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パワー&トルクも向上して2794万円! 最後の「NSX」 となる「タイプS」日本仕様の全容を公開

掲載 更新 25
パワー&トルクも向上して2794万円! 最後の「NSX」 となる「タイプS」日本仕様の全容を公開

 この記事をまとめると

・タイプS専用のエクステリアやホイール、タイヤを新たに装備

2022年12月で2代目NSX販売終了! そして最後のモデルとなるType Sの先行情報を初公開

・世界70台限定の新色「カーボンマットグレー・メタリック」をラインアップ

・日本は30台限定販売で価格は2794万円

 ついに日本仕様を発表! 限定30台で上陸予定

 8月3日に先行発表された、現行2代目NSXの最終モデル「タイプS」。その日本仕様が8月30日に発表され、詳細が明らかになった!

 ティザーサイトの段階でもその片鱗が見えていたエクステリアは、実車を見ると想像よりも遥かにアグレッシブで、かつ最新のスーパースポーツにふさわしいものだったと言えるだろう。

 とりわけフロントマスクは、タイプS専用バンパーおよびカーボン製リップスポイラーの造形そのものは鋭く攻撃的ながら、ボディ同色の部位が増えたことで、むしろ以前よりもシンプルかつ洗練されている。それでいて、ハウジングがブラック化されたヘッドライトの存在はかえって際立つようになったため、眼光が鋭くなったのも好印象だ。

 リヤバンパーも、NSX GT3 Evoをモチーフとし大型ディフューザーを備えた専用デザイン。グレーまたはブラックから色を選べる専用ホイールは、フロント用が10mm、リヤ用が20mmワイド化された、5スポークの鍛造アルミ製に変更されている。

 これらのデザイン変更は無論、単に新鮮味や特別感をアップさせるためだけのものではない。エアロパーツはパワートレインの冷却性向上に加え、ダウンフォースの増大および急激な変化の防止、タイヤの浮き上がり抑制を図った形状。ホイールはワイドトレッド化による限界性能とコントロール性の向上を狙った、機能的にも大きな意味のあるものだ。

 そのほか、テールライトのハウジング、ドアハンドル、エキゾーストフィニッシャーがブラック化され、エンジンセンターカバーはレッド塗装とされたことで、タイプSならではのレーシーな装いに。なおボディカラーは、タイプS専用かつ世界70台限定の新色「カーボンマットグレー・メタリック」と、日本仕様には初めて設定される初代からのヘリテージカラー「ロングビーチブルー・パール」を含む全10色が用意された。

 インテリアもパワーユニットもタイプSを名乗るに相応しい仕様!

 デビュー当初より課題だったインテリアも質感向上が図られている。

 アルカンターラがピラーやセンターパッドに用いられたほか、ステッチの配置がより精緻に。グローブボックスとキーレスエントリーユニットにType Sロゴ、ヘッドレストにNSXロゴが入ることで、所有する喜びが高められた。

 同時にシートのカラーバリエーションも一新。セミアニリンレザー×アルカンターラシートは従来より赤の色味が変更されたニューレッド、エボニー、オーキッドの3種類、セミアニリンフルレザーシートは同じくニューレッドとエボニーの2種類となっている。

 そして肝心の走りも、2019年モデルへのマイナーチェンジの際以上に、大きく手が加えられている。

 なかでも最大のトピックはパワートレインだろう。3.5リッターV6直噴ターボエンジンは、ターボチャージャーが高耐熱材を用いたものに変更され、過給圧は5.6%アップ。これに合わせてインジェクターは燃料噴射流量が25%高いもの、インタークーラーもフィンピッチが変更され放熱量が15%高いものとなった。その結果、エンジン単体の最高出力は16kW(22馬力)高い389kW(529馬力)/6500~6850rpm、最大トルクは50N・m(5.1kgm)高い600N・m(61.2kgm)/2300~6000rpmへと大きく向上した。

 フロント2モーター・リヤ9速DCT内蔵1モーター式の「スポーツハイブリッドSH-AWD」も進化した。IPU(インテリジェントパワーユニット)はバッテリー出力が10%・7馬力、使用可能容量が20%引き上げられ、フロントのツインモーターユニットは20%ローレシオ化。パワートレイン全体でのシステム最高出力は581馬力から610馬力、システム最大トルクは646N・mから667N・mとなった。

 そのほか、9速DCTには減速側パドルを0.6秒ホールドすることで瞬時にもっとも低い適切なギヤへシフトダウンする「パドルホールド・ダウンシフト」を、ホンダ車で初めて実装。エンジン音のマネジメントも、アクセル操作に応じて吸気音が大きくなるよう、また高周波の成分がキレイに出て、エンジン回転数が上がるとともに和音となるよう、チューニングを施している。

 ハンドリングも進化した。前述のホイール幅&トレッド拡大に加え、タイヤも従来のコンチネンタル・スポーツコンタクト6からNSX専用設計のピレリPゼロ(HO)に銘柄を変更。磁性流体式のアクティブダンパーシステムも、最小・最大側とも減衰力の幅が拡大され、街乗りからサーキットまであらゆる走行環境に対応できるようになった。

 そして、「QUIET」「SPORT」「SPORT+」「TRACK」の4モードから選択できる「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」は、これらの改良に合わせ、全モードとも制御が変更されている。

「QUIET」ではEV走行時の加速性能を高めつつEV走行領域を拡大。「SPORT」「SPORT+」ではコーナー進入から立ち上がりまで加減速レスポンスとライントレース性を向上させた。「TRACK」ではドリフトを許容するコントロール性を持たせつつ、エンジンサウンドの一体感を高めている。

 NSX2022年モデル唯一のグレードとして設定されるこのタイプS、世界限定350台のうち、日本に割り当てられるのはわずか30台。車両本体価格は2794万円と、絶対的には高価だが、その進化の大きさを考えるとバーゲンプライスと言ってよく、9月2日の購入申し込み受付開始当日に完売となる可能性は高い。

 2022年12月の2代目NSX生産終了まであと1年4カ月。それ自体は非常に残念だが、最終モデルとして「タイプS」を設定し、全面的に進化させてくれたホンダに、心から感謝したい。そして、遠くない未来に次のNSXが生まれることを、心から願っている。

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みんなのコメント

25件
  • 幼稚なデザインなんだよね。性能も、、、、失敗だね。
  • スーパーカーとも言わないし、ちょっと微妙だったよね。短命なのもわかる。
    ランボルギーニから権利買い取って作ったR8と同じ運命。各々歴史に幕を下ろしましたね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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