現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > バブル時代のホンダ「NSX」が残した功績とは? 欧州スーパーカーに影響を与えた当時最先端の技術を振り返る

ここから本文です

バブル時代のホンダ「NSX」が残した功績とは? 欧州スーパーカーに影響を与えた当時最先端の技術を振り返る

掲載 30
バブル時代のホンダ「NSX」が残した功績とは? 欧州スーパーカーに影響を与えた当時最先端の技術を振り返る

最先端スーパースポーツとして復活するもまた絶版に

 満を持して復活した2代目も姿を消してしまったホンダ「NSX」。アメリカ主導ゆえに盛り上がりに欠けたのか、初代が偉大すぎたのかは不明だが、ホンダのみならず、日本初、そして国産量産車としては唯一のスーパーカーとして君臨してきたのは確か。ここであらためて、初代NSXの功績をたどってみよう。

ホンダ「NSX」の次に「タイプR」の称号が与えられた「インテグラ」について語ろう! 「赤い」バッジにシートは高性能の証だった

時代に合わせた改良を施しつつ15年間販売された

 初代が登場したのはバブル絶頂期の1989年のことで、東京モーターショーで「NS-X」としてホンダブースに姿を現した。ハイフンが入っているのがポイントで、「ニュー・スポーツカー」の頭文字である「NS」に未知数を表す「X」の組み合わせが車名の由来となる。

 市販開始されたのが1990年のことで、法規に合わせるためにヘッドライトまわりを変更するなどのマイナーチェンジは2003年まで行われたが、2005年の生産終了まで基本的な部分は15年間変わらず販売された。

 長きにわたって君臨し続けられたのはひとえに基本性能がしっかりとしていたから。なかでも世界初として、世界中の自動車メーカーが驚愕したというオールアルミ製モノコックボディはその代表格だ。軽量なだけでなく、非常に剛性が高く、現在流通している中古車を見てもボディそのもののヤレはまったく感じられない。一説によると馴染むようにして今でも徐々に剛性は高まっているとも言われている。

 開発責任者は、スポーツカー作りの神様とまで言われた上原 繁氏。もともと操安性を専門にしていただけに、ハンドリングにもこだわって開発された。また当時、F1で活躍していたアイルトン・セナが開発テストにも参加し、鈴鹿での試乗後に酷評されたというのも有名なエピソードで、それをバネにしてニュルブルクリンクでのテストを含めて性能に磨きがかけられた。エンジンは紆余曲折あったが、最終的に「レジェンド」の3L V6をベースにDOHC化し、さらにVTECも搭載している。

30年前にホンダがプレミアムスポーツを販売したのは日本の誇りだ

 1990年あたりというのは日産「スカイラインGT-R」など、名車と呼ばれるスポーツカーたちが大挙して登場した時代で、もちろんNSXもそのうちの1台となる。発売当時の反響はというと、バブルの影響もあって発売時は予約が殺到したうえに、手作業の工程も多く納車まで3年待ちという状態に。転売も多く発生し、ちょっとした問題になった。

 ただし、バブル崩壊後はキャンセルが続出し、販売的には大成功したとは言い切れなかった。ちなみに価格は800万円(5速MT/栃木価格)で、当時としてもスーパーカーとしては安かった。

 評価については、スーパーカーなのに乗りやすくて醍醐味がないといったものも見受けられた。筆者が実際に乗ってみても軽くて雨の高速道路でフロントが浮くといったこともあったが、全体的には気を使うことなく、運転することができた。またゴルフバッグを積むため、エンジンの後ろにスペースをわさわざ追加するなど、量販メーカーがスーパーカーを作る難しさが露呈してしまったとも言える。

 日本での販売台数は7011台で、世界では1万6864台が販売されたとされる。ホンダらしく性能にこだわった反面、フェラーリやランボルギーニなどと肩を並べるほどのプレミアム性はなかったのは事実。ただ、1990年、つまり30年も前にこのようなスーパーカーを日本のホンダが作ったということは十分に価値があることで、日本の宝と言っていい。

※ ※ ※

 今でもホンダはリフレッシュプランを設けて対応している(現在、一時受付休止中)のも、心意気として評価できる。日本車もプレミアム化が進んでいるが、NSXを超えるクルマが出てきていないのも事実だ。

こんな記事も読まれています

ホンダが50ccバイクを生産終了! 原付は排気量から出力規制へ! 新規格のPCXとかシグナスとか出るのか?
ホンダが50ccバイクを生産終了! 原付は排気量から出力規制へ! 新規格のPCXとかシグナスとか出るのか?
ベストカーWeb
世界中で270万台の大ヒット! メルセデス・ベンツ「W123」シリーズは「Sクラス」のコンポーネントを受け継いで多様性に応えた傑作でした
世界中で270万台の大ヒット! メルセデス・ベンツ「W123」シリーズは「Sクラス」のコンポーネントを受け継いで多様性に応えた傑作でした
Auto Messe Web
フェルスタッペンがスプリント制す。ノリスをかわしたピアストリが2位【レポート/F1第11戦】
フェルスタッペンがスプリント制す。ノリスをかわしたピアストリが2位【レポート/F1第11戦】
AUTOSPORT web
F1オーストリアGP決勝速報|首位争ったフェルスタッペンとノリスがまさかのクラッシュ! ラッセルが”棚ぼた”優勝。角田裕毅14位
F1オーストリアGP決勝速報|首位争ったフェルスタッペンとノリスがまさかのクラッシュ! ラッセルが”棚ぼた”優勝。角田裕毅14位
motorsport.com 日本版
あくまでも結果論!? 愛車が一生モノになるオーナーの5つの特徴とは?
あくまでも結果論!? 愛車が一生モノになるオーナーの5つの特徴とは?
外車王SOKEN
驚異的に「速く」明らかに「重い」 最新BMW M5へ初試乗 次世代は727psのV8プラグインHV!
驚異的に「速く」明らかに「重い」 最新BMW M5へ初試乗 次世代は727psのV8プラグインHV!
AUTOCAR JAPAN
シボレーC6型「コルベット」を『ウマ娘プリティーダービー』の痛車に! こだわり抜いて完成までに3カ月かかった理由とは
シボレーC6型「コルベット」を『ウマ娘プリティーダービー』の痛車に! こだわり抜いて完成までに3カ月かかった理由とは
Auto Messe Web
”代役参戦”のロバンペラ、王者の貫禄見せる総合優勝。エバンス2位でトヨタがワンツー|WRCラリー・ポーランド
”代役参戦”のロバンペラ、王者の貫禄見せる総合優勝。エバンス2位でトヨタがワンツー|WRCラリー・ポーランド
motorsport.com 日本版
バニャイヤ、独走逃げ切りでオランダGP”ハットトリック”達成! ランク首位逆転近し|MotoGPオランダ決勝
バニャイヤ、独走逃げ切りでオランダGP”ハットトリック”達成! ランク首位逆転近し|MotoGPオランダ決勝
motorsport.com 日本版
ダイハツの「認証不正問題」どうなった? 基準適合性の確認が終了! グランマックス含む3車種はリコール対応に
ダイハツの「認証不正問題」どうなった? 基準適合性の確認が終了! グランマックス含む3車種はリコール対応に
くるまのニュース
英国総選挙 自動車関連の争点は「エンジン車禁止の時期」「EV支援」か 各党の公約は?
英国総選挙 自動車関連の争点は「エンジン車禁止の時期」「EV支援」か 各党の公約は?
AUTOCAR JAPAN
「ル・マン24」翌日、自分の車でコースを巡る聖地巡礼! 縁石は想像以上に鋭角で高さがあるので要注意です【みどり独乙通信】
「ル・マン24」翌日、自分の車でコースを巡る聖地巡礼! 縁石は想像以上に鋭角で高さがあるので要注意です【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
流行りはホットハッチからFFクーペに! トヨタ・セリカ マツダMX-6 ローバー220 クーペ 1990年代の煌き(1)
流行りはホットハッチからFFクーペに! トヨタ・セリカ マツダMX-6 ローバー220 クーペ 1990年代の煌き(1)
AUTOCAR JAPAN
カーブで光るトヨタ・セリカ ワンランク上のマツダMX-6 ホットハッチ的なローバー220 クーペ 1990年代の煌き(2)
カーブで光るトヨタ・セリカ ワンランク上のマツダMX-6 ホットハッチ的なローバー220 クーペ 1990年代の煌き(2)
AUTOCAR JAPAN
ジムニーのアームレストを本革調表皮に…カーメイトが発売
ジムニーのアームレストを本革調表皮に…カーメイトが発売
レスポンス
1.5リッターエンジンで「300馬力」オーバー! 超パワフルな「小さな高級車」発表に驚きの声! リーズナブルな「低価格」も実現した新型イヴォークとは
1.5リッターエンジンで「300馬力」オーバー! 超パワフルな「小さな高級車」発表に驚きの声! リーズナブルな「低価格」も実現した新型イヴォークとは
くるまのニュース
BMW、2025年に登場する『M4 GT4エボ』の追加情報を発表。新車は約3800万円
BMW、2025年に登場する『M4 GT4エボ』の追加情報を発表。新車は約3800万円
AUTOSPORT web
首都圏に向けて水産加工品を運ぶデコトラ乗り! 夜間特急便の仕事ぶりに密着取材した
首都圏に向けて水産加工品を運ぶデコトラ乗り! 夜間特急便の仕事ぶりに密着取材した
WEB CARTOP

みんなのコメント

30件
  • リトラのRの他、現行911のカレラS、アルファの4Ç、その他フロントエンジンのスポーツカーを2台ほど所有していますが、NSXタイプRは別格ですよ。乗るたびにハイパワーのバイクと同じくらい疲れるけど、同じくらい充実感があって、趣味の車としては、最後まで残しますね。これは、所有した人しかわからないですよね…。所有したこと、いわんやドライブしたことのない人に何を言われても、オーナーは沈黙するけど、ドライブしたこともない車を批判するのって寂しくないのかな?
  • あのトランクはゴルフバッグを積めるようにと営業からのリクエストがあったそうだが、開発チームはそれに答えながらも実際には空力のためにテールを伸ばしたという説が今では主流を占めている。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.03880.0万円

中古車を検索
NSXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.03880.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村