NTNは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)に搭載されるモータ向けに開発した高速深溝玉軸受の量産納入を拡大している。
EV・HEV用のモータは、省電費・省燃費化を目的に小型・軽量化が進んでいる。モータの出力トルクを維持しながら小型・軽量化を実現するために、モータ用の軸受には優れた高速回転性能が求められている。一方で、軸受を高速回転させるためには、遠心力による保持器の変形・破損などの課題があった。
内燃機関超基礎講座 | 25年の歳月、ターボラグの解消、低回転大トルク傾向のターボエンジンという傾向
NTNが2015年に開発した本商品は、材料の見直しによる保持器の高強度化とともに、主に保持器と転動体が直接触れるポケット部の形状工夫をすることで遠心力による変形を最小化し、高速回転対応を実現したもの。従来品と同一寸法のため、置き換えも可能だ。
【特 長】
・限界回転数:NTN従来品比2倍以上 保持器材料・形状の最適化
・標準軸受と同一の取り付け寸法(置き換え可能)
【販売目標】
2030年販売目標 25億円/年
本商品はグリース潤滑用に開発したものながら、オイル潤滑環境下での適用も可能で、使用条件によってはdmn値*150万の高速回転にも対応する。近年、モータの発熱を抑えるために冷却効果が優れるオイル潤滑のモータが増加傾向にある中、オイル潤滑向けで多数の要望があり、量産納入を拡大している。
*dmn値:軸受の回転性能を表す指標で、軸受ピッチ円径(mm)×回転速度(min-1)
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