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【めでたいこともあれば! 悲しいこともあった!!】 平成クルマの事件簿 20選

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【めでたいこともあれば! 悲しいこともあった!!】 平成クルマの事件簿 20選

 2019年はついに元号が変わる年。どういう元号になるかわからないけど、最近テレビなどでは「平成最後の○○」なんて企画が目白押し。そこで本誌もクルマ界の平成を振り返ってみる。

 平成が始まったのは1989年の1月8日。奇しくもその2日後に、ベストカーが発売されている。雑誌のカウント方法である号数でいうと2月10日号。

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 巻頭を飾っているのは6代目の日産ローレル。名機RB20DETをラインナップに持つ4ドアハードトップだ。

 企画ではそのほか、パオ/エスカルゴのスクープ記事なんかやっているので、かなり時代を感じるが、考えてみると平成元年に生まれた子供はもう30歳。そりゃいろんなことがあるでしょう。

 本企画ではこの30年間に起こったクルマ界の出来事のなかから、20の重大ニュースを紹介。当時をしみじみ懐かしむ編集部員ののんびりやり取りも収録。のんびり楽しんでくださいませ。

※本稿は2019年1月のものです


文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部


初出:『ベストカー』 2019年2月10日号

■バブル景気により贅沢なクルマ多数登場(平成1年~3年)

 平成はじめはバブル景気の絶頂期だったこともあり、元年/R32スカイラインGT-R、初代セルシオ、2年/初代エスティマ、初代NSX、3年/ビートなどなど、夢のある楽しいクルマが書ききれないほど登場した。



■編集部ヒキコモゴモ


U「バブルの頃、銀座で夜タクシー止める時、万札をヒラヒラさせてたって、B、知ってる?」


B「私は小銭をジャラジャラさせるので精一杯でした。なかなかニューモデルが出ない今と違い、華やかですね。バブル期、カムバ~ック!」

■AT限定免許がスタート(平成2(1990)年11月)

 AT車の普及によりMT車に乗る機会が減っていることなどに対応しスタート。MT免許に対し教習時間が短いため教習料金が安いというメリットもあり、2016年は運転免許取得者の約6割がAT限定免許を選んでいる。

■編集部ヒキコモゴモ


B「MTを操作できてこそ免許証」と思っている私も、この制度はイカンと思っていますよ~」


U「お前もMT下手じゃん(笑)。最近の若者はMTを運転できるドライバーに憧れるんだってさ。知らなかったな~。そうか、だからヤンマガの『MFゴースト』が人気なんだ」

■マツダが日本初のル・マン制覇(平成3(1991)年6月)

 ロータリーエンジンにとっては最後のチャンスとなった1991年でマツダがル・マンを制覇。このル・マン制覇の偉業は2018年のトヨタまで、日本車では唯一のものだった。

■編集部ヒキコモゴモ


U「マツダ優勝には当時ほんとビックリしたよ。と同時に日本を誇らしく思えたのを覚えているよ」


B「当時、7時のNHKニュースで「偉業達成」と放送してましたよ。モータースポーツがそれだけ注目されていた時代だったんですよね」

■自動車アセスメント始まる(平成7(1995)年4月)

 クルマの安全性の公的なテストとして、欧米に倣う形でスタート。回を重ねるごとに試験項目は増え、衝突安全性のテストだけでなく現在は夜間の自動ブレーキの性能確認なども行われている。

■編集部ヒキコモゴモ


B「たまに旧車に乗り込むとボディがペラペラで驚く。それだけ今の日本車は“安全性は超進化している”と言えますよね、Uさん?」


U「そうだね。安全性は進化してるけど、手抜きしているとこもあるよね。例えばリアのトーションバーサスの採用。あれなんか完璧にコストダウンでしょう」


B「自動車アセスメントはクルマ先進国が実施している安全評価。日本では独立行政法人自動車事故対策機構がテストをしてるけど、最近はどんどん複雑になってきて、わかりにくいものになりつつある」

■初代プリウス登場(平成9(1997)年12月)

 初代プリウスは「21世紀のセダン、カローラの示唆」というコンセプトも持ちながら開発され、CO2削減=燃費向上のため量産車初のハイブリッドを採用。開発期間はハイブリッドが未知のものであるのを考えると、超短期間だった。

 当初はそれほど売れなかったが、現在プリウスはトヨタの重要車種、ハイブリッドは基幹技術に成長した。

■編集部ヒキコモゴモ


U「編集部にも初代がまだあるけど、元気に走ってるじゃん。クオリティが恐ろしく高いんだよね」


B「プリウス誕生は22世紀にも語り継がれる出来事。エコの意識が高まるとともに日本人の“ハイブリッド信仰”的なものが始まった。うちのヨメなんてハイブリッドと聞くとウットリしていますよ」

■東京湾アクアライン開通(平成9年12月)

 開通により川崎-木更津間の距離が約100kmから30kmと劇的に短縮されたが、利用料金の高さで利用者は伸び悩んだ。それもあり、現在通行料金は値下げされている。

■編集部ヒキコモゴモ


B「現在の料金800円。これは大きい。経済効果で千葉県、潤っているそうです」


U「当初の4000円って料金、まるでぼったくりバーだろ!」

■セルフガソリンスタンド始まる(平成10(1998)年6月)

 消防法の規制緩和により、日本でもセルフのガソリンスタンドが解禁に。現在約3万店あるガソリンスタンドのうちセルフはその約三分の一を占める。

■編集部ヒキコモゴモ


B「私は経済的事情でセルフ派ですけどUさんは?」


U「オレ、最初は怖くてセルフ給油できなかったんだよ。でも今はトーゼン、セルフだけどね」

■石原都知事がディーゼルNO作戦スタート(平成11(1999)年8月)

 当時、東京都知事だった石原慎太郎氏が定例会見において有害物質が入ったペットボトルを振って、ディーゼル車の排ガス問題をアピール。そして東京でのディーゼル車対策を発表した。以来、自動車メーカーはクリーンディーゼルを目指して技術開発が始まった。

■編集部ヒキコモゴモ


U「あのペットボトルを振るシーンは、クルマに詳しくない人にも強烈な印象を与えたよね。まさに石原節炸裂の会見だった。あの時、都庁が使っていたディーゼル車が全部ガソリン車になったんだってさ。知ってた?」


B「知りませんよ~。“隗より始めよ”ということですね。当時、ディーゼル車=悪という風潮もあったけど、今では燃費よし燃料代かからず。庶民にとって嬉しい存在です」

■ゴーン氏 日産をV字回復(平成12(2000)年3月)

 2兆円という有利子負債のあった日産に送り込まれたゴーン氏はリストラなどの合理化により、わずか1年で赤字続きだった日産の経営を黒字化した。

■編集部ヒキコモゴモ


U「あれだけリストラして工場潰せばV字回復も当たり前という人もいるよね」


B「でも、ゴーン氏が来たから、魅力ある日産車が生まれたということもありますよ」

■フィットが販売台数でカローラの34年連続1位を阻止(平成14(2002)年12月)

 日本の年間販売台数は1969年以来33年連続でカローラが1位だったが、2002年に登場したフィットがカローラのV34を阻止した。

■編集部ヒキコモゴモ


B「これは大きな出来事。フィットが新しい国民車になった、ということの証です。最近は苦戦していますけど」


U「クルマ界は浮き沈みは激しいから、油断したらすぐ負けちゃうんだよ」

■280ps自主規制撤廃(平成16(2004)年7月)

 日本車の最高出力は自主規制により280psに抑えられていたが、2004年に規制は撤廃。280ps超え1号車は300psの4代目レジェンド。

■編集部ヒキコモゴモ


U「お役所の頭の硬さがメーカーを自主規制で縛り付けた。ほんとムダ!」


B「馬力よりほかのことを規制すればよかったのに。で、今、280ps超え車が役所の公用車になっている(!?)」

■駐車違反の民間取り締まりがスタート(平成18(2006)年6月)

 それまで警察にしか取り締まれなかった駐車違反が、2006年6月から警察署長に委託され、法人が取り締まることが可能になった。

■編集部ヒキコモゴモ


B「この効果で現在、東京でも路駐違反車が激減しました。でも、配送車など仕事で使うクルマを積極的に取り締まるのはどうかと思います」


U「オレ、次は自転車の横暴を取り締まれる民間法人制度を作ってほしいよ。ほら、おばさんの乗っているチャリは無茶苦茶だろ」

■世界最大の自動車メーカーGMが破産(平成21(2009)年6月)

 GMは2001年の同時多発テロ、原油価格高騰の際に燃費のいい小型車がなかったことなどにより巨額の赤字が積み重なり、政府の融資はあったものの、クライスラーに続き破たんするという結末に。

■編集部ヒキコモゴモ


U「あの事件でデトロイトが一挙に廃墟みたくなっちゃったんだぜ。恐ろしいね~。それにしてもよく復興した」


B「当時の“ビッグ3崩壊”、力のある巨大企業にも一寸先には闇が潜むということを知りました。我が家も闇に襲われそうで怖いです。でもGM、最近いいクルマが多いです」

■交通事故死者数、57年ぶりに5000人を切る(平成21年12月)

 ピークだった1970年には1万6000人を超え「交通戦争」と呼ばれた交通事故死者数だったが、2009年には5000人を割り、現在は4000人を割っている。

■編集部ヒキコモゴモ


B「一歩間違えば、クルマは危険な道具になるだけに、5000人割りのこの出来事は印象深い。クルマが進化しても運転者次第だから、今後も安全運転、大切ですよね?」


U「事故をなくすために自動運転化進めてるんだけど、マジで少なくなるのかな~?」

■豊田章男社長、アメリカの公聴会で涙(平成22(2010)年2月)

 2009年前後、アメリカでトヨタ車が暴走するという事件が何件か起き、前年に社長に就任した豊田章男社長がアメリカの公聴会に出席。

 公聴会の後、豊田章男社長はアメリカのトヨタ関係者が集まる大会の場で、多くの人たちに支えられていることに、感極まり涙した。

■編集部ヒキコモゴモ


U「あの事件って日本車潰しみたいな思惑もあった。アメリカさん、怖いもの~」


B「赤鬼って言われてましたからねえ(←古すぎ)。でも、章男社長が泣く姿に日本人も、アメリカ人も心が動かされたと思います」

■徳大寺有恒氏死去(平成26(2014)年11月)

 1976年発行の「間違いだらけのクルマ選び」などで、日本の自動車ジャーナリズムに破壊的な影響を与えた徳大寺有恒氏が74歳で逝去。

■編集部ヒキコモゴモ


U「オレなんかよく怒られたけど、全盛期の頃はほんとオーラが半端なかったよ。今でも徳さんのオーデコロンの匂いを思い出すよ。それに街を歩けばみんなが声をかけてきた。人気者だったんだね~。徳さんの文体も時代にマッチしていたしね。文章のうまさは故小林彰太郎さんと同レベルだったと思うよ」


B「性能面だけでなく、クルマの魅力や本質を的確に、オシャレに説いていた方でした。文章、勉強になります」

◎徳さんの魂は死なず。当時の試乗記をリバイバル掲載しています!

■VWの排ガス不正発覚(平成27(2015)年9月)

 アメリカでVWのディーゼル車が不正に規制をクリアしており、対象車はメーカー買い取り、VWは巨額の罰金を科せられるなどの大騒動に。

■編集部ヒキコモゴモ


B「世界販売台数トップクラスのVWが「まさか」という感じ。その後、日本でも「まさか」の不正事件が続きましたけど」


U「あれ以来このテの話題は尽きないね。メーカーは襟を正さないと」

■佐藤琢磨、インディ500で日本人として初優勝(平成29(2017)年9月)

 F1時代日本人2人目の表彰台を獲得した佐藤琢磨は、2010年からアメリカのインディシリーズに参戦。

 2013年に日本人初のインディシリーズで優勝を果たし、2017年には世界三大レースの1つであるインディ500でも日本人初優勝を飾った。

■編集部ヒキコモゴモ


B「琢磨選手、最終ラップで2番手を走っていて、そこからの爆裂追い上げて優勝。これぞ大和魂。日本人アスリートの凄さを世界へ見せつけた感じ。顔もイケメンですし。どうスかUさん?」


U「日本人もデイトナやパリダカなんかで優勝してるけどインディは特別だよ。アメリカのMBAで日本人がマイケル・ジョーダンに勝っちゃったようなもんだからね」

■豊田章男トヨタ社長、CESでモビリティサービスカンパニーになると宣言(平成30(2018)年1月)

 トヨタの豊田章男社長は2018年CESにおいて「クルマだけではなく、コネクテッドなども手がけるモビリティカンパニーになる」と宣言。

■編集部ヒキコモゴモ


U「業務提携などの情報を集めると、どこに向かっているのかよくわかるよね」


B「2018年秋にはソフトバンクとも提携、クルマがいろんな業態に変わる元年ですね。でも、何もクルマでコネクテッドしなくてもいいと思うんだけど、そんな私は時代に取り残されるのでしょう(涙)」

■ゴーン会長、有価証券報告書の虚偽記載容疑で逮捕(平成30年11月)

 日産のカルロス・ゴーン会長が有価証券報告書の虚偽記載容疑で逮捕された。現在取り調べ中で、今後のいろいろな行方が注目される。

■編集部ヒキコモゴモ


U「ゴーンショックは新年になっても目が離せんね。Bなんかどう思うの?」


B「億単位の金額の話はまったく身近に感じられないので、ピンときません(笑)。早くなんらか決着をつけて、日産もルノーも魅力あるクルマをたくさん出してほしい。私の願いはこれだけです!」

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