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【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選

掲載 更新 109
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選

時すでに遅し?

text:James Mills(ジェームズ・ミルズ)

【画像】オートマもマニュアルも 各メーカーの思想が反映【いろんなデザイン】 全51枚

誰もが信念を持っている米国では、「Save the stick」(マニュアルギアボックスを守れ!)と書かれたさまざまな衣服を購入することが出来るだけでなく、こうした主張を支持するひとびとのためのステッカーまで用意されている。

あるクルマのリアには、「盗難防止装置:このクルマはマニュアルトランスミッションです」と書かれていた。

なかなか興味深い警告だが、ここにはある重要な真実が隠されている。

いま自動車業界では、ドライバーがステアリング操作に集中出来るなどと言ってマニュアルギアボックスを無くす方向へとシフトしているが、トランスミッションの選択肢が減っている本当の理由とは、コストと排ガス規制にあるのだ。

そして、特にスポーツカーがより強力なエンジンを積むようになっているいま、平均的なドライバーであればあっと言う間にクラッチやトランスミッションをダメにしてしまうという現実もある。

だが、例えマニュアルギアボックスから得られるドライビングの楽しさを除いたとしても、実際にはオートマティックトランスミッションにすべてを任せるよりも、自ら操作を行うことでドライバーはより注意深くなれはずだ。

両手両足を使うことでスマートフォンなど忘れてクルマの操作により集中出来るとともに、もし素晴らしいギアボックスを積んだモデルであれば、アップシフトやダウンシフト、そしてヒール&トウを完ぺきにこなすという、さらなるドライビングの楽しみを味わえるに違いない。

だが、確かにもう時すでに遅しだ。

EVがマニュアルギアボックスの息の根を止めることになるだろう。

だからこそ、シフト操作というシンプルな行為を楽しみたいのであれば、クルマとの繋がりを楽しませてくれるモデルを大切にすべきなのだ。

今回はそんな価値ある10台をご紹介しよう。

ケータハム・セブン

1993年に導入された6速マニュアルギアボックスがセブンにもたらしたものの大きさは計り知れない。

クロスレシオのこのユニットは軽量なロードスターにさらなる活気を与え、高回転型のローバー製Kシリーズエンジンの実力を存分に発揮させるとともに、各段の繋がりも申し分なかった。

このトランスミッションは当時もいまももっとも短いシフトストロークを誇り、30年近く経過した現在でも最高のマニュアルギアボックスのひとつであることに変わりはない。

ポルシェ911 GT3 RS 4.0

997型911 GT3 RSの最終モデルは、レーシングマシンの911 RSRと共通のエンジンブロックを与えられ、その自然吸気4.0Lユニットは497ps以上のパワーを発揮していた。

スタンダードなRSを上回るパワーと幅広いトルクバンドによって、その高いギアレシオも問題にしないばかりか、依然としてシフトフィールも素晴らしいままだった。

だが、生産台数わずか600台という希少性によって、このクルマの価格はそのエンジン回転よりも速いペースで高騰している。

新車当時13万ポンドだったその価格は、いまや40万ポンド(5240万円)にも達しているのだ。

ホンダS2000

最高9000rpmを許容する2.0Lエンジンが最大トルクを発揮する7500rpmという回転数は、同時代のほとんどのライバルモデルのレブリミットをも上回るものだったが、ホンダS2000の神髄はそのマニュアルギアボックスにあった。

この6速マニュアルトランスミッションはまさに宝石のような存在であり、古今東西で最高のギアボックスのひとつだ。

プジョー306 GTi-6

306 GTi-6はこのクルマに見合った評価をこれまで一度も得てこなかったようだ。

1996年当時、このクルマはホットハッチとして初めて6速マニュアルギアボックスを搭載し、約170psというほとんどのライバルよりも強力なエンジンを与えられていた。

クロスしたこのマニュアルギアボックスは高回転を好む2.0L 16バルブエンジンのパフォーマンスを存分に発揮させ、ステアリングフィールとシャシーの落ち着きは、現代のホットハッチの多くが学ぶべきレベルに達していた。

それでも、十分なメンテナンス受けて来た個体を見つけ出すべきであり、さもなければ単なる金食い虫になるだろう。

マツダMX-5(日本名:ロードスター)

最新の4代目もこのクルマに近い素晴らしい出来映えを見せるが、つねにオリジナルの存在として、マニュアルギアボックスに関しては初代NAこそが最高のMX-5だ。

その理由は、1990年当時のロードテスターたちのコメントを見ればご理解頂けるだろう。

「MX-5の真の切り札とはこのクルマのギアボックスにある。トランスミッショントンネルからわずかに上方に突き出した素晴らしい重みを感じさせるシフトレバーは、ミリ単位の正確さで短いストロークでの操作を可能にしている。」

「このクルマ全体がシフト操作同様の正確なドライビングを試す気にさせる。軽く素早い操作が可能なクラッチと高い精度を誇るシフトレバーに組み合わせられるのは、瞬時のレスポンスを返すエンジンであり、ドライバーは滅多に感じられない程の満足を得ることが出来るだろう」

ホンダ・シビック・タイプR

今回ご紹介する10台のなかに2台のホンダ車が含まれているという事実が、この日本メーカーのマニュアルギアボックス作りの伝統を示している。

現行シビック・タイプRのシフトフィールは現役ホットハッチとしてはベストであり、これだけでデュアルクラッチトランスミッションを搭載したライバルを選ばない理由になり得るだろう。

アウディR8

ミッドエンジンレイアウトのアルミニウム製モノコックとクワトロ四輪駆動システムを、フランク・ランバーティとジュリアン・ホーニグがデザインした低く構えたボディに包み込んだR8は、よりエッジの効いたデザインを与えられた後継モデルよりもはるかに素晴らしい歳の取り方をしている。

この初代R8のドライビングフィールは、例えクワトロGmbHが手掛けたにしても他のアウディ製モデルとは異なるものであり、まるでポルシェのGT部門が創り出したかのようなダイレクトさを感じることが出来た。

アウディのスポーツカー部門で以前テクニカル・ディレクターを務めていたシュテファン・ライルの最高傑作だ。

V8とV10モデルの双方で6速マニュアルギアボックスが用意されており、両者ともマニュアルギアボックスの素晴らしさを示す、まるでフェラーリのようなアルミニウム製シフトゲートを備えていた。

フェラーリF430

このクルマがマニュアルギアボックスを積んだフェラーリ最後の公道モデルというわけではないが、初めてこのイタリア製スポーツカーを手に入れたいと考えている向きにとっては、もっとも新しく、もっとも手に入れやすい1台となっている。

レザー張りのトランスミッショントンネルに誇らしげに設置されたアルミニウム製ゲートと、アルミニウム製ノブを持つシフトレバーの組合せは、長年に渡るフェラーリの伝統を感じさせる。

フォード・プーマ

手ごろなスモールカーに乗り込んで公道へと繰り出し、最初の数kmで満面の笑みを浮かべる以上に満足感を得られることなどあるだろうか?

1997年にプーマが登場した当時、まさにこうした最高の喜びを感じさせてくれるメーカーがフォードだった。

当時、エンジニアリング開発の責任者を務めていたリチャード・パリー=ジョーンズに率いられた彼らのモデルは過剰なまでの作り込みが行われており、ドライビングフィールを引き上げるべくコンポーネントにも十分なコストが掛けられていた。

そうした1台がこのクルマであり、小さく機敏で思いのままに操ることが出来た。

なかでも、活気溢れるヤマハ製1.7Lエンジンを積んで、ショートストロークのアルミニウム製シフトノブを備えたモデルがベストな存在だ。

ランドローバー・ディフェンダー

ともかく、このクルマのマニュアルギアボックスはシフト操作を受け付けてはくれるものの、その中味を見てみれば驚愕させられることになるだろう。

今回ご紹介する他のスポーティなモデルとは異なり、ディフェンダーでは慎重なシフト操作が求められるのであり、無事に動いていることに感謝するとともに、荒野のど真ん中でオイル漏れなど起こさないよう祈るしかない。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

109件
  • ほんとオートマ無くせば、スマホ弄りのながら運転無くなりそうなのに。あとは高齢者のアクセルとブレーキ間違えた!も止まるつもりならニュートラル入れるだろうし事故減りそう。
  • やっぱロードスターだな
    ずっとマニュアルでつくり続けてほしい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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