英国で熱い視線が向けらたチェロキー
ランドローバーとジープといえば、英米を代表するオフロードモデル・ブランド。それぞれ多様な選択肢を提供しているが、英国や日本では直接的なライバルにされることは殆どない。
【画像】英米の革新者 ジープ・チェロキー ランドローバー・レンジローバー 最新モデルも 全115枚
しかし1993年、XJ型の2代目ジープ・チェロキーがロンドンのショールームに並んだ時は、少し状況が違った。好調に売れもした。1995年にグランドチェロキーも投入され、英国での販売数は合計4万4000台に達し、大きなシェアを掴んでいる。
4.0Lエンジンのボクシーなオフローダーは、当時の英国では初代レンジローバーの競合モデルとしてしのぎを削った。それから30年が経過したが、今回はこの2台を振り返ってみよう。
現在はマニアから熱烈な支持を集める初代ランドローバー・レンジローバー、クラシック・レンジだが、当時の英国のファミリー層から熱い視線が向けられていたのはジープ・チェロキーだった。学校やサッカー・クラブの送迎にも活躍した。
それまでのジープは、細々と並行輸入されていた程度。1993年から親会社のクライスラー自らが本腰を入れ、英国への輸出が始まった。
北米では、初代フォード・エクスプローラーが登場。自国の一般家庭という、チェロキーの主要市場を侵食し始めていた。新たなユーザーを必要としていた。
ジープは1980年代にフランスのルノーと協力関係を結んでおり、既に欧州市場で販売されていた。だがコストを理由に、右ハンドル仕様は用意されてこなかったのだ。
乗りやすいSUVが支持される未来を予見
他方、高級オフローダーの代名詞的な存在へ成長したレンジローバーだが、その元祖ではない。1963年に、ジープが初代ワゴニアでこのコンセプトを具現化させていた。
ランドローバーがジープのアイデアを習った例は、これだけではない。初代ランドローバー、後のディフェンダーは、第二次大戦で活躍したウイリスMB、通称ジープへ影響を受けたモデルだった。実際、プロトタイプではシャシーも流用されている。
さらなるジープの発明といえたのが、1984年のXJ型チェロキーだ。乗りやすいSUVが支持される未来を予見していたといっていい。全長は4255mm、全幅は1725mmしかなく、改めて対面するとコンパクトさに驚く。
その反面、オフローダー向けのモノコック構造、ユニボディを採用し車内は広々としている。クラシック・レンジより215mm短く、152mm低く、469kgも軽量でありながら、着座時の頭上空間や荷室容量は同等。膝前にもゆとりがある。
クラシック・レンジは従来的なラダーフレーム構造を採用し、ボディがその上に載っている。フロントシートの間には、トランスミッション・トンネルが大きく膨らむ。高いフロアに、小ぶりなシートが固定されている。
運転姿勢は、背筋を伸ばしたコマンドポジション。スタイリングの特徴でもある低いウエストラインと相まって、広いグラスエリアから優れた視界を全周囲で得ている。
高い視点から市街地の喧騒を見下ろすと、ある種の優越感に浸れる。混雑した英国では、特にそんな印象が強い。
モノコック構造で得られる利点へ注目
狭い駐車場や手強いオフロードでも、コマンドポジションは有効。少し頭を持ち上げるだけで、フロントタイヤが進む場所を正確に把握できる。チェロキーの場合は、身を乗り出さなければ難しい。
セパレートフレーム構造を採用したことで、クラシック・レンジのリジッドアクスルは広範囲に動く。チェロキーはホイールトラベル量に制限があり、ホイールベース間のブレークオーバー・アングルが浅めで、走破性の高さでは及ばない。
もちろん、悪路性能は担保されている。深いぬかるみに対応するサスペンションを備え、前後ともリジッドアクスルで駆動される。路面の起伏を超える度にボディが揺れ、ワダチではタイヤが暴れるように感じるものの、当時の基準としては控えめだ。
タイヤサイズは近く、トラクションで大きな違いはない。リミテッド仕様のチェロキーの場合は、センターデフ付きの四輪駆動システムを備え、ローレンジも選択が可能。余程シリアスな場所でない限り、クラシック・レンジへ追従できるだろう。
モノコック構造を採用することで、多少の犠牲が生まれることをジープは理解していた。むしろ、セパレートフレーム構造では得られない利点へ注目していた。市場調査で、高級オフローダーが本格的な悪路へ挑む場面は限定的だと判明していた。
スポーティという表現を用いたくなる走り
滑りやすい草原や凍結した舗装路、ぬかるんだ丘陵地帯が、四輪駆動の主な活躍場所といえた。チェロキーは、これらの条件を難なくクリアしながら、殆どの時間を過ごすオンロードでの妥協を可能な限り小さくしている。
それ以上に、チェロキーは世界最速の量産オフローダーという称号を1993年に得ている。今回ご登場願った4.0L直列6気筒エンジンの場合、最高出力は192psに達し、1519kgという軽さが手伝い、0-97km/h加速を9.8秒でこなした。
ステアリングホイールを握り、アクセルペダルを傾けてみると、その反応は想像以上に軽快。チェロキーは乗用車ライクだ。
スポーティという表現すら用いたくなる。コンパクトなボディサイズと良好な視認性で、英国郊外の細い道でも導きやすい。後輪駆動モードへ切り替えれば、燃費も伸ばすことが可能だった。
高速道路を走れば、姿勢制御が緩めのステーションワゴンのようにも感じてくる。それでいて、思い切り泥まみれになることもいとわない。
対するクラシック・レンジのV型8気筒は3.5Lから3.9Lへ拡大され、187psへパワーアップしていたが、1988kgの車重に対しては不足気味。4速ATの仕事ぶりもイマイチだ。
とはいえ、高回転域でのV8らしいサウンドは重厚で聴き応えがある。高速道路の巡航でも、32.4kg-mと太いトルクで粘りリラックスしていられる。充分な加速時間が必要だけれど。
この続きは後編にて。
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