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航続距離325kmの先駆者日産リーフは最新国産EVと比較してどれだけ優れているのか?

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航続距離325kmの先駆者日産リーフは最新国産EVと比較してどれだけ優れているのか?

 世界的に注目を集める電気自動車だが、ここ数年国内ではハイブリッドが中心でEVといえば日産リーフか三菱のi-MiEVくらいだった。

 特に日産が力を入れて販売している日産リーフはモデルチェンジを果たして2代目に進化するなど、EVの販売台数と実績で他社をリードしている。

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 そこで、現状の国産EV車の中で、リーフの優位性がどれくらいあるのかを考察する。

文/国沢光宏、写真/ベストカー編集部

【画像ギャラリー】国産EVのパイオニア 日産 リーフと各社電気自動車を見る

■国産EVが登場し始めた中、リーフのアドバンテージは?

初代は2010年発売という長い歴史を持つ日産 リーフ

 長い間、国産の電気自動車といえばリーフと生産終了になるi-MiEVだけだった。

 けれどここにきてホンダeとMX-30EV、限定ながらレクサスUX300eが登場。ヨーロッパのように50車種を超える電気自動車を選べる状況とほど遠いものの、少しずつ選択の範囲も広がってきている。となると気になるのはパイオニアであるリーフの実力だ。

 クルマ通なら御存知の通り、日産というメーカーは早すぎるタイミングで新しいコンセプトのクルマを出す傾向がある。

スライドドア乗用車の元祖といえる日産 プレーリー。当時は半ばキワモノ的存在だったが今ではスライドドア乗用車は珍しくなくなった

 今や人気車種になっているスライドドア式の乗用車の元祖は『プレーリー』(まるでJPNタクシーです)。ラシーンやBe-1みたいなパイクカーだって今なら人気車種になったことだろう。当時はあまり評価されませんでしたね。

 電気自動車も同じ。今、リーフのようなクルマを出してきたら、きっと大注目されることだろう--ここまで読んで「現状のリーフだってライバルと十分戦えるでしょ!」と思うリーフユーザーもいるかもしれない。リーフe+に乗っている私もそんな1人ですけど。

 果たしてリーフはアドバンテージをキープ出来ているだろうか?

■各社EVとリーフをスペックで比較する

斬新なデザインで話題を集めたホンダ e

 ということでスペックからライバルと比べてみたい。まず電気自動車の実用性を決定づけるバッテリー搭載量だけれど、リーフは40kWhと62kWhの2タイプ。

 ライバルといえば、ホンダe/MX-30EV/UX300e(以下、数字は全てこの順番)の容量はそれぞれ35.5kWh/35.5kWh/54.3kWhになる。電池搭載量=航続距離といってもよかろう。

 電気自動車で大きくリードしているヨーロッパには『電気自動車データベース』というWebサイトがあり、そこでバイヤーズガイドになるよう客観的な評価&数字を紹介している。

 電気自動車の航続距離、メーカーに任せると、実用的な性能と大きく異なる有利な数字しか出さず比較になりませんから(日本もこういったサイトが必要です)。

マツダ初の量産電気自動車として登場したMX-30EV

 それによれば、リーフは40kWhが航続距離220km。62kWhだと325km。ライバル勢と言えば、170km/170km/260kmといった数字。

 2011年から電気自動車に乗っている私の感覚からすれば、200km以下だと絶えず「充電しなくちゃ」という気持ちになってしまう。しかも6年くらいすると電池の劣化で明確に「航続距離の減少」を感じる。

 170kmでは6年すれば150kmくらいになってしまうだろう。ヨーロッパを見ていると、電池容量50kWhくらいが最低搭載量といったイメージ。

 総合して評価すると、街中だけで走るならリーフ40kWhがミニマムだと思う。UX300eもボディ重いため、航続距離で物足りず。ガソリン車と同じ感覚で使おうとすれば62kWhのリーフしかない。

レクサス初の電気自動車UX300eは限定車として登場した

 性能はどうか? 電気自動車の最高速、あまり意味無いものの、とりあえず絶対に出る最高速を明示しなければならないドイツでの公表値など紹介すると、リーフが144km/hと157km/h。

 ライバル車は145km/h/140km/h/160km/h。最高速で走ったらあっという間に電池無くなります。電気自動車の巡航速度、80~90km/hですね。

 最高速より重要なのが0~100km/h加速。遅いと面白さ不足になる。

 リーフは7.9秒と7.3秒。e+で何度か公称6.8秒のトヨタ86と発進加速勝負してみたけれど、10戦8勝といったイメージ。86ってクラッチミートでけっこう差が出るのに対し、e+はアクセル全開にするだけで同じタイム出る。8秒切ったら「速いね!」と感じるだろう。

 ライバルといえば、8.3秒/9.7秒/7.5秒。ホンダeであれば何とかスポーティモデルの雰囲気。MX-30EV、速いと書いている人もいるけれど、マツダに忖度してるか電気自動車を知らないか、だ。「けっこう速いね!」程度の加速をイメージして頂ければいいだろう。UX300eの7.5秒は必要にして十分な加速性能だと思う。

■スペック比較では依然トップはリーフか

依然として国産EVのトップを走るリーフ。10年分のアドバンテージは大きい

 以上、スペックで評価するとリーフの性能は依然として国産車のTOPにある。

 急速充電器も日産ディーラー多い。価格だってリーフ40kWhで332万6000円。ホンダeとMX-30EVになると電池搭載量少ないのに100万円以上高い! この点でも圧勝! じゃなせ話題にならないかといえば、やはり地味なんだと思う。ワクワク感無し。

 どうしたらいいか? 私は1つしかないと考えている。車高を50mmくらい上げたクロスオーバーにすること。車高上げるとクルマが大きくなった感じになるし、何よりカッコ良い!

 価格据え置きでクロスオーバー作ったら、相当売れるんじゃないかと予想します。ちなみにリーフのフルモデルチェンジ、当面ないようだ。

●電気自動車性能比較

国産メーカーの電気自動車の性能比較表

【画像ギャラリー】国産EVのパイオニア 日産 リーフと各社電気自動車を見る

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みんなのコメント

1件
  • リーフ ze1のオーナーですが、通勤、買い物に使うには40kwで充分事足りる。
    これからは、値段を下げてください。
    後充電プランを元に戻してください。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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