2020年のダカールラリーは1月6日、中東サウジアラビアのアル・ワジからネオムを目指すステージ2が行われ、ジニール・ドゥビリエ(トヨタ・ハイラックス)がステージ優勝。総合ではオルランド・テラノバ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリー)がトップに浮上した。フェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)はアクシデントに見舞われ、トップからおよそ2時間40分遅れの総合48番手までポジションを落としている。
1月5日から17日までの間に途中休息日を挟みながら、全12ステージが行われる2020年のダカールラリー。競技2日目となる6日(月)は紅海に面するアル・ワジからネオムを目指すスペシャルステージ367km、リエゾン(移動区間)26kmの行程で争われた。
初の中東開催2020年ダカールラリーが開幕。初挑戦のアロンソは総合11番手で初日を終える
このステージ2はスペシャルステージのおよそ95%が未舗装のグラベルや石の転がる路面が舞台。サウジアラビアでのダカール開催は2020年が初ということもあってか、ナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)やカルロス・サインツ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)といった有力ドライバーたちにはナビゲーションミスが相次いでしまう。
ライバルたちが思うようにペースを挙げられないなか、ステージ終盤までトップを走ったのは地元サウジアラビア出身のヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス)。しかし、フィニッシュ目前でドゥビリエがトップを奪うと、そのままステージ優勝を手にした。
これでドゥビリエはキャリア通算15回目のダカールステージ優勝を飾ると同時に、ダカール史上初めて3大陸のステージで優勝を飾ったドライバーとなった。
一方、総合順位争いではステージ2で2位に入ったテラノバがトップへ。総合2番手のサインツに対し、4分43秒のリードを築いてみせた。総合3番手は前年覇者のアル-アティヤで首位テラノバとは6分7秒差がついている。
「いい1日だったけど、かなり厳しい日でもあった」とテラノバ。
「序盤からプッシュしていたけれど、スタートから60kmほどの地点でタイヤがパンクしてしまったんだ。だから、そのあとは丁寧なドライブを心がけた」
「またステージ途中ではナッサー(アル-アティヤ)が真逆の方向へ進んでいるのが見えた。自分たちは正しい進路を取っていると思っていたけれど、少し混乱してしまいタイムを失ったよ」
「正しいルートに戻ったあとは注意を払いつつもタイムを削るべくプッシュしていた。今日の結果はまずまずだし、いい仕事ができた」
■初挑戦のアロンソはアクシデントで2時間以上をロス。総合順位で大きく後退
この2020年大会が初のダカール挑戦で、前日のステージ1を11位で完走したアロンソは、ステージ2も危なげない立ち上がりをみせたが、スタートから160km付近でマシンフロント周りにダメージを負ってしまう。
これで走行中断を余儀なくされたアロンソは、アシスタンスチームの助けも借りてマシンを修復しステージ2を走りきったものの、ステージ1位から2時間34分38秒遅れのステージ63位。総合でもトップと2時間38分53秒差の総合48番手まで後退し、ダカールの厳しさを身をもって味わった1日となった。
四輪市販車部門でクラス7連覇を目指すチームランドクルーザー・トヨタ・オートボデーは三浦昂/ローラン・リシトロイシター組338号車が総合40番手、クリスチャン・ラビエル/ジャン・ピエール・ギャルサン組326号車が総合41番手で、ともにステージ2を走りきっている。
トラック部門を戦う日野チームスガワラは、エース車となる菅原照仁の512号車がステージ15位/総合14番手、チームメイトの塙郁夫が操る519号車は日本時間7日(火)0時20分時点ではフィニッシュ地点にはたどり着いておらず、走行を続けている模様だ。
二輪部門については、このステージ2は競技終了後に10分間のメンテナンスしか行えない“スーパーマラソン”ステージとして実施されたため、各ライダーはマシンを労りながら367kmのスペシャルステージを走り切る必要がある難しい1日となった。
そんなステージ2では前日トップにつけていたトビー・プライス(KTM450)が道を切り開く役目を強いられたこともあり12分以上のタイムをロス。代わってサム・サンダーランド(KTM450ラリー・レプリカ)が総合トップへと浮上している。
サンダーランドと1分18秒差の部門2番手はパブロ・キンタニージャ(ハスクバーナFR450ラリー)、部門3番手にケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450ラリー)が1分32秒差で続いている。
競技3日目に行われるステージ3はネオム周辺の渓谷や山岳地帯を回るルートで争われる1日。走行距離はスペシャルステージが327km、リエゾンが77km。またこのステージ3では今大会でもっとも高い標高1400メートル付近も通過する構成となっている。
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