現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 最高の普段使いスポーツカー ポルシェ・ケイマン(981型/2代目) 英国版中古車ガイド

ここから本文です

最高の普段使いスポーツカー ポルシェ・ケイマン(981型/2代目) 英国版中古車ガイド

掲載 4
最高の普段使いスポーツカー ポルシェ・ケイマン(981型/2代目) 英国版中古車ガイド

普段使いできる最高のスポーツカー

現代のポルシェが生み出す、最高の普段使いスポーツカーはケイマンだと思う。賛否あることは理解している。それでも、小さなボディに不足ない魅力が詰まっていることは間違いない。

【画像】最高の普段使いスポーツカー ポルシェ・ケイマン 同時期のボクスター 現行モデルも 全109枚

ケイマンは、リアエンジン・スポーツカーを連綿と作り続けてきたスポーツカー・メーカーによる、毎日乗ることを前提とした秀作だ。911と同様に世界クラスの技術が投じられ、細部までこだわり抜かれている。

ミドシップ・レイアウトで動的能力に優れるだけでなく、軽くコンパクトで操縦性も抜群。よりお手頃な価格設定は、われわれの味方でもある。なかでも2代目となる981型のケイマンは、現時点では最高の価格価値にある。

初代、987型のケイマンは2012年に登場。それを更に磨き込んだ2代目は、2012年に発売された。ポルシェ・ボクスターのクーペ版という、基本的なポジショニングは当初から変わらない。

シャシー中央に搭載されるエンジンは、ベースグレードの英国仕様で274psと29.5kg-mを発揮する自然吸気の2.7L水平対向6気筒。控えめな数字といえるが、落ち着きのある足まわりと相まって、腕利きのドライバーへ不足ない充足感を与えた。

トランスミッションは、7速デュアルクラッチATのPDKか6速MTが選べた。PDKなら電光石火の超高速な変速で、ケイマンの動力性能を手軽に引き出せる。一方のMTなら、適度な重み付けのペダルを操りアナログな体験を堪能できる。

パワーステアリングは電動機械式。それでも、ステアリングフィールは素晴らしい。

走りを磨いたSにGTS、GT4も登場 

ポルシェだから、オプションもふんだん。アダプティブダンパーが組まれるPASMは優れた乗り心地をもたらし、トルクベクタリング機能のPTVも実装できた。スポーツクロノ・パッケージを選ぶと、スロットルマッピングとシフトマナーが1段シャープになった。

当時のポルシェ911 カレラに積まれていた、3.4L 水平対向6気筒エンジンを積むケイマン Sも当初から用意された。こちらは325psと37.6kg-mを発揮し、一層意欲的な走りに興じれる。

魅力的なオプションが標準で一式装備されていたのが、ケイマン GTS。スポーツクロノとPASM、20mm車高の落ちるスポーツサスペンションが組まれ、見た目もわずかに差別化されていた。

さらに3.4Lエンジンは、英国仕様で339psと38.6kg-mまで増強。シリアスさを求めるドライバーへ、より秀でた動力性能をもたらした。

2015年には、ポルシェのGT部門が手を加えたサーキット前提のケイマン GT4も登場。空力特性が磨き込まれ、380psと42.6kg-mを発揮する3.8L水平対向6気筒エンジンを獲得している。

リア・サスペンションは設計し直され、フロント・サスペンションはGT3から流用。3段階の調整式アンチロールバーと、ハイグリップなミシュラン・カップ2タイヤで熱い走りを受け止めた。

お値打ち価格で流通している981型

近年の英国の中古車市場を眺めてみると、この981型ケイマンがお値打ち価格で流通していることへ気が付く。悪くない状態のものでも、2万5000ポンド(約415万円)前後で入手が可能なようだ。

毎日の通勤を楽しくしてくれるだけでなく、素晴らしい操縦性は週末の最高の伴侶にもなってくれる。ミドシップの2シーター・クーペとして考えれば荷室は広く、お買い物にも困らない。インテリアは上質で、堅牢に作り込まれている。

今後は、経年による価値の低下も小さいはず。もっとも、ひとたびオーナーになったら手放したいとは考えにくいはずだが。

新車時代のAUTOCARの評価は

これほど優れた動力性能と操縦性を備えたライバルは、他に存在するだろうか。停まった状態の美しさも見逃せない。

価格は競争力に長け、今後の価値も約束され、燃費も優秀。車内は快適で、2シーターのスポーツカーとして考えれば実用性も低くない。このクルマの真価は、すぐには理解できないほど高いといえる。(2006年1月17日)

購入時に気をつけたいポイント

メンテナンス間隔

ポルシェは2年か3万2000km毎の点検整備を指定しているものの、専門家は年1回は実施した方が良いと話す。油脂類を新鮮な状態に保ち、潜在的な不具合へ早期に対応するためだ。結果的には安く済むという。

ダイアグノーシスへつなぎ、ダッシュボード上の走行距離に偽りがないか事前に確かめたい。エンジンをレブリミットまで回した履歴や、エラーコードが出ていないかなども確認できる。

サスペンションとブレーキ、クラッチ

PASMのアダプティブダンパーからオイルが滲むことがある。

ブレーキペダル部分のブッシュは劣化しやすい。まれにペダルが完全に戻らず、ブレーキが軽く掛かったままの状態になり、ディスクが加熱することも。早期に修理したいポイントだ。

MTの場合、クラッチペダルが重い場合は寿命が近い証拠。

ボディとシャシー

ボディは多くがアルミニウム製なため錆びにくい。フロントバンパーやフェンダー、サイドシル、フロントガラスなどは飛び石キズが付きやすい。予め観察したい。

維持状態が悪いとエアコンのコンデンサー、ラジエター、エグゾーストシステムの固定部分などにサビが生じがち。

インテリア

PDKを積んだケイマンのステアリングホイールには、PDK用のボタンが付いていた。スポーツ・ステアリングホイールとシフトパドルには、専門ショップで交換できる。

タイヤ

ケイマンにはN規格のピレリPゼロが標準装備されていた。ワンダリングが強いため、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sなどへ交換されていることがある。

オーナーの意見を聞いてみる

イアン・フィリップス氏

「2014年式ポルシェ・ケイマンを4年前に購入しました。運転を楽しむために。最初は911を考えていたのですが、981型のケイマンを試乗したら考えが変わりました」

「操縦性は素晴らしく、5000rpmを超えた辺りからのエンジンサウンドにも惚れ惚れします。長距離ドライブでは、燃費が14.0km/L以上まで伸びることもありますよ。ベスト・ドライバーズカーだと思いますね」

「基本的には堅牢なので、ポルシェ・ディーラーでメンテナンスされてきたクルマを、個人売買で購入しています。今もディーラーへ点検整備をお願いしていますが、年間400ポンド(約7万円)ほどは最低でも必要です。維持費は高めといえるでしょう」

「最近、エアコンの修理代としてかなり払いました。それでも、981型ケイマンの設計は優秀ですし実用的。所有し運転する喜びには代えられません」

知っておくべきこと

ポルシェの技術開発部門チーフ、ヴォルフガング・ハッツ氏の誕生日に、ポルシェのGT部門はGT3用エンジンを搭載した981型ケイマン GT4をサプライズで運転させ驚かせた。ハッツ自身も、以前から温めていたアイデアだったという。

ポルシェの上層部もこのプロトタイプへ試乗し、最終的に最新の718ケイマン GT4 RSの開発へゴーサインが出たという。その素晴らしさは、AUTOCARでもご報告済みだ。

英国ではいくら払うべき?

2万5000ポンド(約415万円)~3万4999ポンド(約580万円)

走行距離が長めの981型ケイマンを英国では探せる価格帯。基本的にはどれも状態は悪くないようだ。オプションを装備した例も多く、ケイマン Sも含まれていた。

3万5000ポンド(約581万円)~4万4999ポンド(約746万円)

走行距離が短くなる。スポーツクロノ・パッケージなど、理想的なオプションが組まれた例を選べる。

4万5000ポンド(約747万円)~5万9999ポンド(約995万円)

ケイマン GTSを英国では狙える価格帯。ケイマン Sなら走行距離は短め。価格帯の上限にはGT4も含まれる。

6万ポンド(約996万円)以上

走行距離3万km以下の981型ケイマンを英国では選べる。お好みの内容の1台をどうぞ。

英国で掘り出し物を発見

ポルシェ・ケイマン 2.7PDK(英国仕様) 登録:2014年 走行距離:11万1100km 価格:2万7995ポンド(約464万円)

今年の春にポルシェ・ディーラーで整備を受けた、4オーナー車。内容は直接確認した方が良いだろう。車検がもうすぐ切れるため、購入時に改めて一式点検してもらうことをオススメする。オプションが多数載っていて、渋めの条件でも手が出てしまいそうだ。

こんな記事も読まれています

史上最少僅差0.001秒決着! カイル・ラーソンが「ワイルドなフィニッシュ」で2勝目/NASCAR第12戦
史上最少僅差0.001秒決着! カイル・ラーソンが「ワイルドなフィニッシュ」で2勝目/NASCAR第12戦
AUTOSPORT web
「人とくるまのテクノロジー展」が過去最大規模となって5月22日よりパシフィコ横浜で開催
「人とくるまのテクノロジー展」が過去最大規模となって5月22日よりパシフィコ横浜で開催
Auto Prove
日産の斬新すぎる「商用バン」が凄い! もはや「でんでん虫マシン!?」な“円形ボディ”に熱視線! 人気の絶えない「エスカルゴ」どんなクルマ?
日産の斬新すぎる「商用バン」が凄い! もはや「でんでん虫マシン!?」な“円形ボディ”に熱視線! 人気の絶えない「エスカルゴ」どんなクルマ?
くるまのニュース
軽量安価なFRPより鉄にステンレス! デコトラ乗りのエアロへのこだわりは独特だった!!
軽量安価なFRPより鉄にステンレス! デコトラ乗りのエアロへのこだわりは独特だった!!
WEB CARTOP
遂に来た!新型「フリード」先行公開!上質感ある“エアー”&遊び心溢れる“クロスター”を設定
遂に来た!新型「フリード」先行公開!上質感ある“エアー”&遊び心溢れる“クロスター”を設定
グーネット
新型フリードは「AIR」「CROSSTAR」どっちも主役!
新型フリードは「AIR」「CROSSTAR」どっちも主役!
グーネット
三菱自動車、円安追い風で増収へ 来期には戦略車のグローバル展開予定も
三菱自動車、円安追い風で増収へ 来期には戦略車のグローバル展開予定も
くるまのニュース
トヨタ流の熟成──新型ヤリスハイブリッド試乗記
トヨタ流の熟成──新型ヤリスハイブリッド試乗記
GQ JAPAN
マクラーレン久々の優勝はメルセデスにとってもポジティブなこと? ラッセルも刺激受ける「物事がうまくいけばどうなるかを示している」
マクラーレン久々の優勝はメルセデスにとってもポジティブなこと? ラッセルも刺激受ける「物事がうまくいけばどうなるかを示している」
motorsport.com 日本版
世界初試乗!? ソニー・ホンダのAFEELAに自動車評論家がGT7の中で乗ってみた
世界初試乗!? ソニー・ホンダのAFEELAに自動車評論家がGT7の中で乗ってみた
レスポンス
なぜ「カクカク」デザインの新型車が増えている? まるで「先祖返り」! 現代において直線的な「角張りボディ」が求められる理由とは
なぜ「カクカク」デザインの新型車が増えている? まるで「先祖返り」! 現代において直線的な「角張りボディ」が求められる理由とは
くるまのニュース
レッドブル、ハイパーカーRB17の世界初公開と、F1参戦20周年をグッドウッドで祝う。歴代チャンピオンマシンも展示へ
レッドブル、ハイパーカーRB17の世界初公開と、F1参戦20周年をグッドウッドで祝う。歴代チャンピオンマシンも展示へ
motorsport.com 日本版
【月額32万2630円から】レクサスLM、KINTOでサブスク開始
【月額32万2630円から】レクサスLM、KINTOでサブスク開始
月刊自家用車WEB
V12エンジン搭載! 新型「FRスポーツカー」世界初公開! 大排気量&高回転志向で830馬力発揮の「12チリンドリ」米で発表
V12エンジン搭載! 新型「FRスポーツカー」世界初公開! 大排気量&高回転志向で830馬力発揮の「12チリンドリ」米で発表
くるまのニュース
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、高度なサウンドチューニング機能を操れる!
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、高度なサウンドチューニング機能を操れる!
レスポンス
もうオープンホイールじゃない!? フェラーリF1、攻めたデザインの“雨用タイヤカバー”をフィオラノでテスト
もうオープンホイールじゃない!? フェラーリF1、攻めたデザインの“雨用タイヤカバー”をフィオラノでテスト
motorsport.com 日本版
ガレージ作業からアウトドアまで!マルチに使えるクッションパッド登場 ゴードンミラー
ガレージ作業からアウトドアまで!マルチに使えるクッションパッド登場 ゴードンミラー
グーネット
ベントレー 最後のW12エンジン搭載モデル「バトゥール コンバーチブル」発表
ベントレー 最後のW12エンジン搭載モデル「バトゥール コンバーチブル」発表
グーネット

みんなのコメント

4件
  • 718いいなー
    少し前は中古車がもっと安かったのに…
  • 英国版の中古車情報、
    どんなコアな人を対象にした記事なのか・・
    誰か参考になったの?
    私には意味のない情報だった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

629.01064.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

168.01380.0万円

中古車を検索
ケイマンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

629.01064.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

168.01380.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村