スーパーカーは市街地のクルマではない
英国のグレートブリテン島を挟む、北海からアイルランド海を目指すのが、筆者にとってのキャノンボール・レースだ。麗しいブロンド美女やアクションが得意な香港俳優はいないし、走行距離も3000マイル(約4830km)よりだいぶ短いけれど。
【画像】復活のランボルギーニ・カウンタック ベースのアヴェンタドールとシアン 初代も 全113枚
A66号線の起点、東海岸のレッドカーという街から西海岸の終点、ワーキントンまでは200kmほど。2時間半もあればゴールできる計算だが、新しいランボルギーニ・カウンタックが相棒だから、間違いなく楽しいドライブになる。
工業地帯が広がるレッドカーという町には、北部の港町に漂うような、ロマンチックな雰囲気が足りない。それでも、フォトグラファーのリュク・レーシーは、釣り船が並ぶ沿岸の公園で素敵な写真を撮影してくれた。
やや不機嫌そうに、滑らかなエグゾーストノートを放ちながら、カウンタックが市街地を進む。運転席からの視認性は、余り良くない。乗り心地には落ち着きが足りず、シフトチェンジもスムーズではない。スーパーカーは、市街地のためのクルマではない。
3つ又のロータリー交差点が、A66号線の始まり。ティーズ川沿いに、片側2車線の流れの良い道が続く。トラックのタイヤが、筆者の顔の真横で回転している。午前中の太陽を後ろにし、ロードトリップの始まりだ。
映画キャノンボールのオープニングシーンは、パトカーに追跡されるカウンタックが主役。今回の筆者は、そんな目に会いたくない。
ワインディングで味わう極上の時間
お借りしたクルマは、イタリアで準備された英国風のプロトタイプ用ナンバープレートを下げている。フロント側のものは、都合で外されている。合法だと聞いているが、警察に出くわしたら説明は必要かもしれない。加速して逃げるわけにはいかない。
A66号線を、カウンタックでひっそり走ることは難しい。多くのドライバーが筆者を追い越し、スマートフォンを片手に写真を撮っていく。そして、轟音を響かせながら自分たちを抜き返していくのを期待している。むしろ、そうしないのは失礼だろう。
アヴェンタドール由来の6.5L V型12気筒エンジンは、オリジナルのカウンタックが搭載していた、寿命の長かった第1世代のユニットとは点火順序が異なる。だが、サウンドの興奮度合いは変わらず素晴らしい。
アクセルレスポンスには息を呑む。9000rpmのレブリミットめがけて、見事な咆哮を響かせる。迷惑に感じる人もいるだろう。だが、スマートフォンを片手にしている人にとっては、待ち望んだ音響なはず。
少しレトロ感のあるスタイリングも同じ。このV型12気筒には相応しいと思う。
A66号線から少しそれて、カウンタックをワインディングで味わう。キャノンボールの走り方としては正しくないかもしれないが、極上の時間だった。
ステアリングは正確で、市街地ではギクシャクしていた硬い乗り心地も、見事な姿勢制御へ転じていく。ドライブモードをスポーツにすると、エンジンサウンドが高まり、アフターファイヤーの破裂音が混ざりだす。
公道では手に余るボディサイズや最高出力
そんなドライビング体験を合法的に楽しむには、1速を保つ必要がある。もう少し、クルマ全体をスケールダウンしても良い。ボディサイズも車重も、アルミホイールも、最高出力も、すべてが公道では手に余ってしまう。
とはいえ、それがランボルギーニ・カウンタックの魅力の1つでもある。伝説の光は、過去の光でもある。
キャノンボール・レースのスタイルも、現在では異なるだろう。1秒でも速くゴールするため、ガソリンをより多く燃やす時代ではなくなった。アメリカの西海岸を目指す場合は、駆動用バッテリーの充電時間をどれだけ短縮するかが、カギかもしれない。
A66号線へ戻り、グレートブリテン島の西海岸、ワーキントンの町を改めて目指す。市街地の中央、信号機のある大きな交差点が終点だった。
青信号を待っていると、道に面したレストランのスタッフが、口々に驚きや称賛の声を発する。イタリア語の方言を話す人だったら、カウンタック!と言葉にしたかもしれない。
映画キャノンボールも、リメイク版が噂されている。90分のカーチェイス映画なら、きっと楽しめると思う。新しいカウンタックを登場させることもできる。V型12気筒ハイブリッドの、アヴェンタドールの後継モデルでも良いかもしれない。
いずれにしても、ランボルギーニは欠かせない。復活を遂げたハイブリッドのカウンタックは、紛れもなく毅然としたスーパーカーだった。
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みんなのコメント
その影響からか私の中でNo1スーパーカーは今でもカウンタックです。
最近見る機会はあまりありませんが、高速道路でたまにみると今でもウキウキします。