素材が使われたスポーツシートは、サイドサポートやランバーサポートが大きく張り出したタイプだが見た目以上にソフトで、包み込むように体をサポートしてくれるの。ステアリング表皮にも同じくアルカンターラが用いられている。

ルノー・スポールの走ることへのこだわりは半端ではなく、ベースモデルには街乗りからスポーツ走行までバランス良くセッティングした「シャシースポール」を、そしてトロフィーには、スプリングレートを高め、よりスポーツ性能を向上させた「シャシーカップ」を採用する。カタログにはスプリングレートと固有振動数、さらにはスタビライザーの硬さやロールレートまで表記されており、徹底してマニア心をくすぐる。

さらに低速走行時には後輪を逆位相に操舵して回転半径を小さくし、60km/hを超えると同位相となり安定性を高めるいわゆる4輪操舵の「4コントロール」や、ダンパーの中にセカンダリーダンパーを備え、さまざまな路面への追従性を向上しグリップ限界を高めるとともに、快適な乗り心地にも寄与する「4輪ハイドロリック・コンプレッション・コントロール(4HCC)」、そして常にタイヤの中心に荷重をかけ正確なステアリング操作を可能にする「ダブルアクシスストラットサスペンション(DASS)」など、ラリーで培った独自技術を満載する。

タイトコーナーでは、クイックに頭の向きをかえ、高速コーナーでは抜群のスタビリティ性能をみせる。そして、ドライブモード変更可能な“ルノー・マルチセンス”を「セーブ」や「スポーツ」から「レース」に切り替えると、一気にエキゾーストノートが高まり、4コントロールは俊敏性を重視し、ESC(横滑り防止装置)はオフになる。公道では試せないが、リアのスライドを許容する仕様で、とてもFFとは思えない走りを楽しめる。

おそらく“最後の”メガーヌR.S.

実は、今年からルノーのF1チームがアルピーヌへと改名したことからもわかるように、市販車事業も、ルノー・スポール・カーズがアルピーヌ・カーズへと改称されており、今後ルノースポールはアルピーヌブランドへと統合されていくことになるようだ。したがって、おそらくこのモデルが最後のメガーヌR.S.ということになるはずだ。

しかし、464万円という車両価格は驚くべきコストパフォーマンスだと思う。たとえ名称が変わっても、ルノーはF1もメガーヌも継続している。一方でライバルであるはずのホンダは、今年でF1をやめ、英国でのシビックタイプRの生産も終了する。もちろん電動化は大切な課題のひとつだけれど、ルノーが抱き続けている飽くなきモータースポーツへの情熱を、応援せずにはいられないのだ。

文・藤野太一 写真・柳田由人 編集・iconic

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みんなのコメント

3件
  • ルノーメガーヌがコーナリングマシンだなんて?
    そのコーナーを路面からの破綻も感じなく抜けられるスピードは、メガーヌの場合は徐行スピードでしかあり得ないと思うが何故、ルノーメガーヌがコーナリングマシンと位置付けをしたがるのか判らない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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