愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第11回。俳優の常盤貴子さんが憧れのポルシェ356と対面!
海外で出会った356にひとめ惚れ
「まさかこのクルマと対面出来るとは本当に嬉しいです」
憧れのポルシェ「356」を前に、素直に喜ぶ常盤貴子さんの眼差しは麗しい。
「ポルシェ356と共に撮影出来るなんて夢のような時間です。昔から1番乗りたかったクルマだったんですよ」
常盤さんといえば、イギリスの“小さな高級車”とも言うべきバンデンプラ「プリンセス」、通称“バンプラ”を長年愛用していたように、クラシカルな物が好みという。
「ポルシェ356に興味を持ったのは20代の頃で、免許を取得してからなんです。海外に行ったときって日本の道では見かけないような古いクルマを目にする機会が多いじゃないですか? 356も海外で見て、『こんな素敵なクルマがあるんだ!』と、知って、日本に帰って色々調べました」
憧れ続けているポルシェ356を、購入しようとは思わなかったのか?
「古いポルシェと言ってもポルシェはポルシェじゃないですか? 20代で乗るにはちょっと“生意気”かなぁ、と。『ポルシェを購入するにはまだ早いな』と思って、結局乗れずにいたんです。“ある年齢が来たら……”とは考えていて、だんだんその年齢に近づいてきているような気はしますね」
ポルシェ356は、1948年に登場したスポーツカーで、ポルシェの名を冠した初のモデルだ。当初はフォルクスワーゲン社製の1.1リッター空冷式水平対向4気筒エンジンが搭載され、最高出力は356用に35PSまで向上。車両重量はわずか585kg、最高速度は135km/hに達した。
ボディ形状はクーペのほか、オープントップモデル(カブリオレ、スピードスター、ロードスター)も選べた。
ポルシェの最初期モデルとして、日本でもファンは多い。常盤さんは356のどこに惹かれたのか?
「まずはカタチですね。あと、356を“サンゴロ”と呼び、親しんでいる人が多いのにも惹かれます。クルマなのに愛称が付いているのってそれだけ愛されている証拠ですよね。あとはボディカラーの色合いも好みです」
実は今回、常盤さんのリクエストでブラックの356を用意した。ブラックにこだわる理由を訊いた。
「たしか昔、コーヒーのCMかなにかで(ブラックの356を)見た記憶があるんです。356を意識し始めてからそのCMを見てかっこいいなぁ、と。三國連太郎さんが乗られていた記憶が……」
調べると確かに1990年代後半、AGF(味の素AGF)のCMで三國連太郎さんとポルシェ356は共演していた。このCMの印象が常盤さんにとって鮮烈だったのだ。
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今回、公道試乗は都合、出来なかったものの、せっかくなので敷地内を少し運転いただいた。事前に決まっていたことではなかったので、常盤さんは大喜びだった。
バンプラを長年乗っていただけあって、クラシック・カーの扱いに慣れていらっしゃるのだろう。356をスムーズに動かしていく。
「意外なほど運転しやすくてビックリしました。状態がすごく良い個体というのもあるんでしょうけど、クラッチ操作も難しくなかったんです。クラシックかー特有の運転のしにくさがあまり感じられなかったのは驚きでしたね」
とはいえ半世紀以上前のクルマである。ブレーキの効き具合などはいかに?
「ブレーキは強めに踏み込まないと止まらないから少し怖いですが、それもクラシック・カーの醍醐味ですから。そもそもシート位置を1番前に出しても、ブレーキがちょっと踏みづらいので、もし自分で乗るなら調整が必要ですね」
すでに自身が所有したときをイメージしている常盤さん。もし愛車としたらどこへ走りにいくのだろうか。
「私にとってクルマはコスプレ要素のひとつかもしれません。たとえば、お店のショーウインドウに映るヴィンテージカーに乗った自分の姿を見つけるとワクワクするんです。356に乗って行くなら、素敵な古い洋館などがいいですかね。そこに356を停めて、降りてくる自分を想像するだけで「萌え」です(笑) 衣装もアンティークな感じのものがいいですね。もともと古着も好きだったので」
撮影は東京都文京区にある鳩山会館でおこなわれた。内閣総理大臣を務めた鳩山一郎の邸宅で、1924年に建設された鉄筋コンクリート造の洋館だ。クラシカルな356と常盤さんの組み合わせは、まるで1950年代にタイムスリップしたかのようだった。
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今回用意した356は、時価数千万円とのこと。近年、状態の良い個体は減っているそうだ。
「ちょっと購入するにはハードルが高いですね……」
では、常盤さんが今、ほかに気になるクラシック・カーとは?
「いっぱいありますよ! 取材前にリクエストしたジャガーの『Mk2』も気になるし、あとサーブも実は乗ってみたいんです。でも、最近減ってきましたよね」
常盤さん、取材前に「乗ってみたいクルマをいくつか挙げてください」と、依頼したところ上記のジャガーのほかフォルクスワーゲン「カルマンギア」などをリクエストされた。
ただ、サーブも興味があったとは意外だった。映画『ドライブ・マイ・カー』に登場した初代900シリーズという。
「1960年代の縦目のベンツも興味ありますし、もう少し新しい1980年代のベンツにもちょっと乗ってみたいですね。あとはルノー・キャトル(4)も乗ってみたいです」
これまでドイツ車やイギリス車、そしてスウェーデン車が出てきたが、ここでフランス車登場。日本では通称“キャトル”と言われたルノー4は、1961年から1992年までつくられた超ロングセラーの実用車だ。今まで常盤さんが話したモデルたちとはすこし毛色が違う。
「私のクルマの始まりはルノー『サンク・バカラ』だったんですよ」
人生初の愛車がルノーのコンパクトカーである2代目サンクだったという。しかも、レザーシートなどを備えた豪華版「バカラ」だった。
「もともとフォルクスワーゲン『ゴルフ』のカブリオレが欲しくて買いに行ったんです。そしたら、たまたま隣にサンク・バカラが置いてあって『ダメだ、こっちにする』ってひと目惚れしちゃって……(笑)」
購入したサンク・バカラはオートマチックで、ブラックのボディカラーに、ベージュの内装という組み合わせだった。この仕様に常盤さんはゾッコンになってしまったという。
「サンクは10年弱乗っていたと思います。大好きだったんです」
信頼性があまり高いとはいえない当時のフランス車ゆえ、苦労も数々。
「いろいろなトラブルがありましたよ。だから“押しがけ”も出来るようになりました(笑)。トラブルに対する耐性がつきました」
10年弱乗ったサンク・バカラの次に購入したのはアルファロメオの「スパイダー」(2代目)だった。
「ホントは『スパイダー・ヴェローチェ』が欲しくて、買いに行ったんだけど、『マニュアルが初めてでスパイダーに乗るとエンジンが悪くなっちゃうから、新車で練習した方がいいよ』と、お店の人に言われて。それでスパイダーの新車を買うことにしたんです」
レッドのボディカラーにブラックのソフトトップという組み合わせだった。「手動だったから、屋根はほとんど開けなかったですね(笑)」と、常盤さん。
「当時は今よりも明るい色のクルマが多かったように思うんですよね。だから、それほど目立っていた記憶もないんです」
数年スパイダーに乗ったものの、スパイダー・ヴェローチェは結局購入しなかった。
「アルファロメオに満足しちゃったんです。マニュアルのおもしろさはあったんですけど、トラブルがなくて物足りなくなってしまい……」
そこで次に選んだのが前出のバンプラだった。
後編ではバンプラとの思い出や、もう1台、常盤さんがリクエストされたクラシック・カーとの共演を綴りたい。
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常盤貴子(ときわたかこ)
1972年生まれ。神奈川県出身。1991年に俳優デビュー。『愛していると言ってくれ』『Beautiful Life』(ともにTBS)ほか、多数の主演ドラマあり。映画や舞台、CM、ナレーションなど活動は多岐にわたる。
【愛車の履歴書 バックナンバー】
Vol1.市毛良枝さん 前編/後編
Vol2.野村周平さん 前編/後編
Vol3.宇徳敬子さん 前編/後編
Vol4.坂本九さん&柏木由紀子さん 前編/後編
Vol5.チョコレートプラネット・長田庄平さん 前編/後編
Vol6.工藤静香さん 前編/後編
Vol7.西内まりやさん 前編/後編
Vol8.岩橋玄樹さん 前編/後編
Vol9.吉田沙保里さん 前編/後編
Vol10.板野友美さん 前編/後編
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・吉村結子 ヘア&メイク・千吉良恵子 撮影協力・鳩山会館 車両協力・ガレーヂ伊太利屋
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